安倍元首相暗殺

〜 あまりにもいい加減な警察の警護 〜



安倍晋三元首相が奈良市の近鉄大和西大寺駅前で参議院選挙の応援演説中に銃撃され、亡くなった
あまりにも衝撃的な事件だ。

犯人は、母親が統一教会の信者で、統一教会によって霊感商法などで全財産を巻き上げられて家族がバラバラになってしまった事から、統一教会を恨んでいたようだ
統一教会は現在は世界平和統一家庭連合と名乗っているが、元々は世界基督統一神霊協会と名乗り、極めて悪質な霊感商法や合同結婚式で社会問題になった狂気の宗教団体
なので、犯人の母親が統一教会に引きずり込まれて家庭が崩壊したという話は同情に値する。

だが、それほど統一教会を恨んでいるのなら、統一教会の関係者を直接暗殺すればいいのだが、接触するのがなかなか難しかったので、代わりに統一教会と関係の深い安倍元首相を暗殺したんだそうだ
確かに、安倍元首相は統一教会と深い関係があった
統一教会の大規模集会に祝電やビデオメッセージを寄せたりしており、単なる表面的な儀礼的な付き合いではなく、かなりの利害関係があったようだ。
安倍元首相と統一教会との深い関係は、統一教会が安倍元首相の祖父の岸信介らの協力を得て反共産主義政治団体国際勝共連合を日本に設立した事から始まる。
統一教会は安倍元首相と関わりが深いため、なかなか警察が捜査ができないという話もあるくらいだ。

てな事で、犯人の動機には納得できる点はある。
だからと言って、我が国にとって大変重要で貴重な政治家である安倍元首相が暗殺されたのは極めて残念だ。日本にとって大きな損失だ。
統一教会のような狂気の宗教団体が悪いことばかりしているせいで暗殺されたとなると、誠に残念だ。

ただ、安倍元首相が暗殺されて残念だ、ということより、警察の警備があまりにもだらしなかった事に怒りを感じる。
安倍元首相が街頭演説していた近鉄大和西大寺駅前は、たまたま私は何度も行った事があり、馴染みの場所だ。
狭い場所で、あまり街頭演説にふさわしい場所とも思えないし、周りから狙われるリスクが高そうな場所なので、なんであんな場所を選んだのか分からない。

だがしかし、それより何より、全くザルのような警備ぶりに唖然とする
安倍元首相が立っていたのは歩道と車道の間にあるガードレールで囲われた狭い狭い場所で、後ろは車道で車が走行していた。
テレビの映像を見ると、犯人は車道を挟んだ後ろの歩道からゆっくり歩いて車道を渡り、安倍元首相の背後に近づくと、警察官に制止されることなく発砲している
ゆっくり歩いてきてるんだから、途中で制止させる時間はあったはずだ。
あんな異様な物を持って要人に背後から近づいてくる人間は、とにかく制止させなければならないだろう。誰が考えたって分かる簡単な事だ。
ところが、なんと、犯人の周辺には警察官がいなかった安倍元首相の背後はガラ空きだったのだ。
私服警官は居たかもしれないが、制服を着た警察官が居ないなんて、信じられない。あれでは犯人は好き放題できる。

警察庁によると、普段から安倍元首相の警備を担っている警視庁のSP1人が常に身辺を警戒していたらしい。
しかし、もちろん、たった1人で警備ができるはずがないので、今回の場合は、奈良県警が警備体制を敷き、多数の警察官が警戒に当たっていたとのことだ。
安倍元首相の応援演説の日程は、急遽変更され、奈良に来るのは直前になって分かったことだ。なので、警察官の配置や動線の確保などの警備計画を短い時間で練らなければならなかった事は確かだ。
しかし、そういう事はしょっちゅうあるので、それは警備の不備に対する何の言い訳にもならない。それが警察の仕事だ。

また、テレビ映像を見ると、最初の1発目は安倍元首相には当たっていない。大きな音がしたので安倍元首相が後ろを振り返ったところで2発目が発射され、それがモロに命中して致命傷となったようだ。
日本以外の全世界の全ての国なら、銃声が1発聞こえたら、全ての人が身を伏せるか逃げ出す。間近であんな大きな音がしたのに伏せる事もなく音のする方を振り返るなんて平和ボケした日本特有の行動だ。
しかし、日本は基本的に平和なので、平和ボケしていても仕方ない。それは安倍元首相の落ち度ではない。私だって、同じ行動を取るだろう。落ち度があるのは警備している警察だ
すぐそばで大きな銃声が聞こえたんだから、とっさに警察官が身をもって安倍元首相をかばうとか、極端な場合は突き倒してもいいから安倍元首相の身を伏せさせるとか、そういう行動が必要だろう。
警備していた警察官は、そういう訓練を受けていなかったのだろうか。もし、訓練されてなかったとしたら、それは警察の大失態だ

要人の警護に慣れている警視庁なら訓練もしていたが、日常的には大きな事件が無い奈良県警では、そういう訓練はしてなかったのだろうか。唖然とするばかりだ。
奈良県警の本部長は、警視庁警備局警備課警護室長を務めていたこともある警備畑の経験者だ。それが、こんなお粗末な警備を指揮していたなんて、ちょっと考えられない。
たぶん、事件なんて起こりっこないだろうと思い込み、形式的な警備計画を承認していたんだろう
こんなだらしない県警本部長は即刻クビにしなければ示しが付かない。一切、同情の余地は無い。

今回の参議院選挙は、事前の情勢でも与党が勝利するだろうと言われてきたので、安倍元首相の暗殺によって大きな情勢変化は無いだろう
だがしかし、今後の政治に与える影響は大きい。ゴミにわく蛆虫のような民主党なんてどうでもいいんだけど、自民党内の情勢が混とんとしてきたのだ。
自民党内最大派閥の安倍派のトップが突然いなくなったのだから、後継問題が持ち上がるだろうが、派閥として団結を続けていけるかどうかも分からない。
最大派閥が空中分解するとなると、どういう状況になるのか予想もつかない。
また、岸田首相としては、安倍元首相が強引に引き上げてきた高市早苗政調会長と、安倍元首相の弟の岸信夫防衛相を切りたいと前々から考えていた。
両名の後ろ盾である安倍元首相がいなくなったので、切りやすくなったかと言えば、逆にそうではない。安倍元首相がいなくなったからと言ってすぐに切ると、大きな軋轢を生むだろう。

また、安倍元首相が強力に進めてきた憲法改正の動きも混とんとしてきた
アメリカ軍が一方的に押し付けてきたクソ憲法をできるだけ早く改正しないと、混迷を深める国際社会に対応できないのに、信念が無く自分の保身しか考えない岸田首相は腰が引けており、憲法改正なんてまるでやる気が無い。
参議院選挙で与党が勝利したところで、日本が良くなるわけでもなさそうだ。

(2022.7.9)



〜おしまい〜





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