中国残留孤児の連れ子訴訟

〜 退去強制処分取り消しは当然 〜



熊本県在住の中国残留孤児の男性が中国から呼び寄せた妻の連れ子ら7人が、国に退去強制処分の取り消しを求め、福岡高裁で逆転勝訴した訴訟で、政府は最高裁への上告はしないと発表した。これで処分を取り消した高裁判決が確定し、法務省は7人に定住者として在留特別許可を与える方針だ。人道的に考えて、非常にまっとうな判決だ

そもそもの事件は、中国残留孤児の男性が帰国した際に、妻の連れ子たちが実子と偽って相次いで来日したことだ。血縁関係がないことがバレてしまい、退去強制処分が出されたため、処分の取り消しを求めていたのだ。

一審の福岡地裁は「実子と偽って入国したのは違法である」などとして請求を棄却したが、福岡高裁は「連れ子であることをはるかに越える実子同様の密接な家族関係がある」と認めた上で「家族の結合の擁護などを定めた国際人権条約に照らせば、入国申請の際の違法行為を考慮しても、退去強制処分は法相の裁量権を逸脱して違法」と指摘し、逆転勝訴判決を言い渡した。

政府は最高裁に上告する手もあったが、それを断念したため、連れ子たちの日本永住が実現したわけだ。南野法相は「一家の家族愛に心を打たれた。7人は家族と同じ立場で生活してきた人たち。高裁判決の趣旨を踏まえ、人道的な配慮をし、私の裁量で在留を許可するのが相当と考えた」と説明している。もしかして、この法務大臣だったから実現したのかもしれない。このおばさん、苦労人っぽいからな。官僚だけなら最高裁まで上告したかもしれない。高裁の判決が出た後も入国管理局の対応は非常に冷たかったらしいから、たぶん官僚は上告したかったのだろうなあ。
法相も「処分が違法だったとは考えていない」としているが、それは仕方ないと思う。一応、法律上は違法であるため、行政が裁量権で勝手に許可するのは難しいだろう。そなな事をしていれば、法律が意味をなさなくなってしまう。しかし、だからと言って、今回のケースは、どう考えても、退去強制処分はひどすぎる。なので、裁判で処分取り消しの判決が出れば、それに従う。とてもまともな対応だ。

むしろ、批判すべきは立法であろう。高裁も判決文の中で国の中国残留孤児施策の遅れを指摘している。あまりにずさんな制度である。日本が引き起こした戦争によって悲しい運命を歩まされた中国残留孤児に対し、もうちょっと暖かく対応できないものか。私は中国人が嫌いだ。理由は敢えて言わなくても誰でも分かるだろう。今どき「中国人が好きだ」なんて公言する命知らずの日本人はいまい。でも、中国残留孤児は日本人ぞな。いくら中国語しかしゃべれなくても日本人ぞな。そして、その連れ子は完全な中国人だろうけど、それは日本人と見なしてあげてもええやないの。

近年の中国人の不法行為を目の当たりにすると、入国管理が厳しすぎると言うことはない。しかし、留学と偽って不法就労する中国人が何十万人もいる一方で、中国残留孤児が連れてきた連れ子が実子でないからと言って強制退去させることはないでしょう。そんな小さな事で目くじらを立てるヒマがあるんなら、何十万にも不法滞在している不法入国中国人を取り締まれていいではないか。

さらに言えば、人口減少の危機にある日本の将来を考えると、不法ではあっても、ちゃんと就労している中国人なら許していいとも思う。それより極悪非道の悪事を働いている中国人暴力団の取り締まりを徹底して欲しいものだ。

(2005.3.29)



〜おしまい〜





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