脳死臓器移植を考える

〜 何にでも反対する人々 〜



まあ、ほんま、世の中には、何にでも反対する人は、いるもんだ。
今回の事件も、なかなか珍しい。

事件とは、7月1日に、東京の聖路加国際病院で脳死となった60歳代男性から提供された2つの腎臓が、この男性の2人の親族に移植されたことが発端だ。て、言うか、これそのものが事件視されているのだが。
これって、普通に考えると、別におかしくも何ともないと思うんだけど。どうでしょう?
例えば、自分の子供や兄弟が不治の病になったとき、自分の臓器を提供するのは、ごく自然な気持ちだと思う。もちろん、強制はできないけど、提供できる立場なら、喜んで提供する人が多いだろう。

ところが、これに対して、「脳死臓器移植による人権侵害監視委員会」なんていう自己中心的な狂信的集団と、どこの所属か知らないが、阿部知子というヒステリー議員が、厚生労働省に対して、「親族への臓器提供は、公平な移植医療を求める臓器移植法に違反する」として、日本臓器移植ネットワークのあっせん業の許可を取り消すよう要望したのだ。

そもそも、私は、この日本臓器移植ネットワークっていう名の超アヤシイ団体を擁護する気持ちは、さらさら無い。こいつら、ものすごく胡散臭い連中です。信じてはいけません。
しかし、だからと言って、脳死臓器移植自体を否定してはいけない。

この「脳死臓器移植による人権侵害監視委員会」っていう発狂集団は、今回の事件について、「公平な移植医療を求める臓器移植法に違反する」なんて言っているけど、実は、そもそも、脳死臓器移植に徹底して反対している団体なのだ。ちゃんちゃらおかしいぞ。
2年前に全国で初めて高知で脳死臓器移植が実施された時も、医師が手術のできない最重症のくも膜下出血および脳出血と診断して、脳死臓器移植をしたのに対し、延命治療をしなかった病院の処置は救命治療の放棄に当たるなどとして、弁護士会に対し患者の人権救済の申し立てをしたりしている。
さらに、大阪府吹田市の千里救命救急センターが脳死判定を行った時も、難癖をつけて文句を言っている。
それから、去年の秋には、脳死・臓器移植反対署名なんてものを集めて厚生省に提出している。こいつらは、あくまでも「脳死は人の死でない」という信念に取り憑かれており、その自分たちの信念のためには、臓器移植以外では助かる見込みの無い難病の患者達を見殺しにしろ、と言っているのである。なにも、お前らの臓器を出せ、と言っているのではない。それなのに、単に、気にくわない、というだけの理由で、自らの意志で、自分の臓器を提供したいって言っている善良な人の気持ちを阻もうとしているのである。
ここまで自己中心的で我が儘な意見が許されるのか?
これは、幼児虐殺の宅間や宮崎による事件の際に、被害者や遺族の人権について全く無視しながら、加害者の人権のことばかりわめき立てる悪徳弁護士や、その尻馬にのるマスコミや、それに騙されるアホ裁判官と同じだ。また、レイプ犯人の人権が守られないかもしれない、なんていう理由で犯人の引き渡しを渋るアメリカ軍と同じだ。

こいつらのホームページを覗いてみると、キーワードが並んでいる。
「だますのですか? 善意の家族を」
  騙しているのはお前らの方じゃ!
「厚生省にまかせられますか? あなたの命」
  これは、確かに、そうだ。僕も、厚生省にはまかせたくないなあ。
「臓器・組織はモノにあらず」
  誰がモノだと言ってるの?モノなんかじゃないよ。移植するからと言って、モノって訳じゃないでしょう?
「臓器売買から死刑囚移植まで」
  これには笑ってしまった。確かに、死刑囚から臓器を摘出するって言うアイデアは面白い。ぜひ実施すべき。
「人の死は文化のなかにある」とか「文化的に受容できる死とは」
  になると、これは宗教の領域なので、嫌な人は、どうぞ勝手に拒否してください、って言いたい。キリスト教の狂信的派閥「エホバの証人」が輸血を拒んでいるのと同じで、それは自分の事なんだから、どうぞ好き勝手にしてください、って感じだ。でも、それを他人に強制はするな、ってことだ。エホバの証人は、他の人が輸血することにまで文句を言ったりはしていない。

それから、阿部というヒステリー議員は「臓器移植法は、提供者の本人意思の尊重を定めているが、提供意思のことであり、誰に移植するかではない」なんて訳の分からない事をわめいているが、そんなん人の勝手でしょう?僕なら、もし親族に臓器を必要としている人がいれば、どこの誰か知らない他人に提供するよりは、親族に提供した。それでもええやんか。
このヒステリー議員は「今回のケースは法の拡大解釈で、これを認めた厚生労働省の責任は重い」ともわめいているが、これに対して、薬剤エイズ事件やらハンセン病やら、悪さの限りを尽くしてきたせいで国民の信用が失墜している厚生省の臓器移植対策室は「一般論として、提供者の家族の強い希望があれば、こうしたケースも認められる。臓器移植法の国会審議でもそのような答弁が残っている」としながらも、「問題なしと判断したが、詳しい経緯は提供者の遺族の了承を得ていないため、まだ説明できない。なるべく早く了承を得て公表したい」なんて、ちょっと弱腰である。相変わらず情けない役所だ。

しかし、そもそも、こななどうでもええバカな連中の行動を仰々しく、さも重大な事のように嬉しそうに報道するマスコミが一番諸悪の根元やぞ。こななどうでもええ連中の事を貴重な電波や紙面を使って報道するなよ。もったいない。

(2001.7.8)



〜おしまい〜





独り言のメニューへ