スノボーはええで

〜 やってみて分かる面白さ 〜



昨シーズンからスノーボードを始めた。
ちょっとスキーに飽きがきていたっていうこともある。などと偉そうに言えるほどスキーをしている訳ではないけど、北海道とかの広いスキー場なら、スキーでガンガン滑るのも面白いだろうけど、四国のこの辺りですぐ行ける久万とか井川の人工スキー場って、長さが500mくらいしかなく、スキーで滑り降りると、ほんと、あっという間に滑り終わってしまって、つまんなーい。何の変化も無く、ほんとーに面白くない。

で、まずは長さが1m以下のミニスキーをやってみた。これは、面白い。すごく面白い。スキーをやっている人なら、誰でもすぐにできる簡単さだけど、スキーでは面白くない短い人工スキー場でもかなり面白い。ちょっとだけ足を延ばして大山とかへ行けば、もう何の不満も無いくらい楽しめる。ストックを持たず、自由にスーイスイと弧を描きながら滑り降りると、とっても気持ちが良い。

で、さらに続けて、スノーボードにまで手を出してしまった。
スキーヤーの99%がそうであるように、僕もスノーボードが大嫌いだった。スノボーをするのが嫌いっていうのじゃなく、ゲレンデのど真ん中で、あたり構わずへたり込んで邪魔になるボーダー達が大嫌いだった。でかい顔してでかいケツで座り込んでいるバカ女どもめ。スキーヤーに比べれば、みんなだらしない格好しているし。ストックで突き刺すか、スキーで突っ込んで板の先を背中に突き立ててやろうかと思うくらい鬱陶しかった。
しかし、最初は土日はスノーボード禁止とか言ってたスキー場も、どんどんスノボー解禁となり、滑っている人も、スキーよりもスノボーがどんどん増えてきた。特に、スキーで滑ってもあんまり面白くない手近な人工スキー場なんか、日によってはスノボーの方が多くなってきた。

そして、ここにY中氏の登場である。Y中氏は、職場の同僚で、公務員だが、野生児である。365日中、900回は飲みに行く(一日に何軒も行きます)ほどの酒好きで、その反面教師像によって二人の娘さんと一人息子さんが立派に育っているという見上げた人だが、こういう人間を採用している高知県庁も、なかなか懐が深いぞ。(私の友人には、女のケツばかり追いかけている香川県庁職員M永氏や、手が後ろに回るような事ばっかりやっている香川県警の警察官M浦氏や、懲戒免職ものの素行を繰り広げる香川県教員Y下氏など、いざというときに何の役にも立たない公務員がしこたまいますが、やはり香川県は甘いな)
高知県庁のY中氏は、酒とマージャンが好きなだけではなく、実はウィンドサーフィンのベテランである。で、ウィンドサーフィンとスノボーでは、板の使い方が全然違うのだが、板に乗る抵抗が無いため、昨シーズン、ええ歳こいてあっさりとスノボーを始めてしまったのだ。で、彼が言うには「スノボーなんて簡単かんたん。スキーやっとったら誰でもできるぞ」なんである。もし、これが、もっと若い元気な奴が言うのなら信用してはいけない。しかし、相手は、酒とマージャンに溺れて家庭を顧みないY中氏である。この言葉は信用できる。

で、Y中氏ができるのなら、僕にもできるだろう、と思い込み、近所のスポーツゼビオでさっそく一番安いセットを買ったのだった。そして、さっそく仕事をサボり、手近な井川の人工スキー場へ行ってみた。ここは、朝の9時から夕方の4時半までの間に、スキーで75回滑り降りるという快記録を達成したコースである。
まずは、毎日やっているという無料スノボー教室に入ろうとしたけど、11時からとのこと。それで時間つぶしにリフトに乗って自分勝手に滑ってみる。リフトに乗るのも苦労するけど、降りるときには絶対に転ぶ。さらに、滑り始めると、スキーとは状況が一変する。なんちゅうても、リフトで上るよりも降りる方が時間がかかる。ズリズリズリ、ボテッ、ズリズリズリ、ドカッ、って感じで転びまくり、体中ボロボロになって滑り降りたときには、ものすごい疲労感。結局、10回くらい滑った時点で、足腰が立たなくなってしまった。1回滑るのに平均して30回は転んだから、合計300回くらい転んだぞ。脳しんとう気味で頭もガンガンするし、手首も肩も首も捻挫気味。でも、スノボー教室でちんたらやるよりも、すぐに上達してしまい、一気に面白さが分かってしまった。

今シーズンも久しぶりに行ったけど、あんまり転ばずになんとか滑り降りることができるようになった。スキーなら75回滑っても完全燃焼できないコースでも、もういや、っちゅうくらい燃え尽きることができます。
バカにしていたダボダボのだらしないウェアも買ったし、車にはいつもボードを積んで、スキさえあればいつでも仕事をサボって行く態勢を整えています。

スノボーに興味はあるけど、ええ歳こいて、今さら踏み切れないかな、と迷っているあなた。そう、あなたです。あんたやってば、おっさん!
ためらうことはない。今すぐスポーツゼビオかスポーツデポへ行って安いセットを買い、すぐさま出掛けよう。意外に簡単です。体で覚えればすぐです。
遠くの広いスキー場へ行くときは普通のスキーを、ちょっと足を延ばして中国地方辺りへ行くときはミニスキーを、近くの狭い人工スキー場へ行くときはスノボーと、使い分けすれば楽しいぞ。

(2001.1.11)



〜おしまい〜





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