プロ野球スト突入
遂に、日本のプロ野球もストライキに突入した。なんだかんだ言っても、最後は、おかしな妥協をしてガッカリさせられるんじゃないかなあ、って、あんまり期待してなかったのだけど、そんな事はなかった。今までは、何かにつけ弱腰だった選手会も、さすがに今回は腰が据わっている。素晴らしい!感動したっ!(って、僕はだあれ?)
そもそも、昨晩の記者会見を見たら、どっちが悪いかは、小学生でも分かるよなあ。
まず最初は、日本プロ野球組織(NPB)側の代表として瀬戸山(ロッテ球団)が発表文を読み上げた。これがひどい。ひどすぎる。事前に用意した文章の棒読みだ。全然、心がこもっていない。そもそも、当初の終了予定である5時を4時間も超過して議論して、ギリギリで決着できずに記者発表となったのに、なんで、こななきちんとした発表文が用意されているのだ?どう考えても、最初から決裂する事を予想して準備していたとしか考えられない。最初から妥協する気は無かったのだ。しかも「誠心誠意交渉した」なんて美辞麗句を並べ立てているが、瀬戸山の顔を見ていると、全く心がこもっていない。完全に口先だけだ。
それに対して、選手会長の古田はどうだ!何も見ずに、自分の言葉だけでしゃべっていたが、きちんと言うべき事は論理立てて言っていた。「たかが選手」が、こうやって書面を見ずに、きちんとしゃべれるのに、経営者側はカンニングペーパーが無ければ物も言えないのか?
古田はすごい。本当にすごい。頭もいいし、態度も立派だ。先週末は、直前の交渉でギリギリのところでストを回避したが、その発表時に、瀬戸山がヘラヘラ笑って古田に握手を求めたが、古田は毅然とした態度で拒否した。この時点で、瀬戸山を始めとする経営者側の腹黒い魂胆は見え見えだった。適当に口先で誤魔化しながら、本音は「絶対に「たかが選手」の言うことなんか聞いてやるもんか」ってことだ。古田にも、それは見えていたが、最後の最後での経営者側の歩み寄りを期待して、ストを1週間のばしたわけだ。でも、腹黒い経営者は、最初から妥協するつもりなんて、全然なかったんだ。
スト突入という自体を招いた責任を取って、コミッショナーは辞任する意向を示している。しかし、そもそも、何の調整能力も無ければ、信念もやる気も無い無能コミッショナーだったから、辞めてくれるのなら大歓迎だ。惜しむらくは、もっと早い段階で辞めてくれれば、もっとマシなコミッショナーになったかもしれな。そうすれば、こなな強引な合併を認めなかったかもしれない。
今回の騒動は、最初は、もしかしたら本当に、純粋に近鉄の経営問題だったかもしれない。しかし、いつの間にか1リーグ制という球界の縮小再編が自己目的化していった。今となっては、何が何でも球団数を減らして強引に1リーグ制に持って行くのが、経営者側の目的となっている。そうでなければ、球団を買収したいという企業が次々と現れているのに、それを門前払いして強引に球団合併に突き進む理由が無い。誰がどう考えても、強引に球団合併して5チームにするより、新しい企業に買ってもらった方が、はるかにスムースにいくはずだ。強引に5チームにしてから、その後で新規加盟を認める、なんてややこしい事をする理由がない。
腹黒い経営者側は「新規加盟の審査には時間がかかるから」との理由で、どうしても来年からの参入を認めない意向だが、時間が無いというのなら、そもそも強引な合併だって、もっと時間をかけて議論しろよなあ。新規加盟の審査と球団合併の議論と、どちらも同じように時間をかけるべきだ。古田は「1年も待っていたら、熱気が冷めて、新規参入で6チームに戻そうというムードが無くなってしまう」と危機感を口にしていたが、まさに経営者側の魂胆は、そこにあるのだろう。今回は適当に口先だけで誤魔化して逃げ切れば、そのうち世間のムードも冷めていき、後はなし崩し的に、さらに球団数を減らして1リーグ制に移行させようというつもりだ。
このような経営者側の陰謀を許してはいけないっ!
実は僕は古田が嫌いだった。なぜかと言えば、阪神タイガースの強敵だから。ヤクルトスワローズが強敵とは思わないが、古田みたいなすごい奴がいると、それだけでタイガースなんて、結構、負けるのよねえ。だから、阪神に勝って欲しい僕としては、古田のような存在は嫌いだった。
しかし、今は、そなな姑息な感情は捨てなければならない。日本プロ野球界の発展を考えると、最後の砦である古田に頑張ってもらうしかない。
がんばれ、古田!お前だけが頼りだっ!
(2004.9.18)
〜おしまい〜
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