勉強方法・準備の仕方
1.1次試験対策ついでに2次対策も

○最短方法は過去問の繰り返し

一次対策として、効率面から、そして費用面からも、過去問の繰り返しに勝るものはない。
特に、今後も出題の可能性が高い問題を、繰り返すことで、確実な記憶と高いパフォーマンスが得られる。
過去問の繰り返しは、何回も繰り返すとそのうち答えを覚えてしまうので、効果がないと考える向きもあるが、そうではない。
覚えるべきは、回答の選択肢ではなく、どうしてそうなったかという理屈だ。
5年分程度をその解説とともにじっくり読み、理解すれば十分に試験当日には戦えるレベルになる。
特に問題の選択肢1つ1つについて、何故間違ったのか、なぜ合っていたのかということをきっちり説明できるレベルまで繰り返せば、言うことはない。
他人に説明できるレベルになれば、自然に二次試験の準備もかなり進んでいると言うことになる。消アドは同じような選択肢が、重ねて出題されているので、その対策としても過去問は効果的だ。
大学受験では「共通一次試験の第○問が、△×予備校の模試で出ていたのと同じ問題だ」と大騒ぎするが、資格試験ではそんなことはない。
逆に難易度や傾向が前年度と大きく変わると、受験者から怒りや怨嗟の声が大きくなるので、出題者も恐れて、従来と同様の、即ち内容のよく似た出題をするのだ。
出題者は役人でなくても、試験全体の実務を司るのは役人みたいな人だ。そう冒険はしない。加えて出題者も大抵同じ人が何年もやっている筈だ。
従って、問題自体の傾向もますます変わりようがない。

一方、二次論文対策では、多くの関連キーワードの記憶と、論題に対する自らの意見の形成の重要性についても既に触れたところだが、どういった準備をしたら良いか。

○ついでに新聞も熟読玩味

それは、朝日・読売・毎日などの全国紙の政治・経済・社会面を丹念に毎日読むことだと思う。
日経は確かに良いと思うが、興味のない人にとっては苦痛だし、一紙しかとってない家庭では追加購入となってしまう。
全国紙なら家族みんなで読めるし、消アドの2次準備もこれで十分だ。

さらに、全国紙はどれか1紙を継続的に読むことが重要だ。
というのは当然のことながら各紙それぞれ社風があり、朝日・毎日のように比較的現政権等に批判的な記事が多いものから、読売・産経など少し企業寄りのものまで、それぞれ事件や出来事に対する視座が異なっている。
同じ新聞を読むことで、この視座が自然と固まり、自分の意見を持ちやすくなるからだ(別名洗脳とも呼ばれるが)。
全国紙は、地方紙と異なり立場は比較的ニュートラルで、取り上げる対象も広い。そして、きちんと読めば相当深いことまで言及している。
特集記事などは一読の価値がある。
繰り返すが、800字の消アド2次準備はこれで十分だ。
ハンドブック消費者とかイミダスなどは、合格するには過剰な内容だ。
もちろん、やりたいというなら止めはしませんが。

論文は起承転結を覚えこんだら、比較的容易にパターン化できる。
ただ、自分の意見を持つことは結構難しい。意見を持つには、基本的には物事を批判的に見ることだ。
そういった意味からも社会の木鐸を任ずる全国紙の継続的熟読は有効である。

2.いつから準備を始めるのか

ほとんどの受験者は、ある程度真剣になって取り組むのは、願書を出す8月くらいからではなかろうか。
僕も、合格するのには実際それくらいで良いのではないかと考える。

消アド資格の必要度というか切迫度は人それぞれ異なるし、難易度も相対的なものだが、一般的にはパスするだけなら1日何時間もの準備は必要ない。
1次までなら一日1時間程度、2次なら一日1.5時間程度で十分対応できる。
もちろんそれには、通信講座などをやっている暇はなく、ひたすら過去問と、法律・経済・行政関連の関連キーワード記憶と文章構成の起承転結構築の練習など、効率性・即効性が必要とされる。
後は、新聞(全国紙)の政治・経済面に少し丹念に目を通すことだ。

大事なのは、自分がこつこつやるタイプなのかそうでないのか、残された時間はどれくらいか、自分の得手不得手などなど自分を客観的に見つめる第3者的な目であろう。

3.2次試験のための具体的な準備方法


〇仕込みの準備は普段から

あくまで、僕の場合はこうだったという参考に留めて頂きたいのだが、私の場合は、15年は実態的に殆ど準備できず、16年は二次試験だけだったので、本来的には準備する時間が十分あるはずだったのだが、追いつめられなければやらない性格的な問題もあり、結局手を付けられたのは10月下旬頃からの約1ヶ月だった。
ただ、16年は本格的には1ヶ月の準備ではあったが、それまでの間にぼちぼちネタ集めや、参考論文のコピー集めはやっていた。
思い返せば、この準備作業が結構重要だったと感じている。


