地球は温暖化しているのか?

〜 この暑さは何なんだ! 〜



暑い!ほんまに暑い!
この異常な暑さは何なんだろ。
一昔前なら、最高気温が35度を超えれば、すごいニュースだったのに、最近は35度を超えない日が無いくらいだから、40度近くにならないとニュースにもならない。
クーラー需要で電気がどんどん売れるから電力会社としては喜ばしいが、涼しいオフィスはともかく、休日に自宅に居ると、サウナにいるようだ。もちろん、自宅にもクーラーは何台もあるけど、僕の部屋だけクーラーが無いのよ。いくら何でも全部の部屋にクーラーを付けるのは無駄だから、家に居る時間は僕が一番短いから、僕の部屋だけはクーラーは不要だろうと思ってケチって付けなかったのよ。それに、ものすごい汗かきだけど、本来的には暑いのが好きで、実はクーラーは好きじゃない、っていうのもあったし。しかし、それも、もう限界。ここまで暑いと、そなな悠長な事は言っておられない。下の子供が遊んでいるリビングルームに逃げ込むか、上の子供が勉強している(フリをしている)部屋に逃げ込むか。上の子供の部屋に逃げ込んだ場合、勉強している監視にもなるので一石二鳥だが、ベッドに寝っ転がって本を読むくらいしかすることがないので、こうしてパソコンをいぢるとなると汗を吹き出しながら自室にこもるしかない。

こう暑くなると、みんなすぐに短絡的に発想するのが地球温暖化問題である。環境問題にうるさい僕としても避けられない問題である。
先日、気候変動枠組み条約の第6回締約国会議(COP6)が開催され、ようやくのことで京都議定書の運用ルールが決まった。
僕は環境問題に関しては非常にうるさいし、4年前に京都で開催されたCOP3にも参加したので、今回の会議の成り行きには非常に関心を持っていた。原子力問題で日本の主張が通らなかったのは残念ではあるが、まあ最初から期待してはいなかったので、総論的には結果としては良かったのかな、とは思う。

しかーし、そもそも地球の気候変動のメカニズムは、本当はまだまだ分からない事だらけだ

そもそも地球は本当に温暖化しているのか。これは実は大きな疑問だ。
もちろん、ここ近年の異常な猛暑続きは怪しい。とても怪しい。私は仕事柄、毎年の気温の動向にもうるさいが、ここ10年の気温は、それまでの30年に比べて明らかに上がっている。これは数字を見ればはっきり分かることなので、誰も否定はできない。
しかし、この近年の異常な猛暑と地球温暖化問題は、実は何の関係も無い。地球温暖化問題と言われるのは、今世紀末までの100年間で地球の平均気温が1度か2度くらい上がる、というものであり、わずか数年で最高気温が何度も上がるような異常気象とは次元の異なる話である。この短期的な高温現象は、昔から繰り返される周期的な波に過ぎない。何年かすれば今度は冷夏が続いたりするだろう。異常気象の原因かも知れないと言われているエルニーニョも地球温暖化問題とは無関係だ。
地球温暖化で平均気温が上がると言われているが、それは地球全体の平均気温が上がるのであって、全世界が満遍なく、また夏も冬も一緒に気温が上がるのではない。既に暑いところの気温は上がらない。寒いところの気温が上がるだけなのだ。それも、夏の気温が上がるのではなく、冬の寒い時の気温が上がる。すなわち、夏の最高気温は上がらず、冬の最低気温が上がるのだ。だから雪が減ってスキーに困るようになるかもしれないけど、夏が猛暑続きになるのではないのだ。
別の言い方をすれば、温暖化で直接的な影響が大きいのはシベリア等の寒冷地方だ。今は農業もできないような寒冷地が温暖化して農業ができるようになる。だからロシア等にとっては、実はメリットの方が大きい。南の島などは、北極の氷が溶けて海水面が上がって沈んじゃうかもしれない、って事で大騒ぎだけど、南の島の気温が上がるわけではないのよ。

