雪印事件を考える

〜 なんでそんなに大騒ぎするの? 〜



いったい、日本の消費者は、いつからこんなにヒステリックになったんだ?
食べ物にほんのちょっと変なものが混じっていただけで。
確かに雪印の事件は、規模が大きかったので多少のインパクトがあるのは自然な反応だろうけど、誰か死んだ訳でもないし、ほんとにささいな症状にすぎないのに、PTAのお母ちゃんたちはヒステリックに目をつり上げて不買運動を展開するし、住民の顔色を伺って迎合するしか能のない地方自治体は不必要に重い処分を科すし。

この騒ぎが広がった責任の一端というか、大きな部分を、例によって無責任でお調子者のマスコミが負っていることは憤懣やるかたない。食品異物混入がひとたび注目を浴びると、調子に乗って、これまで相手にもしなかったようなささいな事件を片っ端から取り上げる。お菓子の袋に虫が入っていたなんていうようなくだらない事件を全国面に掲載したりする。そもそも、最初から入っていたのか、消費者が袋を開けてから入ったのかすら分からないのに。食品に虫が入っていた事件の大半は、真相は、封を切った後に入ったものらしい。

もちろん、かなりひどいのがあったことも事実です。詳細は忘れたけど、東南アジアで作られた缶詰を開けたらトカゲが入っていた、なんていう爆笑ものの事件もありました。しかし、これにしたって、こういった事件を鬼の首でも取ったように大騒ぎする同じ新聞の海外面では、その生産国の事情が説明されていて、それを読むと、それくらい仕方ないじゃない、と思えてくる。発展途上国の衛生状況っていうのは、日本にいたら信じられないくらい悪いんだから。日本の基準からすれば家畜のような生活をしている人達がいっぱい居るんだから。

最近は、チリメンジャコに混じっている藁くず等も問題にされているらしい。チリメンジャコは各地の漁村で作られてるけど、その現場を一度でも見たことがある人間なら、藁くずやハエの死骸が混じっているのは当たり前。て言うか、それを全部取り除く手間とコストを考えると、まさに非現実的な作業だと思うのだけど。

全く世間知らずの甘ちゃん育ちのバカ主婦どもがヒステリックに目をつり上げて、それを商売至上主義の新聞やテレビが煽って、まるで中世の魔女狩りのように、誰か血祭りに上げる対象を常に探し回っている、てな感じですね。

ところで、話はちょっとそれますが、雪印乳業の体質って意外でした。僕ら一般消費者からすれば、雪印乳業って、優しいイメージの食べ物会社でしたが、社長を始め、社員は、バリバリの大企業意識なんですね。確かに会社の規模を考えると、売上高は単独で5千億円を超え、連結では1兆円を超える大企業で、こりゃS国電力より大きいのだから、社員のプライド的にはバリバリの大企業で官僚的なのも理解できるけど、でも、一般消費者のイメージからすると、町の牛乳屋さんに毛が生えた程度なんだけどなあ。

さて、今、なぜ、雪印事件の事を書くかと言えば、最近、もっと面白い事件があったからです。
カネボウフーズのカップうどん「当店自慢かけうどん」に間違ってラーメン用粉末スープが入っていたらしい。こら、おもろい。無茶苦茶おもろい。ネーミングからして「当店自慢かけうどん」なんだからダシが売り物のはず。それが実はラーメンのスープだったなんて、わざとやったんならすごいぞ。わざとじゃないか。
それにしても、おかしかったのは、間違った可能性がある製品が18万3000個もあるのに、苦情は全国で5件しか無いってこと。確かに、虫が入ってたわけじゃないから、すぐには分かりにくい。体の具合が悪くなるものでもない。しかし、それにしてもダシが自慢のかけうどんにラーメンスープが入っていたら、もうちょっとみんな気づいて欲しいなあ。
偉そうに言いながら、消費者の味覚レベルがいかに低いかがよく分かる。あるいはダシが自慢なだけに、画期的な味だと思ったのかな?

(2000.11.28)



〜おしまい〜





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