衆議院選挙結果

〜 これからが本番だ! 〜


久しぶりの衆議院選挙が終わった。学生時代は選挙の時はNHKで開票速報のバイトをしてたくらい選挙フェチの僕は、久しぶりにワクワクしながら結果を待った。
今回の目玉は、自由党と合併して政権遂行能力を一気にアップした民主党と、それに対抗すべく小泉と安倍の2枚看板を前面に押し出した自民党の争いである。

結果は、「どっちもそこそこ」って感じだ。中途半端な結果ではあるが、現実的な結果とも言えよう。
民主党は、解散時の137議席を大幅に上回る177議席を取ったほか、比例代表では第一党となったんだから、躍進と言ってもいいだろう。ただ、まだまだ足腰が弱い、と言うか、「政権を取る」なんて言いながら、公認候補者を立てられなかった選挙区がいっぱいあるようでは、最初から、せいぜい善戦で終わるしかなかったと言えよう。しかし、次回の選挙までこの勢いが続き、今回は候補者を立てられなかった地域や、急ごしらえの候補者で戦った地域で足腰を鍛えれば、次こそは政権を取ることも夢ではないだろう。

一方、自民党は、しぶとく続く小泉人気の慣性により、前回獲得議席を上回る勝利を収めた。当初公認候補だけでは単独過半数にはかろうじて届かなかったが、追加公認を入れれば単独過半数を確保した。さらに議席を増やした公明党を加えれば、絶対安定多数を確保したんだから、誰がなんと言おうと、間違いなく勝利であろう。小泉本人を始めとする執行部は、あわよくば地滑り的大勝利を期待していた時期もあったため、選挙結果には今いち素直に喜べないって感じだが、それは贅沢と言うものだ。

民主党は、比例代表で自民党に勝ちながら、なぜ小選挙区では自民党に負けたのか。それは簡単だ。だって候補者すら立てていない選挙区があるんだから。或いは、候補者難からか、昔、自民党から出て落選しているうちに、いつの間にか民主党に鞍替えしたような保守系の候補者を立てたりもしている。これじゃあ、せっかくのフレッシュなイメージとかけ離れすぎている。足腰を強化し、もっとまともな候補者を立てなければ政権は取れないだろう。

今回の選挙結果を総括すれば、「小選挙区制の特徴がようやく顕著に現れてきた」と言うことだ。小選挙区制は過半数の支持を得た政党が全議席を取れる可能性があるため、少数意見を代表する弱小政党は消えていく運命にある。今回、共産党社民党が激減したのは、この制度のもとではやむを得ないことだ。
昔の社会党の時代から、非武装中立とか言ったような、あまりに非現実的な戯言を吐いていた自己中心型独善政党の社民党なんかが消え去るのは、嬉しい反面、なんだか寂しさも禁じ得ない。土井のおばちゃんも、阪神タイガースファンなんだから、悪い人ではないはずなんだけどなあ。意地を張らずに民主党に入ればいいのに。
(ただし、保守新党が消えかかっているのは、こういう小選挙区制の問題ではなく、単に、あっちへ行ったりこっちへ来たりの、何の信念も無いコウモリ野郎の寄せ集めの集団が息絶えようとしているだけだ)

その一方で不思議なのは公明党の議席増だ。これは1つには、悪天候による投票率の低さのおかげだろう。2つめは、自民党との選挙協力により、小選挙区候補は自民党に入れる代わりに比例代表候補は公明党に入れてもらう、という作戦が功を奏したものだろう。いずれの理由も、強固な組織を誇る団体ゆえの作戦勝ちだろう。それにしても、公明党はすっかり自民党と二人三脚になっちゃったなあ。

