アイルランドで憲法修正が否決
ほとんどの日本国民は知らないだろうが、アイルランドにはトンでもない憲法がある。
・女性の家庭内での生活が国家を支え、公共利益の実現に欠かせない
・国は家庭での義務を果たすべき母親が経済的必要性によって就労を迫られることのないよう努める
なんて定めているのだ。
つまり、
・女性は家から出て外に働きに行ったりせず、家の中で家事に専念しろ。
・国は、母親が経済的理由で外に働きに行く事を阻止しろ。
なんて言ってるのだ。
タリバンが支配するようなイスラム諸国じゃあるまいし、トンでもない時代錯誤の憲法だ。
これは1937年のアイルランド独立時に制定されたものだが、こんな恐ろしいまでに時代錯誤の憲法が、21世紀のヨーロッパにおいて、まだ生きているのは驚きだ。
そして、この呆れかえるような時代錯誤の憲法を、やっとこさ修正しようという国民投票が先日実施されたんだけど、なんと反対73.9%、賛成26.1%という圧倒的な差で否決されてしまった。
驚愕の数字だ。
憲法の修正を目指していたバラッカー首相は「女性に関する非常に古風で性差別的な表現を修正するために、過半数の国民に賛成票を投じるよう説得するのがわれわれの責任だったが、明らかに失敗した。我々が間違えていた。結果を全面的に尊重する」と述べている。
こんなに圧倒的な差で否決されたからには、諦めるしかないわな。
もともと1937年に制定された現行のアイルランド憲法は、カトリック教会の社会教説の影響を強く受けており、今回の国民投票においても宗教界は反対票を投じるよう訴えていた。
そうだとしても、今どき、こんなトンでもない憲法が圧倒的多数の国民によって支持されるなんて、本当に驚きだ。
ちなみに、事前の世論調査では賛成が過半数だった。いかにマスコミの世論調査がいい加減なものなのかが良く分かる結果だ。
破廉恥なマスコミは自分の都合の良いように歪曲し偏向した報道しかしないので、信用できない。マスコミと民主党は嘘ばっかりつくから大嫌いだ。
英誌エコノミストが発表した「女性の働きやすさランキング」では、アイルランドは27位の日本より上位の17位だったから、実際には必ずしも女性が外で働きにくい社会ではないようだ。
(ちなみにイギリスは19位、ドイツは21位、アメリカは22位、スイスは26位などだ)
それなのに、人々の心の中は極めて保守的なようだ。不思議な世界だ。
(2024.3.15)
〜おしまい〜
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