恐るべき少年犯罪

〜 厳罰化を望む! 〜



普通では考えられないような少年犯罪事件が2つ連続して起きた。
1つは沖縄で中学2年生が仲間のリンチで殺された事件であり、もう1つは長崎で起こった中学1年生による男児殺害事件だ。

このうち、沖縄の事件は、最初は、不良同士の仲間割れ事件であり、あまり同情するようなもんではないな、なんて思ってたけど、不良グループの中では、被害者は、いじめられ役だったようで、金を巻き上げられたりしていたようなので、ちょっと可哀想に思えてきた。加害者は徹底的に罰せなければならない。
ただし、中学生どもが、死ぬまで殴るなんて、まるで暴力団まがいのリンチをするってのは、かなり異例な事件だが、過去に全く無かったわけではなく、かろうじて起こりうる事件とも思えなくもない。

しかし、人を一人殺したのは同じでも、沖縄の事件に比べて、長崎の事件は、はるかに衝撃度が大きい。なんてったって、被害者が、完全に何の落ち度も罪もない幼児であり、加害者は、よくある変態大人じゃなくて、中学1年生だからだ。
この事件の特異性については、ここぞとばかりに犯罪心理学者なんかが稼ぎまくろうと、わんさか出てきて、好きな事を言いたい放題しゃべくりまくるだろうから、任せておくとして、僕が言いたいのは、少年犯罪に対する処罰の問題だ。

近年の凶悪犯罪の低年齢化に対応して少年法が改正され、以前は少年法の保護対象だった14〜15歳の少年が、成人と同様な手続きで罰することができるようになっている。しかし、それでも14歳未満は児童福祉法に守られて、刑法が及ばないのだ。ていうか、刑法で刑事責任を問えるのが14歳以上だから、刑法そのものを変えなければ、14歳未満の少年は罰することが出来ないのだ。14歳未満だと、罰するのではなく、犯人も保護するのだ。おかしいよなあ。
今回の犯人の少年は、補導されて児童相談所を経由して家裁に送られ、少年審判を受けるが、おそらく児童自立支援施設へ入所することになるだろう。一般の自立支援施設には壁もないし、外出も自由だ。非行が重大な場合、全国に2カ所しかない外出禁止の施設に移送されることもあるが、そこの収容期間は、たった180日に限定されている。つまり、大人だったら死刑になるような犯罪を犯しているのに、この少年は、14歳未満というだけの理由で、半年もすれば町中を自由に歩けるようになるのだ。あまりにも安易な法体系だ。
刑法を変えるのが大変だからという理由で放ったらかしにするのは、立法府の怠慢以外のなにものでもない。ここは、刑罰対象年齢の引き下げなどの厳罰化論が再熱する事を期待したい。これは精神障害者の刑事責任の問題と同じだ。

しかし、こういう問題が起きると、非武装中立無責任社民党と根っこを同じにする人権派と称するイカサマ弁護士などから反対の声が強くあがる。奴らは人権はと称するが、被害者の人権を無視して加害者の人権擁護にばかり夢中なのだ。一体なぜなんだろう?これは本当に理解できない不思議だ。

もちろん、冷静に考えても、「凶悪事件を起こす少年に厳罰化の抑止効果は期待できない」との意見に一理が無いことはない。
殺人や傷害致死事件を起こした少年に関する最高裁の調査では、大半の非行少年はいじめられた体験があり、特に単独犯の少年は事件直前に深い挫折感を抱いていたほか、7割が自殺未遂の経験か自殺願望が見られた。すなわち、刑罰を恐れて思いとどまる冷静な心理状態ではなかったかもしれない。これが、厳罰化に反対する立場の1つの理由とされている。

しかし、よく考えてよ。仮に厳罰化による抑止効果が無いから、厳罰しなくていいのか?そういうもんではないだろう?抑止効果がなければ何をしても罰せられないって、そんなん、あり?
今回も、さっそくイカサマ弁護士の1人が新聞で意見を述べていた。
「補導された少年は、おそらく自分が何をしたか、世間がどう受け止めるか、まったく分からないまま事件を起こしたと思う。結果の重大さと少年の未熟さの間に深い溝がある。処罰することで問題は解決しない。少年法を改正して厳罰化を進めたが、犯罪の予防効果が生じているとは思えない。加害者の子と両親を責め立てて、溜飲を下げてどうなるのだろうか」
こなな事を言うイカサマ弁護士(この人は、いかにも社民党っぽいオバチャン弁護士ですが)は、この事件の被害者の遺族の「犯人が中学生ということで刑事事件として罰が科せられないということは頭の中ではわかっていますが、心が煮えくりかえり、中学生といえども極刑に処してもらいたい心境です」というコメントに対しても、同じ事を言うのだろうか。面と向かって言えるのだろうか。単に、離れたところで、評論家として無責任にしゃべくりまくっているだけでしょう?

