原子力問題を考える

〜 理解して貰えない苛立ち 〜



東京電力による原子力発電所の部品のトラブル隠蔽事件は、社長、会長、相談役など歴代首脳が総退陣するという、とんでもない事態に発展した。ここまでは予想しなかった僕は、今回の公表を東京電力の陰謀かと推理したが、間違っていたかもしれない。

東京電力と言えば、悔しいけれど、田舎者の四国電力なんかに比べればはるかにモラールは高かっただけに、一体なぜこのような隠蔽をしたのか、という素朴な疑問はわいてくる。もちろん、この一斉退陣を見る限り、やはり潔い企業だなあとは思う。もっと悪質な積極的悪事を行った日本ハムや三井物産の首脳の未練がましさに比べれば、はるかに潔い。
しかし、それはそれとして、なぜ、そもそも、このような隠蔽が行われたのかを冷静に考えてみたい。


原子力に携わる人たちの心意気

世の中の事が全く理解できてない浅薄で自己中心的で独善的なマスコミの大バカ野郎どもには理解できないだろうが、原子力部門で働く人たちのプライドと公共性は極めて高い。彼らは日本ハムや三井物産で悪事を働いた人とは全く違い、「社会のために働いているんだ」という意識を強く持っている。会社のために働いているのではなく、社会に対して電気という極めて重要なサービスを安定して送り届けるという使命感に燃えているのだ。その点、僕のような事務屋とは全く違う。僕らは、会社のためどころか、自分の給料のためだけに働いているのであり、良い転職の口があれば会社なんて傾いてもいいし、停電になって社会が困っても構わない。でも、原子力部門の人たちは違うぞ。
そもそも原子力部門の人たちは非常に優秀だ。今は知らないけど、僕が新入社員で原子力部に配属された頃は、原子力部門の技術屋さんは、技術系で入社した人の中でも、特に優秀な人が集められていた。(僕は事務屋なので関係ありません) 原子力は非常に高度な技術なので、そもそも優秀な人でないと理解できないし、また非常に高度な分野なので、優秀な人にとっては面白い分野であった。大学で原子力工学を専攻する人は、優秀でなければ無理だったし、また実際、優秀な人ばかりだった。(原子力のイメージが悪化している現在は知りませんが)
僕が日本の原子力発電所が極めて安全だと思うのは、これら非常に優秀な人たちは、全く不安感もなく働いているからである。これだけ優秀な人たちが全く危険性を感じていないんだから、絶対に安全だと思える。

頭の悪いマスコミどもは「会社のため、原子力産業のために、危険性を顧みず原子力開発を進めている」なんてトンチンカンな非難をするが、とんでもない。原子力部門の人たちは、最先端の技術が社会の役に立つから、その充実感と面白さによって原子力に携わっているのだ。だって、そもそも原子力発電所を作ろうが火力発電所を作ろうが、給料に変わりがある訳でもないし、自分の利益のためにやっているはずが無いじゃないの。石油や石炭を単に燃やしているんじゃなくて、アインシュタインが発見した「物質がエネルギーに変わる」という夢のような世界を現実にし、それを社会に役立てるという、本当に壮大な素晴らしい事業が原子力開発なのだ。自分が理解できないというだけの理由で原子力を否定する頭の悪いマスコミに口出しする資格はない。


なぜ隠蔽したのか

それでは、なぜ、今回のような隠蔽が行われたのか。
これは、簡単な理由だ。そもそも、事象としては取るに足りないレベルのものが多いので、わざわざ公表する必要性なんて感じないのだ。 「安全上何ら問題が無いのだから、少々の傷や不具合なら表に出さない方が良い。ヘタに公表すると、バカなマスコミが大騒ぎしてしまう」という意識だ。当たり前だ。
そもそも原子力部門は極めて専門性が高い世界で、彼らからすれば、「公表したところでバカな役人やマスコミに理解できるはずがない。原子力を扱うことができるのはわれわれしかいない」というプライドがある。日本の原子力開発の初期からずうっと、原子力技術者達は、「自分たちの問題は自分たちだけで解決する」という信念で技術開発を推進してきた。これが原子力開発の発展の原動力であったし、技術的には今や世界をリードしてきたと言える。


