性交同意年齢の引上げ問題

所属する国会議員による性行為が禁止される年齢に関する発言で、立憲民主が揺れている。
問題になった発言をしたのは本多平直衆議院議員（比例北海道ブロック）だ。
彼は、刑法で性行為が一律に禁止されている男女の年齢を、現行の１３歳未満から引き上げることを議論する立憲民主党の「性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム」において、成人と中学生の性行為を肯定する発言を繰り返していたらしい。
「１２歳と２０歳代でも真剣な恋愛がある」とか「日本の性交同意年齢は他国と比べて低くない」なんていう意見も述べているが、問題になったのは「５０歳近くの自分が１４歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」なんていう発言だ。
ワーキングチームでは、他にも中学生への性行為を一律に犯罪とすることに疑問を呈した議員がいて、当初は中学生以下との性行為の禁止を求める報告書をまとめる予定だったが、見送ったとのことだ。

性交同意年齢ってのは「性行為の同意能力がある年齢の下限」とされ、日本は１３歳になっているから、刑法で１３歳未満との性行為を禁止している。
この基準は１００年以上前から変わっておらず、海外と比べて低いという意見もある。

ただ、何でもかんでも海外と比べれば良いってものではない。
例えば死刑については、ヨーロッパ諸国などは廃止しているが、だからと言って、それをバカみたいに真似すれば良いってもんではない。
殺人を犯した人間は、基本的には死刑にすべきだ。圧倒的多数の日本人がそう思ってるのだから、バカみたいにヨーロッパ諸国の真似をして死刑を廃止にするべきではない。
何でもかんでも欧米諸国が正しいと思ったら大間違いだ。
なので、性行為が許される年齢についても、思考停止的に海外の基準を猿真似するのではなく、日本人として検討する事が必要だろう。

その意味で、本多議員の発言を問答無用に一方的に批判するのは適切ではない。
そもそも、彼が発言したのは党のワーキングチームだ。自由闊達に議論すべき内輪の検討会での発言だ。
自民党の議員もよく失言で問題になるが、たいていの場合は、あくまでも内輪の会合であり、そんな場所での発言をいちいち問題視するマスコミは幼稚としか言いようがない。
なので、基本的には、私は、内輪の会合における政治家の発言を何でもかんでも粗探しする幼稚なマスコミの姿勢には辟易する。

ただ、今回の本多議員の発言は、ちょっと不快ではある。
「年の離れた成人と中学生の子供に真剣な恋愛関係が存在する場合がある」という発言は、その通りだろう。そういう恋愛はあるだろう。
だが「５０歳近くの自分が１４歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」なんて言うのは、どうだろう。
５０歳近い本多議員が１４歳の子と性交したら捕まえてもいいんじゃないか？なぜ自分を例えに出したんだろう？気持ち悪いぞ。
彼は自分が中学生と性交する事を現実味を持って真剣に考えているのだろうが、それはちょっとアカンのとちゃうか？
彼は中学生と性行為をした事があるのだろう。だから、それが刑法違反になるのは避けたいので、強固に反対しているのだろ。

そもそも「年の離れた成人と中学生の子供に真剣な恋愛関係が存在する場合がある」というのは、その通りだが、だから性行為をしても良いとまでは短絡できない。
先生と生徒の間の真剣な恋愛もあるだろうが、だからと言って性行為をしても良いとまでは言えない。
さらに、中学生の意思決定や判断能力は成人に比べれば脆弱なので、成人から性虐待や性的搾取を受けるケースも多く、悪質な性犯罪に巻き込まれるケースも増えている。

なので性交同意年齢を引き上げるのもやむを得ないような気もする。
結局、批判に耐えかねた立憲民主党は、本多議員の党員資格を１年間停止する処分を決めた。
立憲民主党なんて、頭が悪すぎて政策立案能力が皆無の無知無能集団だから、所属議員がどんな発言をしても別に驚かないし、それに対して党がどういう処分をしようが何の影響も無い。

ただ、そもそも性交同意年齢の実効性については、私は非常に疑問だ。
現在の刑法では、本人の同意があれば中学生とも性交が可能だが、多くの都道府県では、都道府県条例により、中学生に対する性行為は、たとえ同意があっても処罰対象になりうる。
真剣な恋愛でなければ淫行と言う事で処罰される。

しかし、いくら法律や条例で規制しようとも、実際には中学生の性行為は行われている。私が中学生の時にも、おませな女子の中には年上の男と性行為をしている子が何人かいた。
彼女たちが真剣な恋愛をしていたのかどうかは知らない。
だが、中学生の段階で真剣な恋愛なんて分かるのか？
大人の場合は、真剣な恋愛と言うと、結婚を前提にしたような恋愛が一般的だろうけど、でも必ずしも結婚を前提とした恋愛だけが真剣な恋愛とは言えない。
明らかに「真剣な恋愛でない性行為」ってのは分かりやすいが、中学生にとって真剣な恋愛なのかどうかの判断は難しいだろう。
このような状況の中で、法的に性交同意年齢を変えても、実態とはかけ離れた状態になるだけではないだろうか。

欧米諸国などからは日本に対し、死刑廃止と共に、性交同意年齢の引き上げを求められているが、欧米諸国の実態はかけ離れている。
アメリカなんて、州によって異なるが、大半の州で日本より性交同意年齢が高い。しかし、実態としては若年層でもセックス天国だ。
ヨーロッパ諸国だって同じようなものだ。そういう国が日本に対してイチャモンを付けている理由が良く分からない。

（２０２１．７．１７）

〜おしまい〜

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