来県を拒絶する知事(その2)

〜 浅はかな妄想を捨てろ 〜



前々回、全国の各知事の頭の悪さについて糾弾したが、その中で高速道路のパーキングエリアや主要国道などの県境で来県者の検温を行い、追い返すなんていうトンでもない悪事をたくらんでいた県知事を紹介した。
この知事は「取材されて顔をさらされることはごめんだと思ってもらいたい。我が県に来たことを後悔するようになればいい」なんて暴言を吐いていた。つい、こないだまで「我が県に観光に来てください」なんて笑顔を振りまいていたのが、手のひらを返したように「来たことを後悔しろ」なんてトンでもない暴言を吐いたので、呆れてものが言えなかった。
このような検温は強制的に実施できるものではないから、何の実効性も無い事を指摘したが、世間からもこの暴挙について批判が殺到した
関西の人を病原菌扱いするのか」「他県の人間にケンカを売っている」「県外ナンバーを差別するな」「現場に行って妨害する」「職員に危害を加える」といった抗議や脅迫が県に殺到したのだ。このような批判を浴びて、県知事は検温を中止することにしたが、当たり前の事態だ。こんな当たり前の事態を知事は予想できなかったのだろうか?やはり、だいぶ頭が悪いようだ。

しかも検温を諦める代わりに、今度は西日本高速道路と本四高速道路会社に対し、多くの観光客が利用する県内のインターチェンジについて閉鎖するよう要請した。「目的地に行けないかもしれないと思わせられる」なんて暴言を吐き続けているから、暴言に対して反省する気は無いようだ。
もちろん、高速道路会社は「対応は難しい」と拒否している。理由は「高速道路などの幹線道路の通行を確保することは、物流を支える上で極めて重要であり、IC閉鎖を行うことは現実的には大変難しい」という事で、ものすごく当たり前だ。
前回の記事に書いたが、全国知事会が「都道府県境を越えた人の移動の最小化を推進するため、国が管理する国道などの道路の規制や駐車場の利用禁止」を求めたことに対し、「道路は物流などに重要な機能を果たしていることに配慮する必要がある」として政府に拒絶されたのと全く同じだ。全然、懲りていないというか理解していない。

国道にしろ高速道路にしろ、封鎖しろなんていう妄想には致命的な欠陥が2つある
1つ目は、制度的にも物理的にも封鎖は不可能だと言うことだ。日本の法制度として、中国の都市封鎖(ロックダウン)のように、コロナウイルス対策で国道や高速道路を封鎖するなんて事はできない
そもそも県の封鎖なんて物理的に不可能だ。国道や高速道路を封鎖したって、県道や市町村道へ迂回されたら、全く意味が無い。国道しか通ってないような地域は、山の中など、そもそも交通量が少ないところだ。交通量が多い地域は、国道を封鎖したって、他にいくらでも迂回路はある。 本当にやるのなら、全ての道路にバリケードを築いて通行止めにするしかないが、絶対に不可能だ。
もっと大きな2つ目の問題は、国道や高速道路を封鎖して物流が途絶えると、県民は即死するって事だ。今、あらゆる物が県境をまたいで運ばれている。国道を封鎖したら、物流が止まってしまい、明日にでも死者が山積みになるだろう。
こういう小学生でも分かる簡単な事が、なぜ知事には分からないんだろう。とても不思議だ。
どう考えても実現不可能な妄想は、捨てなければならない。

(2020.4.29)



〜おしまい〜





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