イラク誘拐事件

〜 外人部隊の素敵な響き 〜



またまた出ましたっ!イラクでの日本人誘拐事件!
しかーし、今回は去年の3バカトリオのようなんとは訳が違うっ!去年、誘拐されたのは、最初は、あんな危険な地域に何も考えずにフラフラと遊び半分で出かけた独善的で自己中心的な発想の軽率で浅薄ではた迷惑な独りよがりのNPO活動家ら3バカトリオであり、次は、全く主義主張も無く明らかに単なる物見遊山で出かけて行って首を切断されて捨てられた青年だった。

それに比べて、今回は、我々平和ボケした日本人にとっては、通常の発想から大きくはみ出した特殊なケースだ。なんと言っても、彼は武装した傭兵だ。そして、彼はイラクに行く前は、なーんとフランスの外人部隊に所属していた外人部隊だなんて、男なら誰でも、聞いただけでも、血が沸き返るほどワクワクする。(って、しない?)
男なら誰でも、一度はあこがれた職業だよね。(って、違う?)

フランス軍の外国人部隊ってのは、文字通り外国人兵士で構成された特殊部隊であり、フランス陸軍に所属している。1831年に創設されたものだから、随分歴史の古い部隊だ。今どき、こんなのが存在する事自体も凄いが、勇猛果敢な精鋭部隊として知らており、第二次大戦後はインドシナ戦争、アルジェリア戦争なんかのほか、最近では湾岸戦争にも投入されている。なぜ外人部隊が存在するのかと言えば、できるだけ正規のフランス軍、つまりフランス人の戦死者を少なくするためだ。だから、フランス軍が行う戦闘のうち、激しい作戦になればなるほど、外国人部隊は必ず真っ先に投入される。だから勇猛果敢なのは当たり前というか必然だ。フランスがイラク戦争に反対しなければ、イラクにも投入されていただろう。入隊試験は数週間に及ぶ厳しいものだし、競争率は、なんと8倍もの難関だ。希望者多いんだなあ。やっぱり男なら民族を問わず、外人部隊っていう響きにあこがれちゃうんだなあ。(って、違う?単に金目当て?)
とにかく、現在の兵員は約7600人で、うち日本人は、なんと約40人もいる。結構、多いぞ。フランスの外人部隊に日本人が40人もいるなんて、なかなかすごいぞ。

フランスと言えば、アメリカによるイラク侵攻に反対したために、何も分かっていない日本のバカな平和ボケ市民運動家どもはフランスを平和国家だと勘違いしたりするんだけど、自分とこの国民の血を流さずに戦争をするために外人部隊を擁するような国は平和国家とは言えないぞ。フランスは伝統的に平和国家でもなんでもなく、核兵器を所有し、精鋭軍隊を維持する一方で、日本の天敵である中国に武器輸出しようとする、世界でも有数の軍事国家だ。イラク戦争に反対したのは、単にフランスのイラクにおける権益が侵害されるからであり、その点では、同じく戦争好きだけどイラク戦争に反対したロシアや中国と同じだ。もちろん、僕はフランスを批判するつもりは全くない。ロシアや中国も含め、自国の権益を守るために軍事もいとわないのは、国家として最低限の心構えであり、日本の進むべき道でもある。

それはとにかく、今回、誘拐された日本人は1981年1月までの2年間、陸上自衛隊にいた。最後の半年間は空挺団に所属していた。その後、1983年6月にフランス軍外人部隊に入隊し、地中海に浮かぶコルシカ島を拠点とするエリート部隊の第2空てい連隊に配属さたらしい。自衛隊での最後に空挺団で積んだ経験が活かされたのだ。入隊4年後には伍長となり、その後はギアナやタヒチなどに配属され、バルカン半島からアフリカまで世界各地の紛争地を渡り歩き、最後は南仏マルセイユの近くにある司令部で上級特務曹長として働いていた。外国人部隊の中では非常に高い階級らしい。地雷の敷設・除去の専門家や、若手の訓練・教育係としても活躍したし、フランス語が堪能だったことから、日本人の入隊志願者の面接通訳官も務めていたという。
外国人部隊の中で、彼の人柄や仕事ぶりへの評価は極めて高い。兵士として、また人間としても非常に尊敬され、外国人部隊では傑出した人物として有名だった。要するに、経験が豊富な軍事のオールラウンドプレーヤーと言えよう。
こんなすごい日本人がフランスの外人部隊にいるなんて、ほんと、すごいなあ。男なら誰でもあこがれちゃうよねえ。

