怪しい銀行

〜 国政の私物化を許すな 〜



前回、一方で無理矢理に不良歳計処理させるもう一方で無理矢理に税金を取り、そのあげくに銀行を国有化してしまうという、あまりにも矛盾した金融行政を糾弾したが、この問題を、もう少し、しつこく糾弾する。

この矛盾した金融行政は、ひとえに竹中平蔵の陰謀だろう。奴が何を企んでいるのかは定かではないが、少なくとも国益を考えての事ではないだろう。竹中平蔵は、税金を脱税するために日本とアメリカとで頻繁に住民票の移し替えを繰り返しているようセコい男だし、今年の春に問題になったが国民年金も払ってなかった非国民だ。自分の事しか考えてないはずだ。

あるいは、竹中平蔵というより彼のブレーンである木村剛の陰謀だろう。木村剛は、竹中平蔵が設けた金融庁の金融分野緊急対応戦略プロジェクトチームに加わり、経営不振の大企業の整理を進めることで、不良債権問題の早期解決を訴え、その過程で過小資本に陥った銀行は「市場から退場すべし」と主張していた。しかし、その強硬な不良債権処理は結果的にデフレを加速させ、価格が下がった土地などの資産を外資ファンドが買いあさるケースが多いことから、「まるで外資ファンドの手先」といった批判が付きまとっている。

そして、この木村剛が自ら新たな銀行を設立しているのだ。金融行政で強硬路線を主導してメガバンクを震え上がらせた木村が、小さな金融業者らと共に、中小企業専門に融資する銀行を設立しているのだ。

この新しい銀行は日本振興銀行といい、銀行や信用金庫など既存の金融機関から貸し渋りに遭っている中小・ベンチャー企業を対象に、無担保で融資するのが特徴だ。その代わり、貸出金利は普通の銀行より高く設定される。貸し渋りに悩む中小企業にとっては朗報と言えなくもないが、過去の経緯を見ると素直には評価できない
設立の中心となった金融業者は、「前々から中小企業のための銀行をつくってみたいと思っていた。既存の銀行は不良債権問題に忙殺されて、中小企業融資の機能を果たしていない。日本経済の復活のため、借り手本位の金融マーケットの開拓が不可欠だと思う」なんてきれい事をいっているが、そんなんを真に受けては行けない。

彼が経営するのは、消費者金融や一般中小企業に融資を行う、従業員わずか十数人の小さな貸金業だ。普通なら、信用第一であるはずの銀行の設立など、簡単にできるものではない。大銀行が一方で無理矢理に国有化されようとしている時に、消費者金融の小さな貸金業者が銀行なんて設立できる訳がない。なぜ、こんな怪しい業者が銀行を設立できたかと言えば、木村剛のおかげだ。木村剛は、この金融業者からコンサルティングと称して億単位の金をもらい、新銀行の設立に暗躍したのだ。そして木村は自らも新銀行の取締役として参画したのだ。

そして、その後、なんと新銀行は見事に木村剛に乗っ取られてしまった。設立の中心人物であった金融業者は取締役会で一方的に解雇され、彼に近い人物もことごとく解任され、今では取締役会は木村剛の周辺の人間で固められ、いよいよ新銀行の私物化が進んでいる。もちろん、解雇された金融業者は、もともと小さな貸金業を営んでいただけの男であり、新しい銀行をしょって立つような人物ではなかっただろうが、そもそも、そんな男と組んで銀行を立ち上げた木村剛の狙いは何だったんだろうか。

木村剛は、竹中平蔵のブレーンとして「金融再生プログラム」を作成し、「銀行免許認可の迅速化」なる一文を盛り込み、金融庁の方針を大転換させ、新銀行の設立を容易にしたのだ。そもそも、この「金融再生プログラム」は「竹中プラン」として知られ、銀行に厳しい資産査定と引き当ての強化を求めたものだった。このため、銀行界は「自己資本の充実」を迫られ、4大メガバンクは相次いで増資に踏み切ったし、繰り延べ税金資産の全額計上が認められなかったりそな銀行に至っては公的資金が投入され、実質国有化させられたのだ。その一方で、「竹中プラン」には、中小企業の貸し渋りが進む恐れがあるとして、セーフティーネット(安全網)の拡充が盛り込まれ、その具体策として、中小企業向け新銀行を設立しやすくしたのである。

どうでしょう?どうかしら?どう考えても、竹中平蔵、いや、木村剛が自分の利益だけを考えて画策した国政の私物化としか思えませんよね。こんな連中が金融行政を牛耳っているって、許せないぞ。しっかりしろよ小泉!

(2004.12.25)



〜おしまい〜





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