大麻グミ

〜 本気で効果的な規制が必要だ 〜



大麻グミってのが問題になっている

(幹事長)「大麻グミって何?」
(支部長)「なんじゃそりゃ?知らんぞ」
(のら)「何なのかしらね?」
(ピッグ)「いかにも怪しそうな名前ですよね」
(石材店)「幹事長は軽率なんだから、興味本位で手を出したらいかんですよ!」


大麻には幻覚症状などを引き起こす成分THC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれているが、大麻グミとは、このTHCを真似してつくられた合成物質HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)が含まれたグミだ。
HHCHはTHCと似たような作用があるが、現在は規制対象外だ。
つまり、大麻グミとは大麻と似たような作用があるが、禁止はされていない薬物を含んだ食べ物らしい。

最近、問題になったのは、大阪の会社が製造した大麻グミを食べた人が、嘔吐や体の震えなどの体調不良を訴えるケースが相次いでいるためだ。
大阪府内では、今年になってから、この大麻グミを食べて体調不良になって病院に搬送された人が十数人に上っている。
また東京都内でも、同じグミを食べて体調不良になった人が十数人に上っている。

この大阪の会社では、大麻グミを10粒7000円で販売しており、HHCHが1粒あたり30mg含まれているらしい。

(幹事長)「結構、高いな」
(石材店)「いかんですよ、手を出したら」


グミの袋にも成分としてちゃんとHHCHの名前が書かれているらしい。
警察がグミの成分を鑑定したところ、会社の説明通りの量のHHCHが含まれていることが確認されているから、会社側の説明に嘘は無い

厚生労働省の麻薬取締部は、この大麻グミに法律で規制された指定薬物と同じような毒性がある疑いがあるとして、東京や大阪の販売店などを立ち入り検査した。
そして、医薬品医療機器法に基づき、幻覚などの健康被害を引き起こす成分がグミに含まれていないかどうかの検査結果が出るまでの間は販売を停止するよう命令を出した
ただし、現状では法律で禁止されている訳ではない。

大麻グミは、外国人や海外で大麻を経験した日本人が、大麻に近い成分を求めて買う場合が多く、20代から50代まで幅広い世代が買っていくとの事だ。
実際に大麻グミを食べている人によると、食べると多幸感や酒に酔ったような感覚が得られるらしい。
その人は、店舗やインターネットで購入しており、1回あたり1粒の半分にあたる量を食べているということだ。つまり15mgくらいだ。それくらいの少ない量だと副作用は無いのかもしれない。

(幹事長)「量を減らせば良いのか」
(石材店)「絶対にいかんですよ!手を出したら」


専門家の話では、摂取した人によっては吐き気やめまいなどの症状が出るおそれがあるという
素人考えでは、本物のTHCより類似品のHHCHの方が効果が劣るような気がするが、決してそんな事はなく、HHCHはTHCよりも人体の受容体に影響を及ぼしやすいため、その分、影響が大きいおそれがあるらしい。
一般的に、構造が少し違うだけで、摂取した場合の効果についてはより危険なものもあるらしい。

問題になった事を受けて、大麻グミを製造した大阪の会社は記者会見を開いた
会社の説明によると、
 ・HHCHは厚生労働省の許可を得て輸入している業者から仕入れている。
 ・オンラインと卸の販売を行っており、卸し先は50〜60店舗ある。
 ・食べるとリラックス、高揚感、睡眠改善、ストレス改善の効果があり、顧客には喜ばれている。
 ・合法の成分なので今後も継続して販売する。


未成年者への販売については、
 ・ホームページでは未成年者などの使用は控えるよう注意書きをしている。店舗で販売する場合は、本人であることを証明するものの提示を求めている。
などと言っているが、これは形式的な注意喚起に過ぎず、実際の店舗での販売で厳密な年齢確認はされていない可能性が高い。
て言うか、未成年者の摂取が法律で禁止されているお酒なんかと違って、そもそも規制対象外の薬物に関して、未成年者への販売を禁じるような規制は無い
なので、あくまでも販売側の自主規制と言えるだろう。

さらに、
 ・酒などを飲んで救急搬送されてもメーカーに責任はないと思う。今回は使用したユーザーの責任というか、配った人が原因だ。
なんて開き直ったような説明をしているが、これはもっともな正論だ。
規制されていない薬物を売ったのだから、罪になる訳ではない

厚生労働大臣は、成分が特定されれば、類似するものも含めて、指定薬物として流通させることや所持することを禁止する方向で検討すると言っているが、なかなか難しいだろう。
なぜなら、HHCHのようにTHCと構造が似ている化合物は無数に存在し規制のたびに別の物質が市場に流通するからだ。
そのようないたちごっこの状態が続く限り、効果的な規制は難しいだろう。

(幹事長)「似たような構造の化合物がいくらでも次々に作られるなんて、科学技術の進歩は計り知れないよなあ」
(石材店)「感心してる場合じゃないですよ」


本気で取り締まりするためには、化学構造が似ている薬物はまとめて包括的に指定薬物にしなければならない
厚生労働省の本気度が試される事件だ。

(2023.11.19)



〜おしまい〜





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