地球全体を見れば、過去100年間に地表温度が0.5度くらい上昇したのは確からしい。しかし、この温度上昇は20世紀の初頭に起きている。もし大量の二酸化炭素の排出が原因なら、温度上昇は20世紀の後半に起きていなければおかしい。人工衛星を使った調査では、最近の20年間では地球の地表温度は上昇していないのだ。猛暑は無関係なのだ。

世界最大の二酸化炭素排出国であるアメリカが、今回のCOP6の直前になって急に参加しないって言い出したのは、リベラル派(と称される頭の悪い連中)の票が欲しくて環境問題に高い関心を示していた(フリをしていた)クリントン政権(と言うより、惨めな末路を歩んだゴア副大統領)から、正反対の産業重視のブッシュ政権に代わった事が最大の原因だ。
しかし、実は、その裏付けとしてあるのが、アメリカ航空宇宙局(NASA)が10年以上も前から人工衛星や航空機、船舶に積んだ先端機器を駆使して大気や海洋の調査を行っているが、いまだに地球温暖化を証明する事実をつかんでいない、っていう事だ。
二酸化炭素が大量に排出されているのは事実だ。しかし、これらの温室効果ガスが地球の自然の循環作用によって吸収され、地球の温暖化に影響していないかもしれないのだ。

そして、もし仮に、地球が温暖化していると仮定しても、その問題が顕在化するのは50年後くらいなのだ。繰り返して言うけど、近年の猛暑は全く無関係なのだ。だから、実は、京都議定書の削減枠を決めるのに、そんなに慌てる必要は全く無いのだ。無理に慌てて、最大の二酸化炭素排出国のアメリカ抜きで意味のない合意をする必要は無いのだ。
そもそも、10年か20年もすれば、京都議定書に加わっていない発展途上国が排出する二酸化炭素の量が先進国を上回ると見られており、そうなると先進国だけで慌てて決めたところで、あまり意味の無いものになってしまう。個人的には、発展途上国も含めて総ての国が加わらないと無意味だと思うのだけど、これから経済成長を遂げる(かもしれない)うえに人口も急増する発展途上国の排出量を、どれくらいまで認めるか、ってなると、とても難しい。中国だけを取ってみても、一人当たり排出量がアメリカ並みになれば、それだけで今の全世界の排出量を上回ってしまう。中国は人口一人当たり二酸化炭素排出量で見れば日本の1/4程度だが、人口がやたら多いので、総排出量では既にアメリカに次いで世界第2位である。こういう国が参加していない議定書って、不完全にもほどがある。

こういう事は、環境NGOとか呼ばれる頭の悪いヒステリー市民運動家が理解しているかどうかは分かんないけど、少なくとも各国の政府は分かっている。それじゃあ、なぜ、ヨーロッパ各国は京都議定書の成立を急いでいるのか、と言えば、これは実は環境の事を心配しているからではなく、極めて政治経済的な要因である。
ヨーロッパ各国の現政権は、その多くが環境重視の「緑の党」と連立している。その連立を壊して政権を手放したくないから、ポーズとして京都議定書の成立に熱心なだけである。また、唯一の超大国となって、ますます勢力の拡張が盛んなアメリカの経済的競争力を弱めようという魂胆もある。ヒステリー環境オタクどもは、この現実が分かっているのか。分かっていて、敢えて知らない顔をしているのか。それとも、やはり本当に頭が悪くて、分かっていないのか。たぶん、分かっていないんだろうなあ。ケナフ植えているような連中には。