彼は、このフランス軍外人部隊に21年半も勤めたあと、昨年12月に外人部隊を辞めて、民間軍事会社の傭兵としてイラクへ渡った。なぜ長年慣れ親しんだフランス軍外人部隊を辞めたのかは分かっていない。外国人部隊は徴兵でもなんでもないし、定年も無いので、残るも去るも個人の意思だが、彼の場合は評価が高かったので、辞めたのはあくまでも本人の意思だ。

彼が再就職したのは、民間軍事会社のハート・セキュリティーという会社だ。この会社は、1999年にイギリスの軍事専門家がロンドンに設立したもので、現在はキプロスに本店がある。民間や政府に対して誘拐や海賊行為といったテロリズムへの危機管理を指導する企業で、実態的には民間軍事企業(プライベート・ミリタリー・カンパニー=PMC)だ。
イラクでは、米軍基地を拠点に活動し、イラク軍兵士の採用業務やイラク軍1500人の訓練にかかわっているほか、民間の物資補給会社の危機管理や計画の作成も支援している。イラク移行国民議会選挙の際には、駐留米軍と協力して、安全確保の作戦を一部受け持った。イラク国内には、雇い兵が少なくとも2万人いるとのことだ。多くは、冷戦終結後の軍縮で職を失った元軍人などで、最新の武器を使いこなせる即戦力が重視されるという。アメリカは近年、正規軍の兵士を抱えるコストを削減するため、有事のみに利用する雇い兵やボディーガード的な仕事を民間会社に依存する割合が大きくなっている。紛争地の場合には危険手当がつくので報酬が高く、雇い兵の仕事に就く日本人も最近では珍しくないという。ただ日本の外務省は、このような民間軍事会社で働いている日本人の活動実態などについては把握していない。まあ、宴会するしか能の無い彼らは、なあんにも把握してないんだけどね。

今回誘拐された日本人は、昨年12月以来、イラクでセキュリティー・コンサルタントという肩書きで勤務していた。この会社の給与は、コンサルタント業務で日給約6万〜7万円とのことで、かなりの高級と言えよう。この高給にひきつけられる関係者が後を絶たないらしく、世界中に開設した事務所で人員を募っている。勝手な推測で言えば、彼も高級にひかれたのかもしれない。彼ほどのオールマイティな軍事スペシャリストなら、怖いもの無しだろうし、荒稼ぎできると思ったのかもしれない。
こういうゴルゴサーティーン的な生き方をしている人って、ほんとにあこがれちゃうし、こなな優秀な人が殺されるなんて(まだ生きてるか)、ほんとに残念な事だけど、こういう事件があってこそ、彼のような存在にスポットが当たる。

今回の事件は、イラクが危険な事も考えずにノコノコと出かけていった3バカトリオ事件や殺害された青年の事件と異なり、あくまでも危険を承知で自分の責任で行った戦闘のプロの事件だ。まさしく、今回こそが自己責任の事件だ。日本政府は「イラクへは行くな」としつこく言っているが、彼のようなプロ中のプロの場合、そんな事は百も承知だし、今まで世界各地で転戦してきた戦闘現場の延長であろう。フランス軍の外人部隊に20年以上も所属していたのだから、日本国民という狭い意識すら持ってなかったかもしれない。
日本政府は例によって、想定外の事件が起きたので、バタバタと慌てているが、今回のケースは、放っておいていいのではないだろうか。さすがのバカマスコミどもも、批判できないだろう。だって、どう考えても、今回の事件でマスコミが彼を擁護できる論理は無い。僕は彼の生き方に強いあこがれを感じるし、死んでしまうには非常に惜しい人物だと思う。しかし、だからと言って、日本政府がジタバタして何とかなる事件でもないだろう。僕は彼の立場にあこがれるが、もし僕が彼だったら、日本政府の働きなんて、100%期待しないだろう。日本なんて捨てたようなものだし、それに戦闘のプロとして、役立たずの日本政府の助けを求めるなんて恥ずかしくてプライドが許さないぞ。


ところで、ぜーんぜん関係ないんですが、ついでに、長崎市の公共職業安定所ハローワーク長崎「イラクで働きませんか。基本給は月50万〜60万円」なんていう土木作業員を募集する求人票が公開されていたらしい。仕事の内容と比べると非常な高給なので、5人が応募したが、採用はなかったらしい。もし僕が日雇いの土木仕事で食いつないでいる立場だったら、躊躇無く応募したと思う。なので、ことさら批判する気はない。
しかし、それにしても、外務省が「民間人のイラク入国は絶対に見合わせてほしい」と強調している中で、役所が堂々と求人票を出すなんて、一体、この感覚はどうしたことか!?

(2005.5.14)



〜おしまい〜





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