IS戦闘員の帰国拒否

〜 露呈したヨーロッパの二枚舌 〜



トルコ政府が、拘束している過激派組織「イスラム国」(IS)に加入していた外国人戦闘員について、出身国への送還を始めた
まずはアメリカ、ドイツ、デンマークへの送還を始め、さらに準備が整い次第、アイルランド国籍やフランス国籍のIS関係者についても送還を始めるとしている。

ところが、手始めにアメリカ出身のIS戦闘員1人を送還しようとしたが、アメリカが受け入れを事前に拒否したため、トルコは仕方なく陸路で隣国ギリシャに出国させようとした。しかしギリシャが入国を拒否してしまったため、ギリシャとトルコの国境に取り残されている、なんて前代未聞の事態になった。

トルコはおよそ1200人の外国籍のIS関係者を拘束しており、彼らを出身国へ送還しようとしているのだが、イギリスやドイツ、デンマークなどは彼らの国籍を剥奪するなどして、受け入れを拒否している
トルコは国籍が剥奪されていてもIS戦闘員の出身国に送還する方針だが、ヨーロッパ諸国は受け入れに否定的なので、今後も混乱は続きそうだ。

欧米各国が自国出身のIS戦闘員の受け入れを拒否しているのは、もちろん、彼らが帰国して、自国内でテロ活動を行うのを警戒しているからだ。
しかし、これは余りにも自分勝手な行動だ。独善的で自己中心的なヨーロッパの体質が露呈したと言えよう。

ヨーロッパ諸国は「人権重視」などと偉そうに言いながら、日本などの死刑制度に対して批判してきた。ところが、自国出身のIS戦闘員が帰ってくるかもしれない、なんて事態に直面したら、態度を豹変させて、死刑制度があり、かつ日本以上に積極的に死刑が執行されているイラクでの裁判を希望している
もちろん、イラクで裁判が行われたら間違いなく死刑になる。実際に、これまでも数多くのヨーロッパ出身のIS戦闘員の裁判がイラクで行われ、多くの戦闘員が死刑になっている。それなのに、ヨーロッパ諸国は、それを批判するどころか、歓迎している。なぜなら自国に戻ってきたら死刑にできないからだ
死刑にできないどころか、バカみたいに人権重視を叫んできたヨーロッパ諸国は、どんなに凶悪な犯罪を行ってきたIS戦闘員であろうとも、自国内での犯罪でないため、自国の裁判所では裁くことができないのだ。死刑にできないどころか、無罪放免で釈放せざるを得ないのだ。なので、さっさとイラクで死刑にして欲しいのだ。

なんて身勝手で自己中心的なんだろう。どう考えても、自国の出身者なんだから、引き受けるのが当然だろう。そして、バカみたいに人権重視なんて言わずに、自国内でさっさと死刑にすればいいのだ。死刑が嫌なら終身刑にすればいいけど、入国を拒否するなんて身勝手は許されない

(2019.11.13)



〜おしまい〜





独り言のメニューへ