Lモードの末路

〜 誰が考えても役立たず 〜



みなさんはLモードって覚えてますか?
って言っても、まだ出始めてから半年しか経ってないから、まだまだこれからの商品だろう、って反論もあるかもしれないけど、どう考えても過去の遺物ですわな。って言うか、「過去の遺物」っていうほどの存在にまでもなれず、あっという間に消え去る商品でしょう。

LモードってものがNTTから発売された時、「こななもん、一体だれが買うんやあ?」って不思議でした。うたい文句はiモードの固定電話版ってことだった。つまり、携帯電話じゃなくて家庭の固定電話を使ってiモードのようにインターネットで電子メールを送受信したりネットバンキング等に使ったり各種情報を検索できる、っていうものでした。

そもそも、僕はi-モードが嫌いです。本当のところ、僕がi-モードを徹底的に毛嫌いする大きな理由はNTTの携帯電話を持っていないってことだけど、それにしても必要性が感じられない。
電子メールにしたって情報検索にしたって、パソコンの方が圧倒的に使いやすい。パソコンを持ってない人ならともかく、職場でもほとんど一日中、目の前にパソコンがあるし、家庭でもいつでもパソコンが使え、実際にパソコンを使っている時間が非常に長い。わざわざ携帯電話の小さくて押しにくいキーで打ち込んで小さな貧弱な画面で見てもしょうがない。
確かに、屋外に出ている時は、電子メールは多少の役に立つかもしれない。僕の電話にも、非常に時たまではあるけど、電子メールが入ることがある。それはそれで、なんとなく嬉しいのだけど、そのメールの内容は、ぜーんぜん急いでいる内容でもないし、重要なものでもない。本当に急いでるのなら、電話するよなあ。メールとしても、パソコンのアドレスの方に送ってくれた方が早いし見やすいし返信も出しやすい。電話に来たメールも、通常はパソコンから返信を出している。そもそも、僕は電話をあまり携帯する習慣がなく、たいていは鞄の中に眠っているので、電子メールが来ている事に気づくのは、だいぶ後になってからだから、あんまり意味無いよなあ。今まで、電話でメールを出せるのが嬉しかったのは、某知県政策総合研究所に出向していたとき、しょうもない会議で暇つぶしに下を向いてこっそりとメールを出したりしていた時くらいですな。

て事で、そもそも僕はiモードの存在意義自体、かなり疑問を抱いているのだけど、それでもまあ、使っている人がかなりいるようなので、それなりの存在意義はあるのかな、とは思う。
しかし、それを固定電話でやるとなると、もう、これは、無茶苦茶意味がないぞ。一体誰が、わざわざ固定電話で電子メールを出したり情報検索したりすると想定しているのだろう。普通の家庭では、固定電話は机の上には無いだろうから、廊下か部屋の片隅の固定電話の前にしゃがみ込み、或いは立ちつくして、携帯電話よりは大きいとは言うものの、たった十数個のキーを使って打ちにくい文字を入力して、画面も携帯電話よりは大きいとは言うものの、パソコンに比べればほとんど役立たずの貧弱な画面で、いったい何を見ると言うのだろう。
NTTはパソコンを使えない高齢者とかを対象にしているような感じでもあるのだけど、高齢者が固定電話でインターネットするかあ?そう言えば、やはりパソコンを持っていない人を対象として、テレビでインターネットができるというインターネットテレビも一時期売り出されていたけど、ほとんど完全に市場から無視されたまま消えてしまったのかなあ。あれは、もう少し普及するかなあと思ったのだけど。テレビですらインターネットしないのに、固定電話でするかなあ。

って事で、最初から呆れていたLモードなんだけど、サービスが開始されて半年が経った昨年末の時点で、加入者は全国で5万人だったらしい。僕は、こなな完全に無意味なサービスを騙されて買った人が全国で5万人もいるのか、ってびっくりしたのだけど、なんとNTTは初年度の目標を100万件以上としていたらしく、弱っているらしい。呆れ返る目標設定だわなあ。NTTとしては、分社化により携帯電話がドコモに行っちゃって、残った固定電話サービスが減少に転じているので、それをなんとか挽回したいって事なんだろうけど、いくらそうでも、不毛なサービスを提供しようとしても無理があるわなあ。「Lモードの便利さがまだ認知されていない」って分析しているらしいけど、Lモードの便利さって、あるのか?

(2002.1.18)



〜おしまい〜





独り言のメニューへ