アメリカの債務上限問題

〜 金融市場を混乱させるな! 〜



アメリカ債務上限の引き上げを巡るバイデン大統領と野党・共和党の協議が難航している

アメリカでは政府が借金できる額はあらかじめ決められていて、それを超えるには議会の承認が必要になる。これが債務上限の引き上げだ。
債務上限の引き上げは、既に決まった政策を執行するために必要な資金を調達するための措置であり、もともと政治的な争いの対象になるような性格のものではなかった
1960年以降、これまで債務限度額は78回も引き上げられてきている。このうち49回が共和党の政権下で行われ、29回が民主党の政権下で引き上げられてきた。
つまり、通常は機械的に処理されてきた問題なのだ。

ところが近年は債務上限引き上げが政争の具になり、両党の対立が繰り返されてきた
基本的に共和党は歳出削減を主張しているように見えるが、決してそんな事はなく、共和党政権の時は債務上限の引き上げに賛成してきた。当たり前だ。そして、民主党政権の時には反対するなど極めて対立的な行動を取ってきた。
このような両党の対立の背景には、民主党と共和党の政策の違いがある。
基本的に、民主党は福祉政策の充実を求め、財政拡張を主張する。それに対して、共和党は福祉予算の削減と財政均衡を求めてきた
これは政策の違いなので対立するのが当たり前だ。どちらが良いとか悪いという事ではなく、政策の違いだから仕方ない。

いずれにしても、日本と同じだが、今の世の中では、何をするにしても財源が足りない
なので、財源確保と歳出削減が必要になる。そのための交渉が両党間で進められているが、これがなかなか進展しない。
民主党は富裕層の増税や税の抜け道を塞ぐことで歳入を増やすことを主張しているのに対して、共和党は福祉予算を中心に歳出削減を主張している
また、民主党の案では防衛関連予算の凍結などが含まれているが、共和党は非軍事関連予算の削減を要求しており、お互いの間で妥協点を見出すのは難しい状況にある。

この問題が決着せず、アメリカ国債がデフォルト(債務不履行)にでもなれば、アメリカ経済が大混乱に陥るだけでなく、世界経済が大混乱となり、大恐慌になってもおかしくはない。て言うか、リーマンショック以上の大恐慌になるのは間違いないだろう。大変な大問題なのだ。
合意が近いという報道も出ているが、仮にバイデン大統領と共和党幹部との間で合意できても、実際に議会で法案が通るかどうかは分からない。
日本の国会議員と全く同じで、アメリカの国会議員も、どうしようもなく頭が悪い人が多い。自分の選挙の事しか考えてなくて、この問題の深刻さが分かっていないのだ。
アメリカの国会議員に国際問題を理解しろと言っても無理なのは分かっている。彼らにとって世界とはアメリカだけなのだ。
しかし、今回の問題はアメリカだけをとっても大問題だ。アメリカ経済は壊滅的な混乱に陥るだろう
しかし、頭の悪いアメリカの国会議員たちは、それすら分かってないのだ。大変な事態だ。

解決策は喧嘩両成敗しか無い。すなわち、富裕層の増税や税の抜け道を塞ぐ一方で、福祉予算の歳出削減をすれば良いのだ。
アメリカの富裕層に対する税の優遇は目に余るものがある一方で、福祉もやり過ぎな点が多い。両方とも常識的なレベルに直せば良いだけだ。

もしもアメリカ国債がデフォルトなんかしたら世界経済は混乱を極め、金融市場は崩壊し、金融資産は紙くずとなる

(石材店)「幹事長はあぶく銭で生きているので死活問題ですよね」
(幹事長)「あぶく銭と言うな。金融取引による正当な利益じゃ!」
(支部長)「ほんとほんと、我々の生活がかかってるんやで!」


のんきな日本人の多くは、この問題が存在する事すら知らないようだ。あるいは関係ないと思っている。今、危機的状況にあることすら知らないようだ。
しかし、もしアメリカ国債が紙くずになれば、のんきな日本人の貯金や年金も目減りしたり消滅する恐れがあるって事を自覚しよう。

(2023.5.27)



〜おしまい〜





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