自衛隊に通じるもの

さて、このように社会的使命感とプライドが高い原子力部門の人たちは、バカなマスコミの攻撃と、それに先導された多くの無知な一般市民と、さらにそれに迎合して自分たちの地位保全に汲々としている役人どもに対してどう思っているのだろう。普通なら、いい加減に嫌になるよなあ。「社会のために一生懸命やっているのに、なんで根も葉もない非難ばっかりされるんやっ!」って。
この信条は自衛隊に共通するものである。自衛隊は、言うまでもなく日本を守る人たちである。何も自分の私利私欲のためにやっているのではない。国民を守るために存在するのである。それなのに、中国や朝鮮の手先となって政府を攻撃する社民党や、それのシンパである売国奴マスコミによって、ボロボロに叩かれ続けている。
これは、たまらんわなあ。いざ中国とか朝鮮とかが攻めてきたら、売国奴マスコミや社民党を最前線に送り出して人間の盾にしたいくらいだけど、それは無理だから、嫌々ながら国民と一緒に守ってやらなければならない。

(話は変わるが、小泉首相が北朝鮮を訪問しようという時に、相変わらず北朝鮮の不審船が日本海をウロチョロしている。この国の意図って、本当に理解できないけど、とにかく自衛隊は役立たずの海上保安庁を横目に不審船の監視を続けていた。それに対して朝日新聞は「領海を侵犯した訳でもないのだから、監視する必要は無い」なんていう信じられない記事を書いていた。これは、朝日新聞が社民党と同様に、中国・朝鮮の手先の売国奴だからなんだけど、それにしてもひどすぎる。何をするか分からない北朝鮮の不審船に対して、あまりにも甘い発想だ。奴らは何をするか、本当に予想できない。いきなりテロを起こす可能性が高いのだ。それを常に監視するのは、危機管理として常識であり、逆に、もし監視してない時に攻撃されたら、バカマスコミは「危機管理がなっていない」って非難するに決まっている。テポドンが日本の上を通過して太平洋まで飛んでいった時、身にしみて分かっているはずなんだけどなあ。)

原子力も自衛隊と同じだ。日本にとって絶対に必要なのに、マスコミがよってたかってつぶそうとする。どう考えても国を潰そうとしているとしか思えない。奴らの本質は無政府主義者なのか。電気という現代社会で最も重要なインフラサービスを安定供給するために頑張っているのに、好き勝手非難するんなら、頭の悪いマスコミなんかには電気を供給しない、っていう選択が可能だったらいいのだけど。


どうするべきか

これまでも、あちこちでこのような趣旨のことを訴え続けている僕だけど、マスコミの頭の悪さは救いがたく、あいつらは絶対に理解できないらしい。それに踊らされる無知な一般市民も救いようがない。役人どもは、単に自分の自己保身だけが目的だから、まともに相手にする気力も沸かないが。
さて、このような絶望的な状況の中で、一体どうすればいいのか。いくら訴えても理解してくれないのだったら、やはり、それはそれなりに対応しなければならない。
その1つの方法が、どんな下らない出来事でも公表するというものだ。
四国電力では、かつて、本当に些細なトラブルについては、ちゃんと原因を突き止めてから公表する、なんて事をしていた。だって、そもそも公表する必要もないような事だけど、一応、公表するに当たっては、取りあえず原因もはっきりしてからの方が良いと思ったからだ。ところが、それでは公表が遅い、なんてバカマスコミに非難され、それに迎合する役人からも非難され、もういい加減うっとうしくなって、今では、どんな些細なくだらん事でもすぐに公表するという事にしている。
つい先日も伊方発電所の配管から水が漏れた、というトラブルを発表した。東京電力の事件の直後だったから、このくだらないトラブルも全国ニュースになったけど、これなんて、ほんと、信じられない些細な出来事なのよ。漏れた水の量は牛乳瓶1本くらいの量だし、その水というのは温泉の湯と同じ程度の放射能しかない。温泉の水が牛乳瓶1本くらい漏れただけの話だ。こななんでも公表せんといかんのか?っていう疑問がわいてくるが、あとからキチガイマスコミに大騒ぎされるくらいならマシっていうもんです。
それにしても、こんな事するなんて、社会的に考えて、ものすごい無駄だよなあ。ばからし。

(2002.9.7)



〜おしまい〜





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