君は聖書を読んだことがあるか?

〜 あまりにも幼稚な本 〜



みなさんは聖書って読んだことありますか?
僕は昔から、少し気になっていました。
日本ではあまり一般的な本ではないけど、なんと言っても世界中で一番数多く出版されている本だし、海外の文学や歌詞などにはとても頻繁に聖書の引用や関連した話題が出てくるけど、聖書自体を知らないと意味不明な事が多く、一度、聖書を読んでおこうと思ってはいました。

でも、ホテルの部屋なんかに置いてある聖書をパラパラっと見たところ、ちょっと読む気が起こらない。字が小さいうえに、言葉づかいがやたら古くさくて、ぜーんぜん面白そうじゃない。
で、本物の聖書を読む代わりに、「聖書物語」とかなんとかいうタイトルで書かれている子供向けの簡易版を一度読もうと思ってました。ところが、怠慢な私は、それすら結局、今まで読まずに生きてきたのです。
ところが、先日、小学1年生の娘が学校から、普通の「聖書物語」よりも、さらにはるかに簡単な低学年向けの本を借りてきたのです。漢字もロクに使われてないような簡易版です。これならあっという間に読める、と思った私は、娘から本を借りて一気に読みました。ま、ざっと1時間くらいです。内容は、旧約聖書じゃなくて、キリスト以後の事を書いた新約聖書です。

で、地理関係や人間関係などが分かり、今まで気になりながらも意味がよく分からなかった英語の歌詞などの意味が初めて分かり、とってもスッキリしました。
しかし、聖書の中身はどうだったのか、と聞かれると、正直言って、呆れました。聖書って、もっとありがたい話かと思っていたのです。道徳を説くような。あるいは、仏教典のように、人間としてあるべき姿を説くような。
ところが、そういう説得力のあるような教えじゃなくて、あまりに安易でいい加減な内容だったので呆れました。キリストが悟りを開いてありがたい教えを広めていった、て言うだけなら釈迦と同じようなもんだからええんですけど、水を葡萄酒に変えたとか、魚が大漁になったとか、病気の人を治したとか、死んでしまった人を生き返らせたとか、ありえない奇跡ばっかり起こして、それによって民衆を信じさせたという話で、あまりに嘘で塗り固められているので、呆れかえりました。
そして、民衆に説くのは、倫理や道徳ではなく、単に「キリスト教を信じなさい」というだけ。「信じれば奇跡が起こって救われる」というだけ。本当に素晴らしい教えで民衆の心を掴んだというのなら分かるけど、奇跡を起こして信じさせた、っていうのは、あまりにも安易で下らない。そんなん嘘ばっかりやんか。
あー、あほらし。まるで新興宗教と同じだ。

と思ったのですが、よくよく考えてみれば、これは子供用だったからかもしれません。子供相手に、人間のあるべき姿を説いたって分かんないだろうから、分かりやすい奇跡の話ばかりに偏っていたのかもしれません。本当は、もっとありがたい話が書いてあるのかもしれません。誰か知っている人いませんか?

ただ、そうだったとしても、奇跡の話は大人用の聖書にも書いてあるんだよね。そんなバカげた奇跡の話を西洋人は信じているのだろうか。まさか、今どき、本気で信じている人は少ないような気もするけど、アメリカでは、州によっては、今でも進化論を否定して、全ての生物は神が創造したっていう内容を教育しているくらいだから、案外、本気で信じている人が結構いるのかもしれない。

(2002.9.15)



〜おしまい〜





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