道路公団総裁の解任

〜 石原バカ大臣の醜態 〜


日本道路公団の藤井総裁の解任を巡って、とんだドタバタ劇になっている。
藤井総裁は、解任された場合は処分の無効確認を求めて行政訴訟を起こすらしいし、さらに石原国土交通相や安倍自民党幹事長を名誉棄損で提訴することを検討している。
道路公団の改革をめぐり、当初は諸悪の根元のように言われていた藤井総裁だったが、解任のやり方が強引すぎて批判を浴びだしてからは、逆に同情的な声も聞かれ始めている。

 最初に、僕の立場を断っておかなければならないが、僕は公共投資そのものは、決して不要とは思っていない。財政再建は非常に重要な緊急を要する課題ではあるが、今の不況にあっては、ここはしばらく財政再建をおいといて、公共投資で景気を回復させなければならない。なぜなら、史上空前の低金利にありながらも民間の設備投資が進まない超デフレ状況にあっては、有り余る預貯金を回して経済を活性化させるには公共投資以外に何もないからだ。いくら低金利でも民間企業が金を借りない状況で、政府も一緒になって緊縮財政を取れば、むやみに銀行に金が余るだけで、その金が全然有効活用されず、経済はどんどん衰退していく一方だ。だから、今は、多少無理してでも金を使って経済を回さなければならない。

× ただし、どうせ使うんなら、無駄な使い方は止めて欲しい。浅はかな役人のやる事を見ていると、余りにも無駄な投資が多い。どうせ使うのなら、みんなの役に立つような使い方をして欲しい。ほとんど誰も使わないような立派な農道や漁港を整備するのは、土建業者にとっては意味が無いことはないが、それは土建業者に対する生活保護と全く同じになってしまい、波及効果が無さすぎる。どうせ作るのなら、もっと役に立つ施設を作らなくっちゃ

 なんて言うと、都会の自己中心的な連中は、かならず「サルしか通らないような地方の高速道路を作るのは止めて、もっと都市部の道路を整備して欲しい」なんて言う。しかし、これは違う。何が違うかと言えば、何を目指しているかが違う。僕は、あくまでも均衡の取れた国土開発が望ましいと考えており、そのためには、「使う人が少ない地方には道路は作らない」と言うのではなく、「道路を作って経済を活性化させ人口の流入を図る」のがあるべき姿だと思う。そうなれば、人口が多すぎて身動きが取れない大都市部から地方へ人口が移動し、どちらもほどよい状態になるからだ。高速道路は農道や漁港とは違って多くの人が活用できるものなのだ。

× てな事を言っていると、道路公団、すなわち藤井総裁の肩を持つようだが、それはまた違う。何が違うかと言えば、地方での道路建設は進めて欲しいが、道路公団のような無駄なやり方は止めて欲しいのだ。彼らには、コスト感覚がまるで無いから、ものすごく金の無駄遣いをしている。同じ金を使えば、もっといっぱい作ることができて、今頃は四国の高速道路網だって、もっと整備されていただろう。また、公団職員が天下るファミリー企業を儲けさせるために、無駄遣いが行われており、そういう体質を改めなければ、公団自体が破綻するってのは目に見えているから、今のやり方は大きく変えなければならない。その意味で、古い体質の権化のような藤井総裁には止めてもらった方が良いと思う。

 しかし、今度の藤井総裁のしぶとさに辟易しているかと言えば、そうでもない。なぜかと言えば、今回の問題がこじれたのは、ひとえに、石原のバカ息子が何も考えずにヒステリックな対応を取ったからだ。石原の父親(都知事)も大バカ者だが、父親の方はバカはバカでも確信犯的に考えた上でのバカさ加減だが、このバカ息子は本当に頭が悪い。小さな子供と同じだ。何も考えていない。何も考えられない知能だ。まあ、見るからに頭は悪そうだけど、ちょっとひどすぎる。
新しい国土交通相に任命されて有頂天になり、藤井総裁を辞めさせるのが初仕事だと考え、何も考えず、ただ闇雲に「あんた、辞めてくれ」ってわめくだけだったから、こんなにこじれちゃったのだ。
さらに石原のバカ息子は、藤井総裁の豪腕ぶりを強調しようと、テレビで「藤井氏が不正に絡む政治家をイニシャルで漏らした」などと暴露したけど、それがかえって野党に攻撃材料を与え、藤井氏側の反撃にも使われている。


一体なぜ藤井総裁は、ここまで激しく抵抗しているのだろうか?素直に自主的に辞職すれば退職金を2600万円もらえるのに、抵抗して解任されると無くなってしまう。今までにしこたま稼いでいるから、それはあんまり大きな問題では無いのかもしれないけど、しかし、解任に対して法廷闘争するとなれば多大なエネルギーも必要となる。
これは、ひとえに、頭が空っぽで、父親の七光りだけで大臣になった石原のバカ息子に解任されるなんて、建設省で事務次官にまで上り詰めた高級官僚のプライドが許さないのだろう。今まで付き合ってきた政治家といえば、大物ばかりだっただろうから、何の実力も無い石原のバカ息子に解任されるなんて、自分のこれまでの全人生を否定されるようなものだろう。

解任の理由としては、 「財務諸表問題で適切な対応を怠り、公団に対する国民の信頼を失った」と言うのは、まだ意味は分かるが、「自己の居場所を秘書以外に知らせず、長としての職責を誠実に遂行していない」から「公団総裁としての適格性を欠いている」なんていうのに至っては、もう無理矢理こじつけたような理由であり、常識的に受け入れられる理由ではないぞ。こなな理由で解任されていたら、誰でもみんな解任されちゃうぞ。(まあ、役人の天下りなんて、みんな辞めさせちゃってもいいんだけど)
藤井総裁の弁護士は、解任理由について「根拠がすべて抽象的だ。人事権の乱用である」と批判しているけど、全くその通りだ。どう考えても、あななこじつけ理由で解任なんてできる訳ないじゃないの。誰がどう見ても、単なる政治的なパフォーマンスであり、「選挙の道具に利用した処分は人権侵害」という批判は正しい。
さらに、石原のバカ息子がテレビで悪口を言ったことや、これまたバカ息子の安倍幹事長が街頭演説で「藤井総裁はうそばっかりついている」などと話したことについて「明白な名誉棄損行為。名誉棄損で告訴や、損害賠償請求を検討している」としてることも、当然だろう。

衆院選に合わせて藤井更迭のシナリオを練った首相も、石原バカ息子が解任手続きに手間取っていることに加え、選挙にも影響しかねないウラ話を暴露しただけに困っているが、そもそも小泉首相は、人気取りだけで石原のバカ息子を大臣にしたんだから、全く自業自得だわな。基本的に小泉首相を評価する僕だけど、こういう人事は情けないわな。

上の方で書いたように、道路建設には理解を持つ建設推進派の僕だけど、今の道路公団の体質は改善しなければならないので、藤井総裁のような古い人間には辞めてもらった方がよろしい。でも、そのやり方としては、無理矢理、理由をこじつけて解任するんじゃなく、別に悪い事をしたからではないけれど、これからの時代には新しい運営方法が必要なので、若い人にバトンダッチして欲しいから、そろそろ辞めてくれないか、と説得するべきだったのだ。

(2003.10.25)



〜おしまい〜





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