ところで四国では、今回も自民党が圧倒的な強さを発揮し、小選挙区で民主党が取ったのは徳島1区のみで、香川、愛媛、高知は自民党が全議席を独占した。香川県は、昔、社会党の成田委員長が出ていた頃は、知事も市長も革新系で、革新王国って雰囲気だったのに、いつのまにか、どっぷり自民党になっちゃった。しかも、その自民党の候補者って、みんながみんな、世襲候補ばっかり。比例代表で当選した人も含めて、4人全員が息子か娘婿だ。もう、うんざりですね。
徳島は、逆に、保守系の知事が逮捕されたりして、今は自民党に逆風が吹いており、1区で民主党が勝っただけでなく、2区でも民主党が善戦し、比例代表で復活当選した。高知も、もともと革新系が強い土地柄で、小選挙区では自民党が全勝したが、比例代表で民主党が1人復活当選した。一方、愛媛県は香川以上に自民党が強く、4選挙区ともに、民主党の候補者が取った得票数は、なんと自民党の3/1〜1/2に過ぎない。これじゃあ、今後も、自民党独占の壁を崩すのは極めて難しいだろう。

民主党が比例代表で自民党に勝ったのは、北海道、関東、東海、近畿ブロックであり、一方、中国、四国、九州では自民党が強さを発揮しているから、このままいけば、そのうち自民党は西日本の地域政党になってしまうかも。そうなれば、都市部に比べて衰退の一途をたどる地方としては、何が何でも地域の発展のため予算をぶんどってくる自民党を応援せざるを得なくなるかも。

そのほか、話題の候補を見ていくと、元自民党幹事長の加藤紘一氏も、前外務大臣の田中真紀子氏も圧勝した。加藤氏の場合は、自民党も対立候補を立てておらず、当選後は自民党への復党が確実だろうから、圧勝も予想通りだが、自民党の現職がいる田中氏は、そなな事情は吹き飛ばしての圧勝だ。やはり地元では絶大な人気があるんだろう。地元でなくても人気あるか。
逆に、山崎拓副総裁は落ちましたなあ。彼の女性スキャンダルに関しては、僕はあんまり知らないので、なんでそこまで嫌われて叩かれているのか分からないんだけど、大変、人気が無いみたいですねえ。よっぽどエッチな事をしていたんでしょうか。それでも、もし彼が四国から出てるんだったら、当選したような気がするから、西日本とは言え、福岡では民主党も強かったということか。もうこれで政治生命もおしまい、との意見もあるが、議員同士の不倫と言う、前代未聞の画期的なスキャンダルで前回の衆院選で落選した船田元氏が今回、復活当選したくらいだから、可能性も無くはないか。
それから、僕が大嫌いな2世候補では、石原のバカ三男が落選した。ほんとに良かった良かった。あわよくばバカ長男も一緒に落選してくれれば良かったんだけど、さすがにそれは無理か。て言うか、三男だって、かなりきわどい落選だったから、危なかったぞ。東京都民も、決して野党シンパって訳ではなく、単なるミーハーが多いって事ですね。
一方、民主党の菅代表のバカ息子も岡山で落選した。民主党は嫌いではないし、菅代表も決して嫌いではないが、バカ息子を出すのは止めてもらいたい。それなりに実力があるんならまだしも、あななバカ息子を人前に出すのは止めてほしい。

さて、今後の政局だけど、結局は、与党対野党という観点からは、現有勢力とあんまり変わらない状況なので、何事も無かったかのような展開が続くだろう。しかし、来年の参議院選挙では、選挙制度の違いもあり、もしかしたら民主党が第一党になる可能性がある。そうなれば政局も大きく動く可能性がある。まさに、これからが本番だ。
社会党の残党をいっぱい抱え込んで政権運営能力が欠如して危なっかしかった民主党が、小沢一郎率いる自由党と合併して一気に現実的な政党となった。なにも、どうしても民主党に政権を取ってもらいたい訳でもないけど、小沢一郎と菅が組む政権なんて、想像しただけでワクワクするじゃないか。
政治オタクの僕としては、政局が動けば動くほど楽しいな。

(2003.11.10)



〜おしまい〜





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