新幹線運転士の休暇取得訴訟

〜 常識的な対応を取ろう 〜



JR東海東海道新幹線の運転士らが、年次有給休暇を希望通りに取れなかったとして、会社に対して損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が東京高裁であった。
判決では、JR東海の年休の運用は労働契約上の義務を怠ったと認めて賠償を命じた一審の東京地裁判決を取り消し原告の請求を棄却した

(石材店)「トンでもなくマイナーな話題ですね。よく見つけてきましたね」
(幹事長)「何でもかんでも理不尽なまでに声高に権利を主張する風潮に警鐘を鳴らすためです」


JR東海では、毎月20日までに翌月の年休希望を申請する事になっている。
ただし、臨時列車などを追加で運行する可能性があったりするため、実際に希望通り取得できるかどうかは勤務日の5日前まで確定しない運用だった。

労働基準法の規定では、会社は労働者の希望する日に年休を与えなくてはならないと定めているが、事業の正常な運営を妨げる場合には、会社が取得日を変更できるとしている。

て事で、会社側と原告側と、どちらの主張が通るのかは裁判所のさじ加減って感じだ。

高裁判決では、東海道新幹線を日本の社会・経済の維持・発展などに必要不可欠な産業基盤と位置付けた。
そのうえで、
 ・専門性の高い新幹線運転士の迅速な補充は困難
 ・1ヵ月先の需要予測も困難
 ・年休の運用は同社の設立以来続いており乗務員も認識していた
などの事情を認め、東海道新幹線の特性と原告が受ける不利益を比較すると、年休希望を変更させたことは不合理とは言えないと判断したのだ。
常識的な判断と言えよう。

もちろん、年休を取得するという労働者の権利は尊重されなければならない
しかし、だからと言って、何でもかんでも労働者の要求通り受け入れていたら正常な事業の運営に支障をきたしてしまう
どこで折り合うかが問題になるんだけど、やはり常識的な対応が必要だろう。

これは何も新幹線だけの問題ではない。
発電所だって、運転に必要な運転員の数は決まっており、その確保は絶対的に必要不可欠なので、みんながみんな年休を好きなように取ったりしてたらトンでもない事態に陥る。
社会インフラである事業においては、どこでも同じだろう
何でもかんでも自分の権利だけを考えて声高に主張するのは、まっとうな労働者のあり方とは言えないのではないだろうか。

(2024.2.29)



〜おしまい〜





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