辻元さんの復活

〜 ちょっと早すぎるか? 〜



国から支給された政策秘書の給与をだまし取ったというスキャンダルで国会議員を辞職し、その後、逮捕までされて政界から去っていた辻元清美元代議士が、この夏に行われる参議院選挙で大阪選挙区から立候補するらしい

僕はもともと辻本さんの逮捕は大いに疑問だった
僕は社民党は大嫌いだけど、辻本さんの存在意義は認めていた。もっと言えば、社民党は大嫌いだけど、社民党自体の存在意義は否定できない。
社民党は、社会党以来の伝統として、全く無責任な自己中心的な理論を振り回すだけなので、その独善的ヒステリー行動は大嫌いだけど、彼らは私利私欲じゃなくて、世の中を良くしていこうという理想によって行動している点が共感できる。もちろん、いくら信念は純粋でも、現実として無茶苦茶な事ばかり吠えているので、迷惑千万なんだけど、基本的に自分の私利私欲のために行動している自民党に対する牽制勢力として存在は必要だと思う。
そして、その中でも、辻元さんは、なかなか元気があって、こういう人がいると、自民党の腹黒政治家達も、少しは行動を慎むようになるんではないか、なんて期待していたので、政策秘書の給与問題なんかで議員を辞めたのは惜しかった。惜しいだけじゃなく、その後、逮捕までされちゃったのは、いくらなんでもあんまりだ、と思う。こら絶対に陰謀だぞ。
政策秘書の給与を国からだまし取った、なんて言い方をするけど、何も私腹を肥やすためじゃなくて、事務所全体でやり繰りしていただけの話だ。自民党の議員なら、ほとんどの議員がもっと悪い事をやっているのではないか。こんな事で逮捕するのなら、大半の自民党議員が逮捕されちゃうんじゃないか?

てな事で、辻本さんに対しては非常に同情的な私ですが、ただし、今度の参議院選挙で早くも立候補するなんて、ちょっと早いなあって印象を受けます。別に、辞める必要も無かったんだから、立候補してもいいんだけど、僅か1年で復活ってのが、ちょっと早すぎる印象です。
さすがに社民党内にも「執行猶予中であり、有権者の理解を得られない」という意見があり、社民党を離党して無所属で出馬する見通しだ。ただし、それは形式的な話であり、社民党党と新社会党などが勝手連的な支援体制を組む見通しだ。
それでも、当選すればいいけど、これで落選したら、それこそ再起不能になっちゃうよ。もちろん、小選挙区制の衆議院より定員3人の参議院大阪選挙区の方が当選しやすいのかもしれないけど。でも、ここは公明党と共産党の現職がいるうえ、自民党と民主党からも当然、立候補があるはずだから、かなり厳しい選挙区だ。


まあ、しかし、どうも最近、ほんのささいな事で政治家を追求する風潮が強すぎると思う。もちろん、本当に悪い事をしたのに居直っている奴らは許せないが、全くどうでもいいような過去の些末な事を大袈裟に取り上げて追求するのは時間の浪費じゃないか。

最近の事で言えば、民主党の岡田新代表が、かつて通産官僚時代に親族会社の役員を兼職していた事が国家公務員法違反だとして追求されている問題だ。本人の説明によると、これは事実らしいが、その会社というのは、両親が設立した不動産管理会社であり、普通の会社とは違う。しかも、無報酬で取締役を兼務していただけなので、どう考えても、親に頼まれて単に名前を連ねていただけだろう。確かに、国家公務員法では、報酬の有無にかかわらず、公務員による企業役員などの兼務を禁止しているので、法律違反だが、そんなん騒ぎ立てるほどの犯罪か?彼は法律に違反しているとは知らずに引き受けていたらしく、国家公務員の兼職禁止規定を知って辞任したというから、これは本当だろう。
自民党の安倍幹事長は、「岡田氏は小泉首相に対し、厚生年金に加入当時の会社勤務の実態を巡って、会社員のあり方として間違っていると追及したが、岡田氏こそ公務員のあり方を間違っていた」と追求している。安部幹事長も、かつては大いに期待してたのだけど、最近、むやみにバカな事ばかり言うので、本当にがっかりだが、こななバカみたいな事で騒ぎ立てるのは止めて欲しい。

ただし、安部幹事長が言うように、もとはと言えば、岡田代表が悪い。小泉首相が何十年も前に会社員という建前で給料をもらっていたことを、今になってしつこく追求したりするからだ。本当にどうでもいい過去の下らない話だ。こんな事を追求していたから自分の過去も追求されるようになるんだ。全然、別の件とはいえ、自業自得状態だ。

さらに、もとをたどれば、年金問題だ。最初に年金未納がバレた3閣僚などは、国会議員になってからの未納だし、つい最近まで未納だった人も多いので、これはうっかりミスでは済まされない根本的な政治家としての資質の問題だが、民主党の菅代表なんかは、大昔の話であり、しかも同情できる事情だったから、辞める必要なんて無かったと思う。それなのに辞めざるを得なくなったのは、単に、自分の事も確かめずに他人の事ばかり追求していたからだ。
同じように、岡田代表は、小泉首相の予備校時代の年金未納までバカみたいに批判していたため、今度は自分が矢面に立たされているのだ。全くもってバカみたいな展開だ。

もう、こういう大昔の些末な事で揚げ足取りをするのは止めようではないか。年金問題にしたって、すごく重要な問題だったのに、未納問題ばかりが大騒ぎになったため、基本的な年金制度改革が中途半端で終わってしまった。非常に残念だ。こんなんじゃあ、政治が良くなるはずがない。こういう時間と資源の無駄遣いは止めようではないか。

(2004.6.10)



〜おしまい〜





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