日本シリーズ

〜 ダイエーには負けたけど 〜


あーあ、阪神タイガース、負けちゃいました。日本シリーズで。
まあ、予想通りなんだけど。

予想通りなんて言うと「タイガースファンのくせに、何を言っとんじゃ!」なんて言われるかもしれない。だけど、今年の阪神タイガースの快進撃にも関わらず、この17年間の低迷を見ていた長年の阪神ファンとしては、浮かれることなく、あくまでも冷静に分析をしてしまう。冷静に見れば、やはりダイエーの圧倒的な戦力の前には、阪神不利っていう不安が強かった。実際、予想通り、1、2戦と連敗してしまい、早くも悲観的ムードが強くなり、1勝でもしてくれたらええんやけど、なんて思ったりした。ところが、なんと、今期、8割近い勝率を上げた甲子園では3連勝してしまい、もしかして優勝するかも、なんて夢を一瞬見てしまった。しかし、やっぱり不思議な魔力があるのは甲子園だけで、ビジターで出てしまうと、そなな魔力は無いわけで、やっぱり惨敗してしまった。

甲子園での3連勝だって、ヒットの数ではダイエーに負けたりしながらも、なんだかうまいこと勝った、って感じ。あれだけランナーを背負いながら、なんとかダイエーの追加点を食い止めている踏ん張りが勝利を呼び込んだのであって、単にラッキーの積み重ねとの見方だって出来なくはない。甲子園の3連勝は接戦で、なんだかうまいこといったから結果的に勝ったけど、逆に福岡での4敗は、誰がどう見ても完敗ぞ。第1戦だけは接戦だったけど、それも結果を見れば接戦なだけで、実際の試合は、どう見ても勝てそうな気配は無かった。やっぱりダイエーに比べれば阪神は弱かったということだ。厳然たる事実だ。それに、日本シリーズなんて出たことない阪神の選手は、みんなガチガチになってたもんなあ。しょうがないよなあ。

しかし、僕が言いたいのは、「阪神はダイエーより弱かった」なんて事ではない。そなな事ではない。
そんなん、ええやん。日本一になれなかった事は、確かにガッカリはしているけど、怒る気持はさらさら無い。だって、この17年間の事を思えば、日本シリーズに出るだけで、もう十分やないか。毎年毎年最下位街道まっしぐらだったチームを、わずか2年でリーグ優勝に導いた星野監督の手腕には感謝感激はしても、怒るなんて気持は無い。
確かに、第6戦で、なんでムーアやなくて、最近、ボロボロの伊良部を先発させたのか、とか、采配に疑問も無いではないが、そなな事、この1年間の快進撃に比べれば、どうでもええやないの。リーグ優勝の感激に比べたら、仮に日本シリーズで勝ったところで、大した事はないぞ。負け惜しみやけど。
(ところで、伊良部に関しては、来期の契約で揉めているらしい。そうでなくても高額の報酬をもらっているのに、今期の優勝に貢献したとのことで、大幅増額を要求しているらしい。今年はFA権を獲得するので、伊良部は強気で臨んでおり、阪神との契約がまとまらなければ、他球団への移籍も濃厚だ。ところが、今シーズンの活躍を見てみると、確かに前半戦は大活躍だったが、後半はかなり調子を落としていた。しかも、最後の日本シリーズでは、2回登板して、どっちもボロボロだった。これじゃあ、他球団の獲得意欲も萎えるだろうし、そうなれば、阪神球団も伊良部との交渉に強気で出ることができる。てな訳で、伊良部が打ちのめされて来期の契約が有利に運ぶように、わざと第6戦で先発させたのではないか、なんていう陰謀説も出てくる。出てくる、ったって、僕が今、思いついただけなんだけど、しかし、星野監督の事だから、そなな理由で伊良部を第6戦に先発させたんじゃないだろうな)

18年ぶりのリーグ優勝に加え、一気に日本一なら、そら、ものすごく満足だっただろうけど、世の中、そななうまいこといくとは限らんもんな。前回の優勝の時は、圧倒的な打力で一気に日本一にまでなったけど、今年の戦い方は違ってたもんなあ。
星野監督は、「選手に感謝したい。阪神に来て誇りに思う。あのチームが147試合まで戦って日本一に王手までかけた。4敗したからと言って評価が変わるわけやない。選手、コーチ、裏方、みんなに感謝したい」って言ってたけど、これはこれで、本音だろうし、阪神ファンもみんなそう思っているだろう。

ただ、星野監督とすれば、結局、日本一には一度もならないまま辞めてしまうのは気の毒だ。日本一になれなかった悔しさから、星野監督が辞任を思い直して来期も監督を続けてくれる、なんていう展開になったら嬉しかったんだけど、予定通り、引退を発表してしまった。本当に、もう精神的に続かなくなったのかなあ。寂しいなあ。岡田じゃなあ。来期は厳しいだろうなあ。

(2003.10.28)



〜おしまい〜





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