そもそも、ヨーロッパ諸国は非常に身勝手なのよ。これは、まあいつでもそうだけど。あいつらはきれい事を言って、一見正義のフリをするけど、実は極めて用意周到で、交渉や戦略にたけていて、正直に相手をすると痛い目を見る。何もヨーロッパに限らず、ロシアも中東も中国も同じ。よっぽどアメリカの方が単純で分かりやすい。
ヨーロッパ諸国は偉そうに温室効果ガスを大幅に削減すると抜かしている。しかーし、こいつらは現在の排出量が多いのよ。一人当たり排出量で比較すると、アメリカは日本の2倍以上で論外だけど、ドイツやイギリスも日本より多い。日本より少ないのは、電力がほとんど原子力のフランスくらいだ。これをGDP当たりの排出量で見れば、違いはもっと歴然となる。アメリカは日本の3倍以上で、フランスさえ日本を上回り、イギリスも2倍以上である。しかも、ヨーロッパ全体でいけば、産業構造が旧式で大量に二酸化炭素を排出している東ヨーロッパがあるから、これらを近代化すれば、それだけで大幅な排出量の削減が可能だ。
日本は資源が無いから、以前から省エネが非常に進んでいて、ある意味で究極の省エネ構造になっている。それを同列に論じるのは不公平である。この点を、日本のヒステリー環境市民グループは頭が悪いから理解していない。日本はもっと強気で言うべきなのだ。「日本はこれ以上省エネする必要はないけど、他の国は、日本のように省エネを進めなさい!」と。

ところで、日本政府の対応はどうだったか。
日本の賛成により、なんとか条約の発効の目処が立ったのだから、何はともあれ良かった良かった、という人もいれば、アメリカが加わっていない状態では実効性に欠ける、と疑問を呈する人がいる。
何はともあれ日本も最終的には賛成したから良かった、という人もいれば、日本が会議をかき回して条約を骨抜きにした、と非難する人もいる。特に、頭の悪い環境ヒステリー軍団は、ヨーロッパ勢にしろ日本勢にしろ、日本のあいまいな態度に怒っていた。ま、お前らが怒ったって、何のつっぱりにもならんけどな。
だが、しかし、そもそも、京都のCOP3の時、温室効果ガスの6%カットを一方的に決めたのは、バカな橋本龍太郎首相である。こいつは日本経済を今のような惨憺たる状態に引きずり落とした張本人であるにも関わらず、しゃあしゃあと自民党総裁選挙に出て、しかも勝利するつもりでいたオオバカ野郎だが、経済にしても環境問題にしても、何も分かっていない。利権集団に頼るだけの古い政治屋だ。このバカが何の根拠もなく6%カットなんかを言い出した時点で、全く実現不可能の目標となった。だから、いくら運用ルールで小手先の修正を加えたところで、そもそも実現不可能なのよ。
6%カットどころか、その後、日本の温室効果ガス排出量は着々と増え続け、今は目標を13%もオーバーしている。今回の合意で、このうち4%近くを森林吸収でまかなえることになったが、それでもまだ9%もオーバーしている。このようなカットが実現不可能な事は明らかだ。今みたいにGDPがゼロ成長でも大不況と言われているのに、温室効果ガス排出量を9%カットするとなると、GDPベースでも5〜10%程度縮小しなければならない。そんなことが可能か?
実は、フランスのように電力をほとんど総て原子力に置き換えればなんとか可能かもしれない。しかし、それには、仮に反対派が居なくなったとしても20年はかかるやろなあ。

なーんて怒ってみても仕方ない。て言うか、本当は余り怒ってない。て言うのは、どうあがいてもそんなカットは不可能だし、政府が国民に強制させることもできないし、どっちにしても目標は達成できませんでした、で終わるのよ。無理やもん。バンザイするしかないのよ。自己中心的なヨーロッパ各国に「いかんやんか」って言われても、しょうがないよ。どうすることもできない。どうせその頃には、隣の中国が日本の5倍くらい出しているだろうし。(今は3倍)

ところで、根元的な疑問が、僕には、ある。僕が小学生の頃は、地球はやがて再び氷河期に入っていく、ってまことしやかに言われていた。別に、田舎の小学生が勝手に噂していた、っていう意味じゃなく、偉い気象学者が言っていた。大昔から地球は氷河期と間氷期を繰り返してきた。そのせいで生物が大幅に代わったりしてきた。そして今は、大きな気象変動の周期的な波により、長期的には地球は氷河期に入っている、と。
もちろん、それにしたって数年で一気に凍り付くってのじゃなく、長期的にだんだん冷えていくものだけど、もしそれが本当なら、地球が温暖化すればプラスマイナスでちょうどいいじゃないか、って思うのだけど。

(2001.8.5)



〜おしまい〜





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