広島サミットの成果と批判

〜 核廃絶への長い道のり 〜



第49回先進国首脳会議(G7サミット)が広島市で開催された
日本でのG7サミット開催は7回目となるが、今回ほど注目された事はなかった

近年、世界経済や政治におけるG7の国々の重要度は低下していた。重要度が低下したと言うより、中国やインドといった他の国々の存在感が高まってきたため、相対的に存在感が落ちたと言うことだ。
経済的には、世界のGDPに占めるG7のウェイトは、かつては半分以上だったが、今は半分以下になった。また様々な地球レベルの問題に対する指導力も低下してきた。
そういう事もあって、G7サミットの重要度も低下してきており、日本で開催されても大半の国民は「ああ、またやってるんだな」くらいにしか思わず、関心も低かった。

ところが、昨年2月、突然悪の帝国ロシアがウクライナを侵略した。さらに、このロシアの極悪非道な行為に対して、もう一つの悪の帝国である中国も荷担したもんだから、国際情勢は激変した
これら悪の両帝国に対抗するために世界中が結束する必要があり、その固い決意を示すためにG7サミットが非常に重要な場となったのだ。

このように突然、重要性が増した広島サミットは、結果として大きな成果があった
成功の最も大きな要因ウクライナのゼレンスキー大統領の突然の参加だ。
彼がわざわざ遠路はるばるやって来た事で、悪の帝国ロシアに対する世界の結束と連帯の最大のアピールとなった。
今後、ウクライナに対する軍事的支援と、ロシアに対する制裁が一層強化されるのは間違いない。

ゼレンスキー大統領の参加は、日本が画策したものではないので、日本政府の成果とは言い難い。でも、彼の参加がG7サミット成功の大きな成果であった事は確かだ。
また、G7の国々の結束も強化されたと思う。アメリカがトランポ政権だった時は、短絡的な利益しか考えないアホな孤立政策によってG7内の亀裂が深刻だったが、ロシアや中国の暴挙に直面したことで結束が強まり、G7の存在意義が見直された。
そして、日本にとっては、ロシアだけでなく、東シナ海や南シナ海への侵略に爆走し、台湾を侵略しようとしている中国に対しても、なんとか結束する姿勢を示す事ができたのは大きな成果だ。

このように大きな成果があった広島サミットだが、批判している人たちがいる。核兵器に反対する人たちだ。
それと、その尻馬に乗って政府を批判する頭の悪い民主党下劣なマスコミどもだ。

彼らは、核兵器廃絶に向けての実質的な議論が進まなかった事に対して批判している
G7首脳が合意した核軍縮の広島ビジョン核抑止を肯定した内容だったため、核廃絶への期待が裏切られたと批判しているのだ。
核抑止に依存しNPT体制を重視するというこれまでと変わらないもので、残念でならない」などと言っている。
これは彼らが従来から訴えていた事なので、ことさら驚きは無い。

彼らは核兵器の廃絶だけを考えて活動しているので、それはそれで仕方ない事だろう
彼らの頭の中は、中国による侵略への備えの必要性など、核兵器廃絶以外の様々な問題に対しては全く無関心だ。
それは、それで良いと思う。政治家じゃないんだから、彼らがあらゆる問題に関わる必要は無く、彼らの価値観で核兵器廃絶だけを訴えていれば良いと思う。

ただ、だからと言って「核軍縮に関して市民と政府が一緒になって前進させようという機運が生まれなかったから大変な失敗だった」とまで言うのは、あまりにも一方的で独善的で自己中心的すぎるだろう。
何もG7サミットは核兵器廃絶のための会議ではない
ロシアによるウクライナ侵略や中国による傍若無人な振る舞いなど、差し迫った重大な問題に対処する事の方がはるかに重要だ。核兵器廃絶については、別の場でのんびりやってれば良い。

さらに彼らは「核抑止の前提に立った議論がされ、戦争をあおるような会議になった事に、大変怒りを覚える」とまで言う。
G7がウクライナに軍事支援する方向で一致した点について「戦争を長引かせる間違ったやり方だ」と批判しているのだ。
まさに中国を始めとするロシア寄りの国々が言う欺瞞と同じだ。まさか、彼らはロシアや中国の手先なのか?

ロシアは今、一方的にウクライナに攻め込み、多くの国民を虐殺して国家を滅亡させようとしている。
この理不尽な極悪非道な侵略に対して、ウクライナ国民は命をかけて抵抗している。それを支援するのは極めて自然な行動であり、極めて人道的な行為だ。
それなのに、彼らは「武器の供与の約束を広島の地でしてほしくなかった。兵器で命は守れない」なんてトンチンカンな事を言っている。
いくら核兵器廃絶の事しか頭に無いからと言っても、ウクライナ国民の必死の抵抗まで批判するのは止めてもらいたい。あまりに自己中心的すぎる
まさか、彼らは、中国が攻めてきても「兵器で命は守れない」なんて戯言を言いながら武器を捨てて降伏し、みすみす日本を中国に併合させると言うのか?
北朝鮮が核兵器を撃ち込んできても「兵器で命は守れない」なんて言いながら無抵抗を続けるのか?
ロシアや中国や北朝鮮には理性は無いんだぞ。分からないのか?まさか、やっぱりロシアや中国の手先なのか?

核兵器廃絶は重要だ。核兵器が世界から無くなれば素晴らしい。
しかし、現実問題として、悪の両帝国であるロシアと中国が核兵器によって世界を脅かしている現状では、一方的に核兵器を廃棄する事なんてできない
凶器を振り回しているキチガイどもの目の前で一方的に武器を捨てるなんて事はできない。100%自殺行為だ。
なので、今現在、ロシアが核兵器で脅しながらウクライナを侵略している最中に、核兵器廃絶の道筋を付けるなんて事は不可能だ。
誰が考えたって分かる事だ。幼稚園児でも分かる簡単な事だ。

核兵器廃絶への道は一つしかない。それはロシアや中国や、さらには北朝鮮やイランなど悪の帝国とその手下の国々が保有する核兵器を完全破壊してから、我々も核兵器を捨てるという道だ。
まずは悪の帝国側の核兵器を攻撃して完全に無くさなければならない。
て言うか、核兵器だけでなく、悪の帝国どもを核攻撃によって完全に消滅させなければならない
悪の帝国どもが地球上から消滅すれば、我々も核兵器を廃絶して平和な世の中を作る事ができる。
ロシアや中国がこの世に存在する限り、残念ながら核兵器廃絶は不可能だろう

(2023.5.25)



〜おしまい〜





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