政局を斬る!

〜 加藤紘一の行動は評価できるか? 〜



まるで政治漫談みたいですが、ちょっと言わずにはいられない政局ですね。
もっちろん、今回の内閣不信任案決議の一件です。

ほんま、久しぶりにワクワクしてしまいました。
かなり政治好き、選挙好きのわたくしですが、今まで選挙の時以外、政治にワクワクできることなんて滅多に無かった。いくら野党がキャンキャン吠えようが、自民党がヘラヘラ笑っていれば、どんな問題でもそれでおしまい。つい先日の参議院選挙制度の改正(改悪)の時だって、野党が子供じみた対応でダダをこねましたが、結局は時間切れで自民党に押し切られてしまう。民主党は元自民党員も抱える雑居所帯ですが、体質はかつての社会党的ですな。こなな事の繰り返しで、全国民の97%は政局に無関心となっております。
それが、今回、もしかして、かつて宮沢内閣が不信任されて、その後、非自民の連立政権ができた時の再現が期待できる展開だったのだから、これはもう、久しぶりに血湧き肉踊る展開でした。

かつての連立政権の時は、細川氏率いる日本新党が新しい風を呼び、国民の期待感も大きかったのだけど、本人が殿様気分で粘りがなく、あっけなく政権を投げ出してしまい、その後は崩壊の一途をたどりました。僕は個人的には細川氏の力量には全然期待してなかったので、彼が辞めた事自体はどうでも良かったのですが、細川氏を陰で操る憎まれっ子小沢一郎に対しては、もしかして日本の閉塞状況を変えられるかも知れない期待感を持っていたので、とても残念でした。羽田のボケには最初から期待できなかったし。

とにかく、今回、もしかして加藤紘一はやってしまうんではないか、と大いに期待させてくれました。春の総選挙の頃、民主党の菅氏あたりが加藤紘一と手を組む可能性に言及していた時は、またまた寝ぼけてからに、なんて思っていたのに、それが現実となりそうで、びっくりしました。加藤紘一って、それまで存在感が薄く、なんだか迫力も無いし、世の中を変えられる期待感の乏しいイメージでした。派の先輩首相の宮沢あたりと似た印象。それが、なんと、一気にケツまくって自民党主流派を敵に回して野党と手を組んで政権取りを狙うだなんて、小沢一郎なみの行動力です。ほんま、びっくりしました。

採決があった11月20日月曜日は、職場でつけているテレビに目が離せなくなり、帰るに帰れない状況となってしまい、深夜まで帰宅できませんでした。ま、雨が土砂降りだったってことも大きな理由ですが。
しかし、結果は、みなさんご存じの通り、腰砕けの肩すかしのおおボケの尻切れトンボでした。
まったく、もう。がっかり。

当然、この結末に対して、反自民党で凝り固まっている無責任バカ新聞どもは落胆の色を隠せず、可愛さ余って憎さ百倍とばかり、加藤紘一に対してボロクソに書きまくっています。でも、ちょっとおかしいぞ。
「政治家の発する言葉への信頼性を大きく損ねてしまった」とか書いているけど、普段から政治家の言葉なんて100%信用してないと言い切っているバカ新聞が、こういう時だけ都合の良い事を言う。いったい誰が政治家の言葉なんか信頼してるんじゃい。国民は最初から信頼なんかしてないぞ。
「不信任案に賛成すると言い切ったのは国民との約束であるから、一人ででも本会議に出て賛成票を投じるべきだった」と書いているが、別に国民に約束してくれた訳でもなんでもないし、一人で出席して賛成票を投じたら、それこそ一人だけ除名になって政治家として抹殺されてしまう。まあ、無責任バカ新聞としてはそれでもいいかもしれないけど、それよりは、まだ自民党に残って、ほんの少しはあるかもしれない次の機会での行動に期待してもいいのではないか?
さらに「自分の派閥さえ掌握できずに最後は我が身かわいさの敵前逃亡に堕した」とも書いているが、普段から派閥政治には批判ばかりカマしている癖に、これまたコロッと変わっている。しかも、出ても絶対に負けが分かっていれば、いったん引き下がるのは、勇気ある行動とまでは言わなくても、それほど批判されるべきとも思えない。玉砕を崇拝するバカ新聞の姿勢は、まるで太平洋戦争時に特攻隊を礼賛した大政翼賛会的報道のあり方ですな。

