イスラエルの存在意義

〜 ユダヤ人の残虐行為を許していいのか? 〜



イスラエルによるパレスチナ人殺戮が止まない。連日のように大勢のパレスチナ市民が殺されていく。ほぼ、全世界の国が非難しているものの、唯一の超大国アメリカがユダヤ人に牛耳られている現状では、アメリカさえ支持してくれればイスラエルは恐いもの無しである。そもそも、日本を始めとする多くの国は、一応、国連の場とかでイスラエルを非難してはいるものの、全く口先だけで、何ら実効的な制裁を加えようとするものではない。パレスチナ人が何百万人殺されようが、直接の利害に関係ないからだ。

でも、素直な感情として、あなたはイスラエルの残虐行為を許せますか?
僕は許せません。

僕は何も、そもそも特別にユダヤ人が嫌いな訳ではない。もちろん、好きな訳では全くないけど、北朝鮮人よりは、はるかにマシだし。「ユダヤが世界を支配している」とか言ったような被害妄想気味な論評にも同調はしない。アメリカを牛耳っているのは確かだけど、日本まで支配しているっていうのは、ちょっと無理があるぞ。ナチスドイツによるユダヤ人抹殺計画も、いくらなんでも、ちょっと無理がある計画だったなと思う。かなり偏執狂的な計画だった。当然、「ガス室は無かった」なんていう奇想天外な説も相手にはしない。(ただし、それをヒステリックに糾弾して掲載紙の廃刊にまで追い込んだ米国のユダヤ人圧力団体は、虫ずが走るほど嫌いだ。一方でパレスチナ人を徹底的に殺戮しておきながら、たかが雑誌に取るに足りない記事が載っただけでバカ騒ぎするな、と言いたい)

そもそもの問題の始まりは、ユダヤ人がイスラエルを建国したことである。中東を植民地支配していたイギリスが、ヨーロッパの厄介者であったユダヤ人を追い払おうとして、パレスチナ地域でのイスラエル建国を支持したのだ。しかし、ユダヤ人がパレスチナに住んでいたのは何千年も昔の話やぞ。その後はパレスチナ人がずうっと住み続けていたんだぞ。そんな何千年も前の居住権を主張するのは無理がありすぎるぞ。それやったら、たかが何百年か前にインディアンを殺戮して土地を奪ったアメリカや、アボリジニの土地を強奪したオーストラリアの存在は頭から否定されなければならない。
しかし、ユダヤ人が力を持つアメリカや、厄介者のユダヤ人を追い出したいヨーロッパ諸国の主導により、第二次世界大戦後のドサクサに紛れた国連総会でパレスチナ分割案が承認されてしまった。だって、その頃って、欧米以外の国って、ほとんど植民地だったから、国連に議席も無かったんだもんな。

ただし、国連で承認されたイスラエルの領土は、そんなに大きくはなかった。うまく折り合えば、パレスチナ人との共存もあり得たかもしれない。しかし、強欲なユダヤ人どもは調子に乗ってしまい、国連案すら無視してアラブ人と戦争を始め、どんどんと領土を拡大していった。まあ、こなな小さい国にやられっぱなしのアラブ諸国って言うのもほんまに情けないのですが。アラブの盟主の1つであったエジプトは、イスラエルとの戦争に耐えられなくなって、他のアラブ諸国を裏切ってイスラエルと和解してしまったし。

と言うわけで、今のようにかなりの領土を占領したイスラエルだけど、当然のことながら、それまで住んでいたパレスチナ人は怒る。住むとこを略奪されたんだから、怒って当然。それで反対運動を繰り広げる。それに対してイスラエルは無差別殺人で報復するわけだ。
過去の事例から計算すると、イスラエルの基準としては、ユダヤ人が1人殺されると、パレスチナ人を100人くらい殺している。それに、パレスチナ人から強奪した土地に勝手に入植したユダヤ人が周辺のパレスチナ人を殺しても、何の罪にもならない。全くの無法地帯。