〇自分の得意な分野を認識する

論文の作成に当たっては、第一・第二の各グループからそれぞれ一題ずつ自分の興味のある、もしくは得意なテーマを選ぶ。テーマはなるべく広い範囲や複数の問題を包括する様なテーマを設定することが望ましい。
たとえば「地球温暖化について」、「年金改正について」くらいが適当だ。ここであまりテーマを絞り込み過ぎると応用性を欠くからである。
そして実際に書いてみる。最初は、本や他人の論文を参考にして、見ながら書くことになる。

そして、もう一度今度は何も見ずに書いてみる。
出来れば、ここで、第三者に見てもらい、意見をもらえれば言うことはない。
あとは、起承転結にそれぞれどういった項目を書くかと言うことを、忘れないように、二日に一度は、メモに書き出すことで、記憶の定着を図る。メモに書き出すだけでから、時間もかからない。
1題につきせいぜい15分程度で済む。1日おきに1時間勉強するより、短くても毎日20分ずつ勉強する方が、記憶の定着には効果的である。
また、人間は機械ではないので、同じテーマで論文を作成しても毎回異なった内容となる。記憶が曖昧なこともその要因だし、新しい知識をその論文に反映しようとす
るのがその要因かもしれない。
いずれにせよ、毎回少しずつでも異なる内容に推敲を重ねることで、完成度は高まるし、自分の知識としても身に付く。

・時間的には各限目に二題くらい、延べ四題くらいをマスターした時点で、おおよそ、試験の本番を迎えるくらいの時間になる。
もちろん、これで十分とは考えるのかと言われると、確かに少し準備不足の感は否めないが、一応十分戦えるレベルにはある。
あやふやな知識を20覚えるより確かな知識を4つ覚える方がずっと役に立つ。
そうやって覚えた四題は、パターンとして自分の頭の中に刻み込まれているので、結構汎用性をもつ。

〇「くら豆」に頼り切るな

今年も、高齢者を対象とした詐欺、産地偽装、コンプライアンス、個人情報保護、年金、ニート・フリーターなど雇用問題、少子・高齢化が日本経済に与える影響、地球温暖化問題など、今年夏頃までに話題になった事項が中心になると思う。
「くらしの豆知識」に取り上げられていることが、小論文のテーマになる可能性が高いという人もいる。
15年には生活経済で「デフレ」が出題されたが、その年の「くらしの豆知識」でもトピックスとして取り上げられていた。
多分、多くの方が、ヤマが当たったと言うことでこの設問を選択したと思うが、たぶん「くら豆」通りに書いても、合格ラインには達しなかったのではないか。
僕はその典型だった。
それは、論理展開力と消アドとしての提言力がない論文だったからだと思っている。
そもそも「くら豆」だけでは800字は埋まらないし、小論文の核である自らの意見開陳が出来ない。「くら豆」プラスアルファの部分をいかに書き加えるかが合格へのポイントだと思う。


〇土日の勉強の予定を入れすぎるな
私の場合は、失敗した2003年は、気分が上滑りしていて、十分な地に足についた勉強が出来なかった。
あと、土・日曜に集中してと考えたのも失敗だった。
仕事があり、基本的には、忙しい人でも、平日を基本として、ある程度の量をこなしておき、土日はその出来なかったことをする補完・調整日くらいに考えていた方が無難だ。
出来ないことを一挙に休日に取り戻そうとするのは、不測の事態や急な飛び込み案件が入ったりすると一挙に駄目になり、焦りにもつながる。
また家族のいる人も、土日にまとめて時間を取ると言うのは難しいだろう。
時間の多寡ではなく、質である。
自分がどのような状況なら、一番集中力を発揮しやすいのかということを十分認識することが必要である。


〇とりあえず一度実際に書いてみる

とりあえず、1度、実際に手で書いてみる。
これをすると、全体的な感覚がつかめる。
手で書くのは面倒くさいなら、最低、パソコンで書く。

先ずテーマに関するキーワードを幾つか打ってみて、テーマに対する「自分の考え方」(賛成か反対か、その理由は、更に提言こうしたらどうかとか自分が消アドになったらこうするとか)を決める。
その後、決まった「自分の考え方」は起承転結の(結)の部分に持ってきて、後のキーワードは全体の流れを考えた上で(起)(承)(転)のいずれかに盛り込む。すぐに合格レベルとは行かないまでも、とりあえずは論文の完成だ。

そして自分の知識が増え、意見が固まるにつれ、何度かそれを適宜手直ししてみる。
パソコンに入れていれば、修正は簡単だ。
そして最終的には起承転結のそれぞれの段落に何を書いたかを、箇条書きで書き出すことができるようになれば、そのテーマについては自分が理解できたと言うことになる。