また、バカ新聞は自分達のガッカリ感を誇張するために、市民の声も掲載している。
「思いっきり肩すかしを感じた」っていうのは、これはみんなそう思うだろうな。
でも「最後に撤回するくらいなら、最初から何もしない方が良かった」なんていう人もいるけど、これは単に自分の期待が裏切られたからヒステリーになっているだけで、何もないよりはマシだったと思う。つまり、政権がひっくり返る可能性もある、ってことが分かったし、森バカの力がますます失墜して、政権が変わる可能性も高くなったし、少しは意義があったと思う。
それから「茶番劇にあきれ果てた」っていうのは、ちょっと違う。茶番劇なら、最初からやらないよ。だって得した人は誰も居ないんだもの。加藤紘一は大きく力を失ったし、森のバカも情けない極地だし。(ま、この森バカは、既にこれ以上落ちるとこの無いくらい落ちてますし、それを感じ取る神経もない鈍牛だけど) 野党にしたって、自民党の党内抗争に振り回されてバカを見ただけだし。つまり誰も得していない。みんな損してる。だから、これは茶番劇ではない。こななシナリオを書く人はいない。要は、加藤紘一が読みを誤ったってことです。

確かに加藤紘一の行動はタイミング的には最良ではなかった。加藤派の重鎮でありながら、反対に回った宮沢ボケじいさんがいみじくも語ったように「補正予算を目前にして、また重要法案が目白押しの中、なぜこのタイミングでそういう反乱を起こすのか?もう少し待てば自然に政権の座も回ってくるのに」というのは正論です。タイミングとしては、確かに悪い。僕も個人的には、極悪非道の若造どもを懲らしめる少年法改正案などの重要法案が廃案になるのは悲しい。
しかし、そういう事は、大事ではあるけど、もっと大事なこともある。森バカ政権を倒す。そのためなら、多少の犠牲は構わんではないか。とも思う。このあたり、宮沢のボケじいさんは、まあ大蔵大臣とかなら務まるのかもしれんけど、政治家の器では無いわな。しょせんは役人あがりやね。政治家は、そういう事務的な事よりも、もっと重要な政治の流れを考えないと。やる時にはやらねばならんのだ。
そもそも、一体なぜ森のバカが10%台の支持率しか得られないのか。頭が極端に悪いから失言は多いけど、一つ一つは、それほど決定的でもない。神の国発言にしたって、何も、軍国主義化を狙った陰謀的発言ではなくて、なーんにも考えてないから、単に神主さんたちにリップサービスしただけ。本当に頭が軽い。て言うか、完全にカラッポ。そのバカさ加減に愛想が尽きるのと、そういうバカをドサクサに紛れて勝手に選んだ自民党の実力者達へ嫌気がさすんだなあ。
だからバカ新聞を始め、野党に期待する向きもあるけど、現実にはなかなか難しい。そもそも既に森がバカぶりを発揮していた春の総選挙で自民党が政権を維持したって事自体からして、なかなか野党だけでは力不足。そこへ加藤紘一が突然、声を上げたのだから、大いに期待できたのだ。

一部には、国民の間でも、加藤の行動を評価する声がある。「一気に加藤ファンになった」とか「勇気ある行動だった」というものだ。ものすごくガッカリした僕も、冷静になって考えると、やはり意義ある行動だったと思う。今まで政治家としては全くノーマークだった加藤だけど、もしかして何かを変える行動力を期待できるかな、と思う。
バカ新聞は、ヤケクソ気味に「加藤紘一は政治生命を失った」なんて書いているけど、そうでもないんじゃないかな。自民党内のことは分かんないけど、国民の間では、そもそも、そんなに存在感が大きくなかったのだから、むしろ存在感は増したような気もする。

いずれにしても、また自民党政権であれ、非自民党政権であれ、森バカ政権が一刻も早く倒れることを望む。別に、加藤紘一が再び行動を起こすかどうかはどうでもいい。変人の小泉でもいい。田中真紀子でもいいし、土井たかこでもいい。小沢一郎や不破哲三ならもっといい。なんとかこの閉塞感を変えて欲しいな。


なお、余談ですが、野党席に向かって水をぶちまける保守党の松浪には、ぶっ飛びました。さすがはアマチュアレスリングの元チャンピオンですが、こいつはやっぱり政治家になるよりプロレスに行った方が良かったな。そもそも、保守党なんていう政党自体が胡散臭い。最初は小沢一郎と行動を共にしていたくせに、政権に入りたいだけのために分裂して自民党と組み、そのあげく前回の総選挙では、ほとんど崩壊しかかっている。だいたいやねえ、扇千景なんていうヒステリー婆さんが党首なんやから、底が知れてますわな。バカ新聞は、「加藤紘一の行動は国民の期待を裏切った」とかなんとか遠吠えしてますが、レスラー松浪を当選させたのも、紛れもない国民なんですけどね。

(2000.11.30)



〜おしまい〜





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