アフガニスタン復興支援国際会議に思う

〜 がんばれ緒方さん! 〜



アフガニスタン復興支援国際会議が日本で開催された。アフガニスタン情勢が一段落したばかりの素早いタイミングで、こなな重要な国際会議が日本で開催されたことは、ちょっと驚きだ。

世界でも1,2を争うほど外交がトロい日本はこれまで、飲み会に遅れて来たのに、きっちりワリカン要員にされる奴のように、主導権は欧米に握られたまま、訳も分からず右往左往しているうちに、なんだか巨額の請求書だけ押しつけられるっていうパターンだった。湾岸戦争の時なんて、なんと1兆円ものお金を出さされたくせにクェートからはお礼の一言ももらえなかったっていう惨めな外交失敗をした。(これに関しては、イラクを応援したくなったほど腹が立ちましたが)
ま、日本の外務省なんて、人間のカスのような連中が巣くっている所だから、仕方ないんだけどね。歴代の外務大臣にしたって奴隷外交の売国奴である河野洋平なんかを典型とする外交音痴ぞろいだし。
しかし、そのようなカスはカスなりに、さすがにこれではいかんと思ったのか、今回は力が入っていたようだ。スローガンは「日米主導」ということで「テロとの直接的な戦いはアメリカが担い、戦後復興は日本が主導する」という路線を選び、アメリカが軍事行動を続ける中、いち早く復興会議開催を提唱したのだった。どうせ毎度のようにトロトロしてたって最後には請求書が回ってくるんだから、それなら先手を打って主導権を取ろうという作戦だ。これに対し「日本をうまく巻き込んで金だけは出させる」と考えるアメリカは内諾し、とりあえず日米共同歩調路線で会議を進めることとなり、首尾良く日本で会議の開催となったものだ。
外務省としては、過去にも(ロシアのように)現在も(アメリカ等)直接はアフガニスタンに手を出してないし、中国のようにインドとの対立関係からパキスタンと緊密だというような変なしがらみも無く、極めて中立的だという点が認められた、と自画自賛しているようだけど、何のことはない、それは今まで何の外交もやってこなかった事の裏返しだから、自慢するようなもんとはちゃうぞ。
おまけに、本当は、復興支援の援助を主眼とするのではなく、復興の筋書きを作り、国際社会が新政権を後押しする政治的な機会としたかったのだが、昨年12月にボンで合意が得られて暫定政権が発足してしまったため、今回はお金の話がメインになってしまった。ま、それくらいは仕方ないよね。

ところで、日米は利害が一致して主導権を取ろうとしたけど、外交にたけた各国が大人しく着いてくる訳がない。あちこちで不協和音が聞こえてくる。
例えば、拠出金の額だ。日本は議長国のメンツもあり、最初の年に2.5億ドル、2年半で5億ドルを出すと打ち出した。アメリカも対抗するかのように最初の年に3億ドル近くを出すことを表明した。これに対し、EUは最初の年に5億ドルを出すほか、ドイツやイギリス等も個別でかなりの額を出す。で、お互いが「自分こそが最大の援助国だ」と言い合っている。年限が違うし、直接の比較にならないのだけど、各国とも自分が最大だと言えるように数字を細工している。ま、各国が日米主導に反発した結果、競い合うように多額の援助を打ち出したのは、それはそれなりに成功とも言えよう。全部合わせて1年目が18億ドル、総額では45億ドルというのは予想外の額だ。
これら大国だけでなく、周辺各国もかなり無理している。石油成金のサウジアラビアは3年間で2.2億ドルを出すし、石油が出るとは言え平均的な国民所得は決して高くないイランも5年間で5.6億ドルを出す。パキスタンはかなり貧乏な上、難民流入などで経費も手間もかかっているけど5年間で1億ドルを出す。
ここでふざけているのは中国だ。たった100万ドルだ。個人の寄付じゃないぞ。13億人の国だぞ。桁がちょっと違い過ぎるぞ。そんなん偉そうに言うなよ。ま、臆面もなく厚顔無恥にせり出してくるのが中華人民だけどな。だいたい、中国という国は、日本から今だに巨額の援助をもらい続けながら、一方で自分の子分になりそうな国に軍事援助をしたりしている。援助をもらっている国が援助をするな!こななふざけた対応を許してきたのが河野洋平に代表される歴代の奴隷外交だったのだ!
それから、100万ドルの金すら出せないロシアは、要員派遣や研修生の受け入れでごまかしている。ま、アフガニスタンに関してはスネに傷持つロシアだから、ここはちょっと控え目でいいか。
とにかく、巨額の援助が固まった事により、この会議は成功と言えよう。

しかし一方、国民としては、日本が出すこの5億ドルをどうやってひねり出すんだ、という点が気になる。カンボジアでは資金面でも人員面でも多額の援助をしたが、アフガニスタンは遠くて、あんまりなじみが無いし。さすがに不況で税収が減少している状況なので、新たな財政支出をする余裕はなく、既定のODA予算の枠内でやり繰りするらしいからちょっとは安心であるが、相変わらず日本は身の丈不相応な巨額のODAを継続しているから喜んではいられない。外務省としては軍事力の無さを援助でカバーする方針を堅持するのであろうが。
まあ、そうは言っても、たかが5億ドルではある。つまり、6〜700億円だ。2兆円近い債務を抱えるダイエーに対して銀行が数千億円を支援する話に比べれば安いぞ。うちの会社にしたって、発電所を1つ作るだけで数千億円もかかる。それに比べれば、5億ドルなんて安いものだ。そもそも、今後数年間総額45億ドル、つまり6千億円程度で国が復興するものなのでしょうか?日本なら瀬戸大橋もかからない金額。そんなもので、あそこまで徹底的に破壊された国が、どこまで復興するのかなあ。まあ、物価が極端に安いから、かなり相当すごい事ができるのでしょうけど。

