島根県の聖火リレー

〜 意味不明の県知事 〜



東京オリンピックの島根県内での聖火リレー中止を検討していた島根県知事が、一転して聖火リレーの実施を受け入れた

島根県知事は2月、突然、聖火リレーの島根県内での実施を中止すると言い出したが、その理由は意味不明なものだった。
彼が言う聖火リレー中止の理由は2つ。
1つ目
 ・東京都のエリアで新型コロナの感染拡大を抑えることができておらず、再び感染拡大が生じる可能性が高い。現状のままではオリンピックの開催は許容しがたい。
というものだったが、何度読んでも意味が分からない。
東京で感染拡大を抑え込めていないという事実は正しいが、だからと言って、なぜ島根県知事がオリンピックの開催を許さないんだ?なぜ島根県内での聖火リレーを中止するんだ?
全く意味不明だ。論理がつながっていない。いったいどこに島根県知事が東京オリンピックを許さない権限があるのだ?ほんと、全く意味不明だ。

2つ目
 ・全国の飲食店が打撃を受けているにもかかわらず、政府の支援が感染拡大地域に限定されるのは認められない。
というものだったが、感染拡大地域において営業自粛要請をしているのだから、政府の支援が感染拡大地域に限定されているのは当たり前じゃないのか?
感染が拡大してない地域において、感染が拡大もしてないのに勝手に県知事が独断で営業自粛を要請しているとしたら、それは勝手な独断行為であり、政府が支援する必要は無い
島根県は鳥取県、秋田県と並んで、全国でもダントツに感染者が少ない県だ。
コロナ感染と無縁な地域において、もし仮に県知事が勝手に勇み足の営業自粛なんかをやっているのなら、県知事が勝手に補償すればいいだけだ。国は関係ない。ましてやオリンピックとは何の関係もない

という事で、島根県知事の行動は、本当に全く理解不能だった。これは皮肉で言ってるのではなく、本当に意味不明だった。
日本で最も感染の少ない地域の県知事が、一体何を勘違いしてい吠えてるんだろうって不思議だった。
そもそも県知事に聖火リレーを中止させる権限があるのか、というのも疑問だ。
実質的には、県は警備費用などを負担しているので、県の判断で実施が難しくなる可能性はある。しかし、それは嫌がらせというものだ。

このように意味不明な理由によるはた迷惑な中止だが、中止するというのなら、勝手にどうぞというのが正直なところだった。
聖火リレーを楽しみにしていた島根県のランナーや関係者の方々は非常に気の毒だけど、そういう知事を当選させてしまったのだから、諦めてもらうしかない。
強い反対運動が巻き起これば良いなとは思っていたが、そういう動きは乏しかった。
動きがあったのは島根県出身の自民党竹下派の竹下長が「知事の発言は不用意だ。注意しようと思っています」と述べたくらいだ。竹下会長は「知事の発言に困惑している。誰も知事に付いてこないのではないか」とも語っていたが、実際にどういう圧力をかけることができたのか実態は分からない。

それが、このたび、島根県知事は一転して聖火リレーの実施を受け入れた。その言い訳が、これまた全く意味不明だ。
彼は今さらながら「聖火リレーの中止は県民のプラスにならない」なんて言い出した。今まで分からなかったのか!?と驚きだ。
聖火リレーの中止という選択は、県内の飲食事業者、関係事業者にとってプラスの影響を及ぼさない」なんて今さら言ってるが、それは最初から分かりきった事だ。今さら何を考えているのか本当に理解できない。

さすがに何の理由も無いのに態度を一転させることが恥ずかしかったのか、東京オリンピックの大会組織委員会に対して、大会スポンサーの車両やスタッフの削減を要望したが、組織委員会からは「聖火リレーはスポンサー企業の協賛によって実現できており、車両の帯同は不可欠だと」と一蹴され、何の成果も得られなかった
当たり前だ。聖火リレーのスポンサー企業は、宣伝効果があるからスポンサーになっているのだ。何もボランティアでやっている足長おじさんではない。宣伝活動ができないのならスポンサーは辞めるだろう。

このように何の成果も無かったんだけど、誰からも相手にされないまま島根県だけ聖火リレーをやらないってことになると、あまりにも恥ずかしいので、仕方なく容認したようだ。
格好つけて拳を振り上げたものの、誰からも相手にされないから、止むを得ず降ろしたってことだ。

島根県知事は、2月に中止を言い出したときには「現在の状況なら聖火リレーを中止する。現状が改善しなければオリンピックは開催すべきではない」なんて言ってたが、もちろん、その後、状況は改善していない。少しだけ悪化しているくらいだ。
島根県知事は「東京オリンピックは開いてもらっては困る。東京都には開催する資格がない」なんて偉そうに言ってたが、もちろん東京都知事からは無視されている。島根県知事には東京オリンピックに関して何の権限も無いのだから、無視されるのが当たり前だ。

このように、最初から最後まで、全く意味不明の島根県知事の行動だが、たぶん例によって政治的な思惑なんじゃないかと思う。
2019年4月の島根県知事選では、竹下氏が率いる自民党県連所属の国会議員らは、丸山氏とは別の候補を支援していたから、もともと竹下会長らとは政治的な対立があるのだろう。
そして、今回のスタンドプレーによって注目を集め、次の選挙を有利に戦いたいと思ってるのだろう。政治家は例外なく一人残らず自分の選挙の事しか考えていない。選挙民の事なんて露ほども考えていない。
こういう知事を選んだ県民は悲劇だが、他の選択肢も無かったのかもしれない。

最後に、強調しておかなければならないのは、聖火リレーで新型コロナウイルスが感染するなんて事はあり得ないって事だ。
ヒステリックな対応により軒並み中止が続いてるマラソン大会も同じだが、新型コロナウイルスは屋外スポーツや屋外観戦で感染するようなものではない
いくら密集しているように見えても、毎日乗っている満員電車に比べたら、はるかにスカスカだし、屋外だからウイルスが蔓延できる環境ではない
新型コロナウイルスは感染した人の咳やくしゃみの飛沫による飛沫感染でうつっていくが、飛沫感染は屋外では感染しない。
多くの国民が新型コロナウイルスを非常に恐ろしいもののように勘違いしているが、決して、エボラ出血熱のように極めて致死率の高いウイルスでもなければ、風疹のような感染力の強いウイルスでもない

多くの国民がヒステリックに踊らされているのは、視聴率さえ稼げればいい下品なマスコミがキチガイみたいに煽り立てるのと、新型コロナウイルスの新規患者数をゼロにしようなんていう狂信的な妄想に取り憑かれた医療関係者の独善のせいだ。
さらに、それに付け込んで何でもかんでも政府を批判する無能な民主党が調子に乗ってギャアギャア騒ぐからだ。
そして、政治的な思惑により、この騒ぎに便乗しようとしたのが人騒がせな島根県知事だ。
いい加減に、このようなヒステリックなバカ騒ぎは対応は止めて欲しいぞ。

(2021.4.6)



〜おしまい〜





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