高熱

〜 暑さには強いぞ 〜



ここんとこ、暑い。非常に暑い。
この暑い中、最近、出張が多くて、今回は名古屋まで行ってきました。

名古屋が、また、暑い。まあ、日本全国、どこへ行っても暑い国で、京都なんか冬はとても寒いのに夏は暑いし、北陸も冬は大雪だけど暑いときはとんでもなく暑いし、北関東だって信じられない暑さになったりするが、名古屋もまた大変暑い。ま、四国も暑いから同じだけど、スーツ着て荷物さげて暑い中歩き回る夏の出張はたいへん
今回の出張も、初日は大変暑かった。夜も暑かった。暑い夜、名古屋名物の手羽先を食べてビールを飲んで、夜の街へドリンク飲みながら消えていく部下Oを見送ってホテルに戻り、阪神が巨人にボロ勝ちの3連勝するのを見てから寝た。

ところが、翌朝、目が覚めると、あんまり暑くない「おやま、今日はあんまり暑くないなあ」なんて思いながら、スーツ姿で歩いても汗が出ない。同行する部下は「今日もほんまに暑いですねえ」なんて言いながら朝から汗まみれだが、「こいつ、汗かきやなあ。今日はそんなに暑くないぞ」なんて思ってた。
訪問先では、先方さんが「暑いですねえ。どうぞ上着はお取り下さい。私も失礼します」なんて言いながら上着を脱ぐ。部下も喜んで上着を脱ぐ。でも僕は、全然暑くない。「そんなに暑いかなあ。エアコンが効いてて、ちょうどいいぞ」って感じ。むしろ、ここで上着を脱いだら涼しくなりすぎ。「みんな、なんかしらんけど、暑がりさんばっかりやなあ」なんて違和感を覚える。
その後、昼食へ連れ立っていくが、その店でカレーフェアをやっており、美味しそうなタイ風カレーがあったので注文する。ところが、これがとんでもなく辛い。辛い物は嫌いではないが、僕は辛い物を食べると、ものすごく汗をかく。頭から水を浴びたように汗をかく。出張途中でこれは失敗だった、と思ったのだけど、意外に汗が少ない。辛いことは辛いが、とんでもない汗はかかない。かなり不思議。
昼食のあとは、別の訪問先へ移動するのだが、相変わらず「暑い、暑い」をロボットのように惰性で連呼する部下を横目に、僕は暑くない。

さすがに、ここまで来ると、「なんで暑くないんだろう」って疑問が大きくなってきた。そして、よくよく考えてみると、なんとなく体がだるい。最初は、これは出張の疲れで体がだるいんだろう、って思っていたけど、これはもしかして、「熱があるんではないか」なんて思ってきた。そうだとすれば、自分が熱が高いから、相対的に外気温が高くても平気になる。うう〜ん。そうかも。
その後も、訪問先では、みんなが「暑い暑い」と連呼する中、涼しい気分で仕事を終えるのだが、熱がある事は確信に変わっていった。だんだん体のだるさが増していったのだ。

仕事が全て終わり、何時間も列車に乗って帰宅するときは、かなり体がしんどくなってきて、家に帰った時は、フラフラになっていた。病気じゃなくても、なかりしんどい行程だったので、もう限界状態。
すぐに熱を測ると39.5度もある。こなな高熱は久しぶりだ。こなな高熱が出ると非常に不安になって、夜でも救急病院へ駆け込みたくなるところだが、今回は平気だ。なぜなら、ほんの3日前の夜に子供が40度近い熱を出したのだ。その時は大いに慌てふためいたが、一晩明けると、コロッと治っていた。その前日にプールへ一緒に行ったので、「もしかしてプール熱かも」なんて思った。そして、数日の差はあるが、今度は僕が熱が出たのだ。
家庭医学百科で調べると、プール熱とは症状が微妙に違う。高熱が出て喉が痛くなるけど、目や鼻は全く症状がないのだ。て言うか、「プール熱は子供しか罹らない」って書いてある。それより、「急な発熱、喉の痛み、ほかの全身状態は良い」ということから、急性扁桃炎ではないか、と勝手に思った。
治すには、「汗をたくさんかくことが必要」なんて書いてある。しかし、この「汗をたくさんかく」というのが、そんなに簡単ではない。とにかく、ものすごく暑い夜なので、既に家ではエアコンが稼働しており、その状態では肌寒い。寝る部屋はエアコンを付けないとしても、それでも全然暑くない。このクソ暑い夜に分厚い布団をかぶって寝て、ようやく少し汗が出てきた。

一晩寝ても、小さい子供のように一晩ですっかり治ったりはしなかったが、それでも1日すれば、だいぶマシになった。しかし、病気がマシになってきた反面、そのため暑くなってきた。て事は、実は、決して楽になったとは言えないのだ。だって、自分の熱が下がって体としては楽になったはずなんだけど、そうなると暑さを感じてくるので、このクソ暑い中では、むしろ、その方が辛いのだ。
なぜ、今回、このようなしょうもない話題で書いたか、と言えば、自分自身で非常に面白かったからです。だって、このクソ暑い中、みんながヒーヒー言いながら歩いているのに、自分だけが涼しい思いをして出張に行けるなんて、熱があった方がラッキーてな感じで、不思議と言うか面白かったのです。病気も悪い事ばかりじゃありませんぜ。

(2004.7.3)



〜おしまい〜





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