丸山議員の戦争発言

〜 議論を許さない思考停止の人達 〜



戦争による北方領土奪還論に言及した日本維新の会の丸山衆院議員が批判の嵐にさらされている
彼は北方4島ビザなし交流に参加した際、元島民の交流訪問団長との間で次のような話をした。

  (丸山)「団長は戦争でこの島を取り返すことは賛成ですか、反対ですか」
  (団長)「戦争で?」
  (丸山)「ロシアが混乱しているときに取り返すのはオッケーですか」
  (団長)「いや、戦争なんて言葉は使いたくないです」
  (丸山)「でも取り返せないですよね」
  (団長)「いや、戦争はすべきではない」
  (丸山)「戦争しないとどうしようもなくないですか」
  (団長)「いや、戦争は必要ないです」


これだけだ。これだけの会話だ。
この会話が大問題となり、日本維新の会を除名され、さらに野党からは議員辞職勧告決議案が提出された
その理由は、「丸山氏の発言は国会全体の権威と品位を著しく汚した。わが国の国是である平和主義に反し、国際問題にも発展しかねない可能性もある」ということだ。

もっとも、仮に辞職勧告が決議されても議員辞職勧告決議案に法的拘束力はなく、丸山議員は「可決されようがされまいが任期を全うする」と表明している。議員辞職勧告決議案は、過去に衆参で4人が可決されたが、辞職したケースはない
そもそも、過去4回決議された辞職勧告は、いずれも有罪判決を受けたり逮捕・起訴されたりするなど刑事責任を問われた議員に対するもので、議員の発言に関して辞職勧告を決議したことはない

独善的で自己中心的な立憲民主党は「放置することは民主主義に関わるということだ」と述べているが、それは逆で、発言内容を批判して辞職勧告するなんて、完全なる言論の自由の否定であり、民主主義の否定だ。政府批判を一切許さない中国や戦前の日本と全く同じだ。
国会は様々な議論をする場所であり、国会議員には様々な議論をする役目がある。それなのに、発言内容を批判されて辞職勧告が出されるなんて、とってもおかしな事態だ。
自民党だけは、国会議員の発言による辞職勧告決議は前例が無いことから、辞職勧告には慎重だ。ただし、これは、前例を作れば閣僚の失言なども対象になりかねないから慎重になっているだけかもしれない。

そもそも、丸山議員の発言のどこが問題になるのだろうか
酒に酔っぱらっていたとか、訪問団長に議論を吹っかけたとか、明らかに彼の態度は悪い。元々が態度の悪い人間の出来ていない若造の傍若無人な振る舞いだ。なので、実は個人的には彼は大嫌いだ。なので、本当はあんな奴を擁護したくない。
だが、言ってる事自体は、それほど突飛な話ではない
今、日本国民で「交渉を続けていれば、そのうちロシアが北方領土を返してくれるだろう」なんて無邪気な幻想を抱いている脳天気な人はいるだろうか。「交渉を続けていれば、そのうち韓国は竹島を返してくれるだろう」とか「そのうち中国は尖閣諸島へ侵攻する野望を捨ててくれるだろう」なんて無邪気に信じている脳天気な人がいないように、ロシアが北方領土を返してくれるなんて信じている人はいないだろう
それじゃあ、どうするか?ロシアを戦争をするか?いや、そうはならない。なぜならロシアと戦争したって100%負けるからだ。普通に考えたら「アメリカと戦争したって100%負ける」と分かっていながら、奇跡を信じてアメリカとの戦争に突っ走った戦前の軍のような愚かな選択はできない。なので、現実的にはロシアと戦争して北方領土を奪還する選択肢は無い
しかし、丸山議員は「今すぐ戦争しろ」と言ってるのではなく「ロシアが混乱しているときに取り返すのはオッケーですか」と言ってるのだ。これは可能性としてあり得る。ロシアも中国も民主主義のカケラも無い国だから、民衆の不満が爆発して社会が混乱する可能性はある。その混乱に乗じて日本固有の領土を取り返すチャンスは否定できない。

そういう議論をしているのを、頭ごなしに否定して議員辞職を迫るなんて、まさに言論の府の否定だ日本の民主主義の危機だ
頭が硬直した思考停止型の人達は「憲法9条で戦争放棄をうたっているから、国会議員は憲法を守らなければいけない」ってバカの一つ覚えみたいに連呼するが、何も今すぐ戦争しようって言ってるのではない。あくまでも今後の方策の1つとして検討しようというだけだ。
そもそも、占領軍に押しつけられてクソ憲法を後生大事に守っている事自体が、あまりにも呑気すぎる。そんな事で中国やロシアと渡り合えると思ってるんだろうか。
もちろん、当然ながら政府は、ロシアや中国との戦争はいつでも起こりうるとの認識で様々なシミュレーションをしている。もちろん韓国や北朝鮮との戦争だって想定している。核武装だって研究している。当たり前だ。それが政府の役割だ。「何も考えていません」では話にならない。

(2019.5.18)



〜おしまい〜





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