EUが原子力発電をグリーン電力と位置付け

〜 当然で理性的な判断 〜



EU(欧州連合)の行政を担う欧州委員会が、原子力発電地球温暖化対策に役立つエネルギー源だと位置づける方針を発表した
至極、当然で理性的な判断だ

EUは2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標の実現に向け、「環境面で持続可能な経済活動」として投資を促す分野の選定を進めてきた。
そして、このたび原子力発電についても「持続可能な経済活動」として、投資を促す方針を明らかにした。

EUは、発電、交通、建築など様々な経済活動ごとに、環境面での持続可能性などについて仕分けするルールEUタクソノミー(分類)を設けている。
EUではこれをグリーンリストと呼んでおり、発電分野には風力や太陽光などが挙げられているが、これに原子力発電を追加するものだ。
原子力発電は二酸化炭素を排出しないため、脱炭素につながる「グリーン」だからだ。
そもそも、景観破壊、環境破壊の悪玉両巨頭である風力発電と大規模太陽光発電がグリーンと認定されているのに、二酸化炭素を排出しない究極のクリーンエネルギーである原子力発電が認定されていなかったことが大問題だ。

EU内には現在、13ヵ国に100基以上の原子力発電所があり、発電量全体の26%を占めている
しかし、運転期限を迎える原子力発電所もあることから、運転期限の延長や、さらに原子力発電所の新増設も後押しする形だ。
環境を重視した投資が世界的に拡大するなか、EUの基準に合致して環境に良い事業と認定されれば、原子力発電所の維持や新設を担う企業は、債券の発行などを通じて資金調達する際に、投資家を引きつけたり、好条件を得られたりして 必要なお金を集めやすくなる。
また、加盟国政府などは環境対応のプロジェクトだとして公的な資金を振り向けやすくなる。

今回の方針決定を強く推し進めてきたのは、原子力発電が発電量の約7割を占める原子力大国のフランスだ。安定したエネルギー源として原子力発電が必要だからだ。
また、今は原子力発電を行っていないポーランドなどの中東欧諸国もタクソノミーに原発を加えるよう求める姿勢を鮮明にしていた。
EUが大量の天然ガスを輸入しているロシアへの依存を減らす「エネルギー安全保障」を重視するからだ。

一方、2022年末に脱原発をめざすドイツのほか、オーストリア、デンマークなどは、タクソノミーへの原子力発電の組み入れに反対している。
ただし、これはドイツが環境問題を真剣に考えているからではなく、あくまでも国益を考えての事だ。色んな事情があるのだ。

フランスやドイツに限らず、日本も含めてありとあらゆる国が自分の国の国益だけを考えて行動している
当たり前だ。当たり前すぎる。何も悪い事ではない。
地球環境問題なんて言っても、あくまでも国益が重要であり、よそから何と言われようが、断固として国益を守っていかなければならない

現在、原子力発電に熱心なのは、核兵器を有する国々だ。なぜなら核兵器と原子力発電は切っても切れない裏腹というか車の両輪だからだ。
日本も、将来の核兵器保有を見据えて、原子力開発、核燃料サイクルの開発を確固として推進していかなければならない。

(2022.1.5)



〜おしまい〜





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