ところで、僕としては、今回の会議開催に当たって強烈な印象が残ったのは、会議を取り仕切った緒方貞子議長だ。すごいねえ、この人。圧倒的な存在感がある。この人が言えば、世界中から集まった海千山千が静かに耳を傾ける。人を出し抜くことしか考えていない外交のプロ達が緒方さんには素直に敬意を表する。自分の利害しか考えずに好き勝手言い放題の連中をうまくまとめていく。すごいなあ、ほんとに。国連の事務総長に次ぐランクである難民高等弁務官として培った人脈、経験、信頼は絶大だ。
外務省が何と言おうが、この人が居たからこそ日本で会議を開催することができたと言える。この人が居なかったら成功はしなかったろうし、そもそも日本で開催するなんて同意も得られなかっただろう。それに、この人は会議前にちゃんとアフガニスタンやイラン、パキスタンなどを廻ってきている。同時期に何の懸案事項も無いヨーロッパお気楽旅行に出かけていた田中外相とはえらい違い。(言っておきますが、私は田中外相を応援しています。無恥無能で百害あって一利無しの外務官僚どもを徹底的に叩くため、私は田中外相を最後まで応援し続けますよ!今回のお気楽旅行も、外相をおとしめるための浅薄な外務官僚の陰謀だと思います。それに乗らざるを得なかった外相も情けないですが)

それに引き替え、外務省のトロさは目に余るものがあった。相次ぐ不祥事や田中外相との確執しか話題を提供できなかった外務省としては、久しぶりの成果を披露できる機会だったのに、直前になって一部のNGOの参加を拒否して話題を提供してしまった。
言っておきますが、私はNGOが大嫌いで、ああいう自分勝手で自己中心的で無責任で言いたい放題やりたい放題のヒステリー集団は、全く同じ体質のマスコミ連中と一緒に、全員、北方領土へ島流しにして強制労働させてやりたいのが本音だけど、だからと言って、NGOと喧嘩してわざわざ自分の評判を下げるようなことをするタイミングではないでしょう。そんな事をすればNGOと結託しているマスコミの反応は分かり切っているのだから、開催直前というタイミングで、わざわざ事を荒げるというのはバカです。売れれば良いという商業第一主義の自己中心マスコミどもは、何でもいいから政府のやる事に難癖を付けるスキを狙っている。そんな事も想像できない外務省って、知能指数がバカ低い?おまけにマスコミから批判されると、手のひらを返したように、すぐ一転して参加を認めたりしている。アホか。本当に低脳集団。
従来から政治家にはこのようなアホが多い。僕も例えば中国政府や中国マスコミは大嫌いで、本当に腹が立つことが多い。韓国にしても同じ。しかし、彼らは、日本の政治家と違って感情的になって日本を批判したり無茶な要求をしている訳ではない。国内的な効果や外交的な駆け引きで吹っかけてきているのだ。それなのにバカみたいに感情的に反発する政治家の放言により、事態は悪化する。本心では腹が立っても、表面では適当にあしらっておけばいいのに。そんなにいちいち感情的に腹立てていたら、サラリーマンはやってられないぞ!(なーんて。ほな、僕はどうなの〜?)
しかし、アホな田舎政治家はいいとしても、外交が仕事の外務省が子供じみた喧嘩するなんて、アホの神髄を見た気になります。田中外相も怒りまくっていた。もしかして、田中外相を怒らすためにわざとやったのか?或いは中国なんかに奴隷外交するストレスをNGOにぶつけたのか?
どっちにしても、緒方さんが一人いれば、外務省なんて即刻廃止した方がええですね。日本人総バカ計画で国を滅ぼそうとしている文部省と一緒にゴミ焼き場送りですな。


ところで、会議の内容と直接は関係ないけど、この会議で来日中のアフガニスタンのカルザイ首相が乗った車が事故にあった。随行していたアフガニスタン人3人は軽いけがをしたけど、カルザイ首相自身に怪我は無かったから良かった。
ただ、この事故もちょっと面白い。と言うのは、カルザイ首相を乗せたハイヤーはパトカーに前後をはさまれて走っていた。先導するパトカーの前を走っていた一般車が急停車したためパトカーも急停止し、首相が乗ったハイヤーも減速した。ところが、それに後続の覆面パトカーが追突したのだ。一般車が急停車した理由はなんであれ、日本の道路交通法では、追突した方が100%悪い。前を走る車がどんなに急停車しようが、それに対応して止まれるだけの車間距離をあけて走らなければならない。だからパトカーが急停車したのは当たり前。それを見て減速したハイヤーも当たり前。それなのに、それに突っ込んだ覆面パトカーって、一体なに?どこを見てんの?パトカーが覆面だからって、運転している警官の意識も覆面だったの?おマヌケな奴。


(2002.1.24)



〜おしまい〜





独り言のメニューへ