バカ丸出しで独りよがりな自己中心理論で世界中に迷惑をまき散らすグリーンピースとかの浅知恵環境保護団体や、鯨を食べるなとわめき散らすオーストラリアや、中国やミャンマーの人権弾圧を問題視する自己中心的な米国の人権保護団体などは、こういう問題には全く無関心のようだ。人が殺されているというのに。
また、イギリスは2年前にチリのピノチェト元大統領を逮捕するなんていう暴挙に出た。ピノチェトはイギリス人でもなければ、イギリスで犯罪を犯した訳でもない。そもそも、国家元首として行った行為に対して、それが犯罪かどうかすら極めて主観的なもの。チリが捕まえてくれと依頼したのならともかく、全く無関係のイギリスが自分勝手に逮捕し、ヨーロッパ各国はそれを支持した。こんな無法ぶりが通用していいものか。いったい何処の国の法律で裁くというのだろう。ところが、そのイギリスがイスラエルの殺人者どもを捕まえるなんていう話は聞いたことがない。あまりにも自分勝手な行動である。

てな訳で、イスラエルは徹底的に嫌いだし、アメリカのユダヤ人も嫌いだし、ヨーロッパで何千年もユダヤ人が嫌われ続けてきた理由も分かるような気がします。
が、素直な感情としては、そうなんですが、しかし、イスラエルの存在意義が無いかと言えば、そうでもないのです。裏を返せば、アラブ人を野放しにしてもいいのか、ということです。正確にはイスラム教徒を野放しにしてもいいのか、ということです。

パレスチナ人は本当に気の毒なんですが、世界レベルでのイスラム教徒の増殖には不気味なものがあります。そして、あちこちで紛争を引き起こしています。もちろん、悪いのはイスラム原理主義者ですが、これまでは大人しかった一般のイスラム教徒が、イスラム原理主義者に同調し始めて問題が拡大しています。
極端な例はアフガンを制圧したタリバーンであり、彼らの暴挙は糾弾されなければならないけど、そもそもの原因はアメリカです。アフガンがイスラム化しようとしたのをくい止めるためにソ連が軍を派遣したのに対して真っ向から反対してオリンピックまでボイコットしたアメリカと、それに同調した主体性の無い日本政府ですが、結局、その流れの中でタリバーンが支配するイスラム原理主義国になってしまったのです。そして今では、アフガンを拠点とするイスラム原理主義者のテロの標的になっているのがアメリカです。脳天気でバカ丸出しのアメリカ。
他にもフィリピンで長らくテロを続けているのもイスラム教徒だし、インドネシアで中国人を襲っているのもイスラム教徒だし、イスラム教徒にロクな奴はいない。日本にも最近は、増加の一途をたどる不良イラン人のためのイスラム教モスクが出来たりして、とっても嫌な感じ。

て言うことで、そのイスラム教徒に、現在のところ、唯一正面切って対抗しているのがイスラエルなのだ。そう考えてくると、なんだかイスラエルにも同情したくなってくるぞ。なんだか許せるような気がしてくるぞ。裏でこっそり資金援助してもいいかな、なんて思えてくるぞ。
なのですが、イスラエルがアフガンとかリビアに対して戦争してくれるのならいいんだけど、罪もないパレスチナ市民を虐殺しているのを見ると、やっぱり感情的には怒りがこみ上げてきてしまいますなあ。

この構図は、ユーゴスラビアでも同じ。ボスニアでムスリム人を虐殺したり、コソボでアルバニア系住民を弾圧するセルビア人に対し、欧米諸国は軍を導入してまで糾弾しましたが、これも素直に考えれば、それで良いのですが、ムスリム人もアルバニア人も、みーんなイスラム教徒なんですな、これが。ちょっと弱っちゃうな、これは。イスラム教徒が増殖するのは嫌だから、セルビア人に頑張って欲しい気もしてくるのです。

(2000.11.22)



〜おしまい〜





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