深層水とアサヒビール

〜 反省を知らない高知県人 〜



今、高知では、深層水を使用したアサヒビールの発泡酒が問題となっている。

報道によれば、室戸の海洋深層水を利用したビールの開発をアサヒビールに持ちかけ、数々の実験用深層水とデータを提供したにもかかわらず、アサヒビールは商品化に当たって、高知県に何の連絡もなしに、ライバルの富山県の深層水で発泡酒を作ることにしたからだ。

と言っても、そもそも自意識の過剰な高知の人が思っているほど、世間一般では深層水というもの自体がそんなに知られている訳ではない。そもそも深層水とは、海の深い所から採取した水であり、ミネラルが豊富なうえ、有害物質が少ないとのことで、医療や健康、食品など、様々な分野での活用が期待されている。
というふれこみだが、しかし、実は、本当のところはほとんど分かっていない。最近、県の研究所や市の研究所に行って話を聞いたけど、本当に体に良いのかどうか、良いとしてもなぜ良いのか、まともなデータは揃っていない。今のところ、ほとんどイメージ戦略って状態です。
そもそもやねえ、深層水って言ったって、所詮は海水。だからそのまま使えるものではない。そのままお風呂にでも使うのならともかく、深層水を使ったお酒とか、色んなものが出ているけど、当然、脱塩した水を使っている。て言うことは、ミネラルが豊富と言ったって、かなり除去されている。おまけに、食品に使うときは煮沸したりするし、そこまでやって本来の深層水と同じ効果が残っているのか、ものすごく疑問がある。ましてや、深層水まんじゅうとかも出ているけど、はっきり言って何の意味もない。

ところで、日本において深層水に一番熱心なのが高知県だった。取水も早かったし、研究も進んでいる。漁業が衰退して落ち目街道まっしぐらだった室戸地域は、一気に活性化し、関連企業がどんどん進出している。ところが最近、この流行にあやかろうとして富山県や沖縄県などのライバルが出てきたのだ。
で、とにかくアサヒビールは、イメージ戦略だろうとは思うけど、深層水を発泡酒に使うことにした。そして高知の深層水ではなく、富山県の深層水を使うと言うのだ。

確かに、これは腹が立つ。なんでやーっ、と言いたい。
しかし、当然、これには理由があると思う。特許や権利等の規制が厳しい高知県のやり方に嫌気がさした、とか、あるいは成分が富山県の方が適していたとか、あるいは富山県にはアサヒビールの工場があって便利だったとか。とにかく、純粋な企業活動だから、何か理由はあるはず。
ところが、高知県内では、なぜアサヒビールが高知を選ばなかったかを真剣に検討する空気はなく、もっぱらアサヒビールを非難する声ばかり聞こえてくる。
高知県庁の外郭団体である某○○県○○総合○○所の○○ブチョも、最近は誰に会ってもアサヒビールの悪口ばかり言いふらしている。(ただしこいつは本当は高知県人ではなく、東京から来た人間だ。しかし虚言壮大なことに関しては高知県人の数段上をいくホラ吹き人間である)
そして、日本有数の地方紙ガリバー地域の高知県で絶大な影響力を持つ高知新聞も以下のような社説を出している。

「なめたらいかんぜよ」
十九年前、宮尾登美子さんの小説を映画化した「鬼龍院花子の生涯」で、故夏目雅子さんが口にしたせりふが一世を風廃した。この言葉ほど土佐人の反骨性を端的に示すものはないと思う。相手がお上とか強大な権力者であればあるほど反発し、体面を傷つけられたら怒りをストレートに行動に移す。
海洋深層水仕込みの発泡酒発売をめぐって県とトラブルになったアサヒビールに対して、県民の間に反発がじわり広がっている。相手は大企業。県の抗議に対して、すぐ社長が直々に釈明に飛んで来た。よその県なら「まあ、いいか」と矛を収めるところかもしれない。しかし、高知ではそうはならない。だれにあおられたわけでもないのに、一般県民、飲み屋さん、議員らの間でいわば自然発生的に「アサヒは飲まん」が広がる。
素朴な県民感情として「一言連絡してくるのが筋じゃあないのか」となるのは無理からぬことだ。深層水に対する県民の期待の大きさもある。輸入物などの影響で一次産業が苦しい。不況で企業誘致もままならない。観光も伸び悩む。そんな本県にあって、深層水は久々に現れた「星」。大切に育てていきたい。そう思っていた中でのトラブルなのである。


なんとまあ、あきれ果てた。アサヒビールを強大な権力者にしたてあげ、それに反発する自分達の姿勢に酔いしれている。そこには冷静に物事を分析しようという姿勢が完全に欠落している。こりゃ、まいった。
そもそも相手は国家権力でも何でもない。たかがビール会社やぞ。しかも、ほんの20年くらい前には潰れかかっていたような会社やないの。そなな会社の行動をそこまで追求するなんて、度量が狭すぎる。

はっきり言えば、これが高知県人の、て言うか、高知の男の一番悪いところだろう。
「偉そうに文句ばっかりたれて、何もしない」
これに集約されるのではないだろうか。飲み屋へ行けば、そんな男達であふれかえっている。酒ばっかりのんで世の中の文句ばっかり言う。坂本龍馬はブウブウ文句たれたりしないで、自分の命を賭けて実行したぞ。
僕は高知の土地も人間も好きだけど、だからこそ、こういう悪い癖は治して欲しい。こんな体質のままだと、いつまで経っても県勢の発展は無いぞ。

(バド2号)「これって、もしかして、個人的にアサヒビールが好きだから言ってるんじゃないですか?
       嫌いなキリンビールやったら、一緒になって叩いているでしょ?」
(幹事長)「い、いや、決してそんな事はないぞ。確かにアサヒは好きやけど・・・」
(バド3号)「それじゃ、もしかして、アサヒビールは最近、愛媛の西条市に工場ができて、
       四国電力のお得意さんになっているからでしょ?」
(幹事長)「い、いや、それも違うぞ。わしはそこまで会社に忠誠を尽くすタイプじゃないし・・・」
(バド2号)「自分は何もせずに文句ばっかりたれるなんて、まさに、このコーナーそのものじゃないですか!」
(バド3号)「幹事長の方がよっぽど高知県人化してますよ」
(幹事長)「い、いや、ま、そ、その・・・」

(2001.2.16)



〜おしまい〜





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