そもそも、このイカサマ弁護士が言うほど少年は幼いのだろうか?自分が何をしたか分からないのだろうか?世間がどう受け止めるのか分からないのだろうか?自分が中学生の頃を思い出せばすぐ分かる事だが、頭の中は、そんなに幼くはないぞ。結構、危ない事を考えているぞ。もし、本当に分からないのなら、それはものすごく危険人物だぞ。それは罰としてではなく、社会の保護のために、この犯人は隔離すべきだ。
それから、犯人の少年が、少年法を知っていたかどうかが重要なポイントとなろう。「14歳未満であれば逮捕されることはないし、罪も問われない」ということを知ったうえで起こした犯罪であれば、極めて質が悪いが、その可能性は十分ある。
また、今回の事件で犯人の少年がどんな処遇を受けるか、全国の犯罪少年予備軍達が見つめているはずだ。甘い処分になれば「子供だと、何やっても、せいぜいこんなもんなんだ」と安心して犯罪に走るだろう。

ところで、余談だが、イカサマ弁護士と同様に破廉恥な大バカ新聞どもは、犯人の少年が警察に補導された時、友人らが居る所で連行した事について、批判的に書いている。一体なぜ、このような凶悪犯の人権を守る必要があるんだ!?
どうして、いつまで経っても、被害者でなく、加害者の人権ばかり訴えるのだ?
加害者の人権なんて、考慮する必要はあるのか?

今回の事件の遺族の「このような事件で加害者が保護され、被害者が苦しむことのないよう、少年法が改正されることを願います」という言葉を聞いて、イカサマ弁護士や破廉恥マスコミは、どう反論するのか?

と、ここまで書いたところで、とんでもないニュースが入ってきた。鴻池祥肇防災担当相が記者会見で、結構すごい事を言ったらしい。
「おてんとさんに申し訳ないとか、ご先祖さんに申し訳ないとか、両親が悲しむとか、喜ぶとか、そういう教育をみんな受けていない。勧善懲悪の思想が戦後教育に欠けている。厳しい罰則をつくるべきだ。
棺を出しているところをテレビに映すのに、どうして加害者の親を映さないのか。加害者が少年法で罪にならないなら、保護者である親が顔を出すべきだ。嘆き悲しむ被害者の家族だけでなく、犯罪者の親もテレビなどで映すべきだ。日本中の親が自覚するために、担任教師や親も全部出てくるべきだ。
加害者の親なんか市中引き回しのうえ打ち首にすればいいんだと語った。
すごいなあ。ここまで言うんだ。さすがは自民党の代議士だ。呆れながらも、今回は感心する。もちろん、僕も含めて、こう思っている人は全国に多いだろう。もしかしたら、多数派かもしれない。しかし、大臣ともあろう者が、それを堂々と言うところが、常識はずれで、すごい。
当然、すぐに批判されて、「お騒がせした。これからは『打ち首』は使わない。刑法でできないことは分かっている」なんて釈明しているが、そういう問題ではない。現行法では「打ち首」ができないから謝まれ、と言っているのではないぞ。そういう問題ではない、って事すら分かってないところが、これまた、すごい。すごすぎる。
鴻池大臣は、青少年犯罪やフリーターなど青少年問題に取り組む政府の「青少年育成推進本部」の副本部長でもあり、その立場を考えると、厳罰化賛成派にとっては、かなり心強い配員だが、ここまで言っちゃうと、反発が出て、かえって逆効果かも。

しかし、当然ながら破廉恥マスコミは、この発言に対して批判しているが、「加害者の親への配慮を全く欠いた発言で問題になりそうだ」なんて記事は、素直には賛成できかねる。被害者側の人権じゃなくて、なんで犯人側の人権ばかり問題にするのか?

(2003.7.11)



〜おしまい〜





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