酒を飲んで脳梗塞を減らそう

〜 でも出血性脳卒中は増えるのよ 〜



日本酒で換算すると1日平均1合未満、ビールで換算すると大瓶1本未満くらいの酒を飲む習慣がある中年男性は、「時々飲む」人に比べ、脳梗塞の発症率が4割少ないことが、厚生労働省研究班の調査でわかった。

これって、画期的にすごい大発見だ!「ビール大瓶1本未満くらいの酒を飲む習慣がある中年男性」なんて、どう考えても、僕の事を念頭に置いた調査としか思えない。(な訳ないか)
しかし、1年365日中363日は酒を飲んでおり、しかも、その量は、家で飲むときは、せいぜい1日に缶ビール2缶程度なので、まさに僕にぴったりの条件だ。そして、その飲酒のおかげで脳梗塞にかかりにくいだなんて、こんな
うまい話があっていいものかっ!

この調査は、
研究班は1990年に岩手、長野など4県で生活習慣アンケートに答えた40〜59歳(当時)の人のうち、男性約2万人を対象にしたもので、その後、脳卒中を発症したかどうかや、死亡した場合の原因を11年間追跡調査したものだ。
その結果、脳の血管が詰まる脳梗塞についてみると、習慣的に飲酒している人(週1〜2日から毎日まで)の場合、1日の平均飲酒量が1合未満の3410人は、時々飲む(月1〜3回程度)2133人に比べ、発症率が0.61倍にとどまった。1合を超えている人でも、時々飲む人とほとんど変わらなかった。
この類の調査で、2万人もの人を、しかも11年間も追跡調査したものなんて、前代未聞の大調査ではないだろうか。ほんと、気の長い、すごい調査だ。これだけサンプル数が多ければ、調査の信頼性も極めて高いと思われる。

いやあ、前々から酒を飲むと脳も体も柔らかくなるような気がしてたんだよ。いやあ、ほんまだった訳だね。はっはっは。でも、1合以上飲んでいると、その効果も無くなり、時々しか飲まない人と同じになっちゃう、ってのが不思議だけど。
ま、いずれにしても、僕くらいの適量だと、毎日飲んだ方がいいんだ。わっはっは。
いやあ、実は、いくら少量とはいえ、毎日飲んでいると健康に悪いかなあ、なんて心配してましてね。健康診断なんかを受けると、週に1〜2日は酒を飲まない休肝日にしましょう、なんてよく言われて、その時は「はあ、そうですね。やっぱり毎日飲むのは体に悪いから、肝臓を休ませるために、飲まない日は必要ですね」なんて思うのだが、夜になると無性に酒が欲しくなって、まるでアル中状態になってしまう。でも、アル中と決定的に違うのは、少量で満足できるのと、朝っぱらから飲みたくなるわけではないことだ。えっへん。
でも、まあ、いやあ、良かったヨカッタ。

って喜んでいたのだが、よく読むと、続きがあった。脳梗塞は少なくなるんだけど、逆に、脳内やクモ膜下で血管が破れる出血性脳卒中の発症は、1日1合未満しか飲まない人でも、時々飲む人に比べて1.83倍も多くなるらしい。もちろん、1合を超えている人は、さらに多くなっている。アルコールには血液を固まりにくくさせる性質があるので、脳梗塞は減らしてくれるんだけど、逆に出血性脳卒中を増やすと考えられる。

なんのこっちゃ!?
結局、脳梗塞と出血性脳卒中を合わせた全脳卒中の発症率は、習慣的に飲む人の場合、1日1合未満であれば、時々飲む人とほぼ差がない。1日3合以上になると、出血性脳卒中の増加が脳梗塞の減少を上回り、時々飲む人の1.64倍になっている。
やっぱりうまい話は無かった!

ううむ。そらそうやわな。
ただし、同じ追跡調査では、がんなども含む全死亡率と飲酒の関係も調べている。それによると、習慣的に飲酒していても1日平均1合未満の人が死亡率が最低だった
こうなると、またまた自身が沸いてくるが、しかし、まあ、これは調査を十分に吟味しなければ解釈が間違う可能性がある。普通、病気をしている人は酒を慎むだろうから、体が悪い人は酒を飲んでいない可能性が高い。でも、体が悪い人は、酒を控えていても早く死ぬ可能性がある。つまり、「体が悪いために酒を飲んでいなかったけど、早く死んでしまった」っていう人が多ければ、「酒を飲まない人は、少し飲む人より早く死ぬ」なんていう結果になるかもしれない。

ま、しかし、総合的に見れば、少なくとも、少量であれば習慣的飲酒が体に特に悪いわけではなさそうだ。
でも、マラソンの直後にカップ酒を5本も飲むのは止めましょうね!

(2004.6.8)



〜おしまい〜





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