西友の大盤振る舞い

〜 みんな北海道に集合だ! 〜



信じられないぞ!わたしゃ、新聞を読んでいて目を疑ったぞ。
なんと北海道のスーパー西友元町店(札幌市東区)が、外国産の肉を国産と偽って販売した事に対するお詫びとして、買ってしまった人に返金するというのだけど、「レシートも何も無くても、自己申告でだけで返金する」なんて言ったもんだから、ものすごい人が殺到して大混乱になってしまった

そもそもの発端は、同店が昨年9月から1年間にわたり、カナダ産の豚ロースと米国産の牛タンを国内産と偽って表示して販売した詐欺だが、この間に実際に販売した「国産豚ロース」と「国産牛タン」の売り上げは計1380万円で、このうち偽装肉の販売額は94万円だった。すなわち、本当に詐欺をしたのは94万円分にすぎない。ただ、買った人にはどれが偽物でどれが本物だったかも分かんないから、取りあえず本物も偽物も区別なく、「国産豚ロース」と「国産牛タン」を買った人には返金することになったので、対象は1380万円だった。

ところが、西友の甘い見通しを裏切って、ものすごい数の人が殺到した。当初予定では9月27日〜10月6日の返金期間を設定していたんだけど、28日昼ごろから返金を求める人の動きに変化が出始め、若者が携帯電話で連絡を取り合いながら店に現れ始めた。29日になると、午前9時の開店前から店の前に多くの人が列をつくった。西友は他店舗から社員50人を動員して対応にあたったけど、大混雑したため、北海道警に警備を要請し、通常よりも3時間早い午後6時には店を閉めた。それでも、閉店後も返金を求めて約500人が店内に残り、対応に午後11時ごろまでかかった。
結局、それまでの27〜29日の3日間で1548人に返金したんだけど、返金の対象になる1380万円の3倍以上の4928万円を返してしまったので、返金は29日で打ち切ったうえ、30日は「混乱が近隣などに迷惑をかけている」として臨時休業した。しかし、それじゃあ収まらず、30日の午前9時半ごろには若者ら100人以上が店の前に殺到した。 従業員が「返金額が売上額を上回ったので返金を中止した」と説明したけど、集まった人から「早い者勝ちなのか」と怒号が飛び、従業員出入り口に押し掛けて返金を求める人もいた。道警はパトカーを出動させて警戒にあたったけど、女性が転倒して救急車で運ばれたり、店に入ろうとした19歳の少年2人が警備員に暴行した容疑で逮捕されるなど、混乱は夜まで続いた。

まあ、しかし、これ、どう思います?
こら、西友が一方的に悪いわなあ。「レシートも何も無くても自己申告で返金する」だなんて言えば、そら誰でもかれでも殺到するわなあ。もっぱらヤンキーの兄ちゃんが悪いように言われているが、兄ちゃんに限らず、おばはんもおっさんもじいさんもばあさんもギャルも、そら殺到するわなあ。僕だったら毎日行くぞ。一日のうちでも、何度も行くぞ、服装を変えて変装してでも行くぞ。
返金の求めに対して、一応は従業員が「店に週に何回来ているのか」とか「どれくらい肉を買っているのか」などを確認作業をしたらしいけど、「週に3回焼き肉をしている」とか「1回に2万〜3万円買い物している」などと答えた人がいたという。それで通用するんやったら、何でも言うわなあ。言うた者勝ちやもんな。北朝鮮の嘘以上やなあ。どんなに嘘くさくても反論でけんわなあ。証拠ないもんなあ。証拠不要なんやもんなあ。実際に10万円の返金を受けた人もいるという。すごいなあ。僕も行きたいなあ。
西友は「誠意を見せようと、レシート不要の代金返却に踏み切った」というけど、甘すぎるぞ。「誠意」が「悪意」を呼び込んでしまった。西友は「肉を買っているとは思えない人が殺到した。当社の偽装問題が発端とはいえ、常識を越えている」なんて言っているけど、そら、あんたの常識が間違っている。そなな事したら無関係の人が殺到するくらい常識やで。

だいたい、一連の牛肉不正問題は、全く同じ構造だ。おバカな農水省が、国産牛肉は無条件で買い取り処分します、なんて言ったもんだから雪印や日本ハムが何でもかんでも国産肉と偽って買い取らせた訳だけど、今回の西友の事件も、無条件で返金します、って言ったから、何でもかんでも返金要求されたんやんか。立場が入れ替わっているだけで、全く同じ構造だ。

それから、そもそもの根元的な問題は、消費者なんてブランドだけで買っているんだから、どれが本物でどれが偽物かの区別もつきはしない、ってことだ。事件が明るみになるまで、誰も文句を言っていない。「国産肉を買ったのに味がおかしい」なんて訴えた人は皆無だ。肉に限らず食品全てに共通する問題だ。消費者なんて味も分からずにブランドだけで買っているのだ。だからこそ偽ブランドになるのだ。そななバカな悪習をやめれば詐欺も無くなるんだ。こういう不正が明るみになると目をつり上げてヒステリックにわめき立てる消費者団体こそが、根元的な問題なんだ。

でも、北海度に行きたい。

(2002.10.3)



〜おしまい〜





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