ヨーロッパでサマータイム廃止

〜 なぜ今? 〜



欧州議会が、夏の間、時計を1時間早めるサマータイムを2021年に廃止する決定をした

(石材店)「またまた、ほとんどの日本人が関心の無い話題ですね」
(幹事長)「こんなに重要な問題なのに?」


サマータイムは、「夏の間」とは言っても、実際には夏の間だけではなく、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までの7ヵ月もの長期間、実施されている。1年の半分以上もの間、実施されているから、むしろサマータイム実施中の方が通常時間って感じだ。

サマータイムは「夏になれば早い時間からお日様が昇っているのに、まだみんな休んだままで、もったいない」という発想から出てきたものだ。
実際に実現したのは、第一次世界大戦中にドイツが時計を1時間早めるサマータイムを導入したことから始まり、イギリスもそれに続いて実施し始めた。社会のエネルギー源だった石炭が戦争で枯渇していたため、少しでも節約するためだ。第二次世界大戦のときは、2時間も早めるダブル・サマータイムが導入された。

ヨーロッパだけでなく、北米などでも広く行われており先進国で実施していないのは日本くらいだ
一方、ロシアでは1917年に初めて導入されたが、2014年に廃止された。ただし、ロシアなんて東西に非常に広い国であり、11も時間帯があり、西の端と東の端では10時間もの時間差がある。国内出張するだけで何時間も時間が変わってしまうので、サマータイムなんて取るに足りない問題だ。
また、アルゼンチンも、かつては実施していたサマータイムを廃止したが、同じように廃止したチリでは再び復活している。

サマータイムを実施していない日本の人からすれば、毎年、春と秋に時計を変更するのは面倒な気がするが、実際には、何の不便も無い。単に、年に2回、時計を合わせるだけのことで、それを忘れたからと言って大問題になる訳ではない。世の中全体が切り替わるので、忘れていてもすぐ気が付く。幅広く周知も行われるから、学校や職場に遅刻するなんて間抜けな人はほとんどいない。

日本でもサマータイムを導入しよう、なんていう主張は昔から出ていた。しかし、何でもかんでもことごとく反対する民主党のような連中は、当然ながら大反対だ。彼らは何でもかんでも反対するしか能がないから、反対するために反対しているのだけだ。
サマータイム反対論者が主張するのは、毎日の活動時刻を変更する事で体調が悪化するという事だ。サマータイムが始まる春は睡眠時間が1時間短くなり、体が慣れるまで負担がかかるから、というのだ。睡眠不足で交通事故が増えるとか、心筋梗塞が増えるとか、主張をしている。
しかし、みんな毎日そんなに正確な生活を送っているのか?普通に生活していても、就寝や起床の時間なんて、1時間や2時間くらい、普通に変動しないか?私は普段はどんなに早くても7時より前に起きる事はあり得ないが、龍馬脱藩マラソンに行く時は5時に家を出発するし、海部川マラソンに至っては4時過ぎには出発する。オリーブマラソンの時だって5時過ぎには港に着いて船を待たなければならない。そんな状態でマラソン大会に出て大丈夫なのか、と言われれば、もちろん大丈夫ではない。

(幹事長)「タイムがイマイチなのは早起きが原因なのかも」
(支部長)「何の関係も無いと思うな」


支部長は普段から4時頃には起きているので問題ないのだろう。
それはともかく、1時間や2時間くらい早起きしたって何の問題もない
日本でも、敗戦直後は、石炭や電力を節約するために、GHQの命令でサマータイムが導入されていたが、すぐに廃止された。その理由は「労働過剰になる」なんていうトンチンカンなものだった。
そもそも、昔は人々はみんな、お日様が昇れば起きて活動していた。世界中どこでも同じ事だ。時計なんて無かったから、お日様が昇った時が一日の始まりだ。それに合わせて生活していたはずだ。それなのに体調が悪くなるとか主張するのは、とにかく何でもかんでも反対したい人の意見だ。

一方、サマータイム導入の本来の目的である省エネの効果は、と言うと、赤道から離れた国ほど省エネ効果は高まるようだ。ただし、早起きして生産活動を早めれば省エネ効果はあるだろうけど、その後の余暇の時間が延びればエネルギー消費は増えるかもしれない。

では、今になってなぜEUはサマータイムを廃止する事を決定したのだろうか
欧州議会の投票では賛成410票、反対192票の圧倒的多数で廃止が決定された。その背景は、サマータイム廃止を臨む市民が多いことだ。その理由は、やはり省エネ効果が少ない割りには、体内時計が年に2回強制的にずらされることによる睡眠障害や食欲障害、事故の増大、心臓発作など健康被害があると考える人が増えたためらしい。
なぜ今になって、こんな主張がまかり通るのか理解できない。

(石材店)「幹事長は明らかにサマータイムを支持していますが、何か理由があるんですか?」
(幹事長)「夏になると、通勤していると、朝から汗びっしょりになるだろう?あれが嫌だよ。まだ涼しいうちに出社したいよ」


別にヨーロッパでサマータイムが廃止されても私に直接的な影響は無いが、アメリカでも廃止の動きが出てくると少し困る

(石材店)「何の影響があるんですか?」
(幹事長)「株式市場の取引時間が変わるのよ」


ニューヨーク証券取引所の立会時間は朝9:30からだが、これは日本時間では23:30からになる。しかしサマータイム実施期間中は日本時間では22:30からになる。この1時間が大きい。冬は23:30まで起きてないといけないが、サマータイム実施期間中は22:30まで起きていれば良いのだ。

(石材店)「それが何の意味があるんですか?」
(幹事長)「ニューヨーク株式市場の動向が分かるじゃない」


ニューヨーク株式市場の動きは翌日の日本の株式市場の動きに大きな影響を及ぼす。それが前夜に分かっているのと、翌朝起きてから知るのでは、精神的に大きな違いがある。

(石材店)「それだけの話?」
(幹事長)「それだけの話です」


(2019.3.28)



〜おしまい〜





独り言のメニューへ