アメリカはイラクを攻撃するのか?

〜 あまりにも身勝手な国 〜



アメリカがイラク攻撃の準備を着々と進めている。
もう信じられない。こんな身勝手な事が通用するのだろうか。
もちろん、僕もイラクは嫌いだ。北朝鮮やイスラエルほどではないが、決して好きな国ではない。しかし、何もしてない国を、嫌いというだけで訳もなく攻撃していいのか?

前回の湾岸戦争は一応、大義名分があった。イラクがクウェートを侵略したからだ。これは言い訳のしようがないわな。イラクとしては「元々自国の一部だったクウェートを再併合しただけだ」なんて嘘っぱちを言ってたけど、これは通用しないわな。
ただし、当時のクウェートは、どうだったか、と言うと、女性の参政権は無いし、自分たちは石油成金で遊んでばっかりで、働いているのはパレスチナ人を始めとする奴隷同然の外国人ばかり、というような状況だった。これを考えると、個人的にはクウェートには同情はしない。巨悪が小悪を侵略したようなもので、どっちもどっちだからだ。当時、パレスチナ人がイラクを支持したのは、クウェートでのパレスチナ人の身分が不当に虐げられていたのと、自分たちだけが石油成金で遊んでばっかりのクウェートやサウジアラビアと違ってイラクはイスラエルに敵対してくれているからだ。こういう事情を考えると、一概にイラクだけが悪いとは言えない。もちろんフセインは自分の権力維持だけのために国民に犠牲を強いているひどい奴だが、結果的に見て、じゃあイラクがクウェートやサウジアラビアより悪いのかと言えば、そうは一概に言えないのだ。ついでに言えば、1兆円もの資金を提供した日本に対して礼の一言も言わなかったクウェートなんて、イラクに占領された方がいいくらいだ。

それでも前回のイラクは攻められても文句は言えないわな。自分から攻めて行ったんやから。
しかし、今回は違う。イラクは何もしていない。アメリカの言い分によると、核兵器や生物兵器を作っているのが悪いとのことだ。もちろん、核兵器や生物兵器を作るのは好ましい事ではないが、それなら世界中で一番好ましくない国はアメリカということになる。自分とこは何を作ってもいいけど、他の国が作るのは許せないってことだ。ま、これは当たり前か。他の国が作ってしまったら自分の優位性が低下するからなあ。しかし、自分勝手なことに変わりはない。自分はどんな兵器でも作っていいけど、他の国は作るな、というのは通用せんぞ
もちろん、イラクという国が、何をするか分からないトンデモナイ国だから困る、というのは理解できる。でも、それじゃあ中国はどうだ?中国だって何をしでかすか分からないトンデモナイ国だぞ。その中国は核兵器をしこたま作っているんだぞ。おまけに、その中国の脅威にさらされる日本は、なんと今だに中国に対してODA援助をしているんだぞ。これだけ貿易で痛い目にあい、また核兵器の脅威にさらされながら援助を続ける日本って、一体なんなんだ?ますます外務省を解体したくなる。

話がそれた。
とにかく、いくらイラクというトンデモナイ国が相手とは言え、「ある国に潜在的な問題があるというだけで軍事力を行使してよい」いうことになれば国際秩序も合法性もあったもんじゃない。むちゃくちゃになるぞ。アメリカだけじゃなく、ロシアも中国も、覇権を狙うあらゆる国家の指導者にとって非常においしい概念になってしまう。て言うか、長い歴史の中で、実際に、ありとあらゆる覇権国家が同じような概念で他国を侵略し続けてきたんじゃないか。
これは、明らかな国際法違反だ。侵略戦争と全く同じだ。国際法上、戦争が認められるのは正当防衛か国連の安保理が決めた場合だけだ。
超大国がアメリカだけになってしまったとは言え、こんな身勝手な事をしていると、アメリカに対するテロ行為は永遠に無くならないだろう。

(2002.9.23)



〜おしまい〜





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