二大政党制は幻だったのか

〜 まだまだ実現可能だ 〜



与野党による衆議院選挙制度協議会が、現行の選挙制度について細川護熙元首相から意見を聴取した。
細川元首相は現行の小選挙区比例代表並立制の導入を決定した当時の首相だ

これまで現行の小選挙区制は、一般的には政権交代可能な二大政党制を目指すものだとされてきた。
事実、この選挙制度の下で、政権交代が実現したりした。

ところが、この選挙制度改正の責任者だった細川元首相は「政権交代も実現し、穏健な多党制の中で機能している」としつつ、「政権交代可能な二大政党制を必ずしも求めたわけではない。穏健な多党制が日本の国民性に沿った政治体制だ」なんて述べた。
同じ政党の複数人が、1つの選挙区で争う制度から変えたことが、政治とカネの問題の改善につながっている」などと現状を評価しており、基本的には政治とカネの問題の改善が重要であり、必ずしも政権交代可能な二大政党制を目指したものではないと言うのだ。
何かと批判がある小選挙区と比例で重複立候補できる仕組みについては「惜敗率の高い人が議席を得るメリットもある」なんて必要性を唱えている。 

そもそも、一般的には小選挙区制政権交代可能な二大政党制を目指すものだとされているが、それと同時に導入された比例代表並立制は、逆に弱小政党が生き残るような仕組みであり、これによって二大政党制どころか、逆に多党化が進んでいる
30年近くが経過した現在の政治情勢を細川元首相は「おおむね想定通りの状況だ」なんて話しているから、やはり最初から二大政党制を目指していた訳ではなさそうだ。

この細川元首相の発言に対して、国民民主党の玉木雄一郎代表は「椅子から転げ落ちるような話」だと驚いている。そして、
現行の小選挙区比例代表並立制では、二大政党制についてもう無理なんだということが確定したのではないか
であれば、連合も含めて二大政党制的な制度を目指すと言っている前提がガラガラと崩れたんじゃないか
小さな政党も存続できるし、二大政党に収斂するというよりも、むしろ最近起こっている現象で言うと、多党化をむしろ助長する制度になっているというのは、現状が証明している
そうなると多分、今の制度をいくら続けても二大政党にはならない、ということだ。そのことを創設者である細川さん自身が言ったということは、この30年何だったんだ?ということになる
このような制度の中で二大政党制を追い求めても『果てしない夢』になる
政権交代をするということで緊張感を生み出すというルートの緊張感の生み出し方ができないのであれば、他の戦術戦略を考えないと権力に対する緊張は、いつまでたっても生まれないということになる
などと話している。
玉木代表はかなり怒っているようだ

ま、それはそうだろう。
二大政党制を確立して政権交代が容易に実現する事によって政治の緊張感を保とうとしていた政治家にとっては、大前提が崩れてしまったようなものだ。

だが、私はまだ見捨ててはいない。
頭の悪い立憲民主党なんかがノコノコと出てくるような二大政党制は断固許してはならないが、政治的にまともな日本維新の会国民民主党両党の協力によって政権交代可能な政治体制を構築する事は絶対に不可能とは言えないだろう。
こういう事を言うと、日本維新の会や国民民主党は自民党の補完勢力であり、政策的に変わりが無いなんて批判する頭の悪いマスコミなんかがわんさかいるが、政策的な変わりなんて必要は無い
政権交代するたびに政策がコロコロと変わったりしたらむしろ大変だ。基本的な政策は変更する必要は無い
必要なのは政治家の堕落と腐敗を正す緊張感だ。そのためには、政策的には大きな変更が無くて安心感のある日本維新の会や国民民主党が大きな力を持ち、いつでも政権交代可能な体制を作る事が重要だと思うぞ。

(2023.6.28)



〜おしまい〜





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