琴電のオーバーラン

〜 今頃になって騒ぐな 〜



今日の朝日新聞の全国版に突然「駅で酒盛り、翌朝オーバーラン 高松琴平電鉄」なんて記事がデカデカと載った。高松琴平電鉄(琴電)と言えば、無くてはならない高松市民の足だ。その琴電が、JR西日本の事故以来、あれだけ騒がれているのに、よくもまあ、こんな不祥事を起こすもんじゃわい、って呆れかえったのだけど、よくよく見ると、なんと、3月の事件ではないか

確かに、少しひどい行為だ。30代の運転士2人が深夜の駅舎で酒を飲み、数時間後に電車を運転し、そのうちの1人が停車駅を約170メートルオーバーランしたうえ、その事実を報告していなかったのだ。早朝勤務に備えて駅の仮眠室に宿泊し、その際、居合わせた車掌らと夜中に酒を飲んでいた、っていうくらいなら、まあ、あり得ると思う。僕がその立場だったら、しょっちゅう酒くらい飲んでいると思う。ただ、彼らは、かなり遅くまで深酒をしていたようだ。それで朝6時前後の電車を運転していたのだから、かなり無謀だ。で、その結果が、170メートルのオーバーランだ。それでも正直に報告していれば、なんとかなったようにも思うのだけど、運転士は車掌に口止めして会社に報告しなかった。でも、客からの指摘で発覚してしまったので、問題になった。

しかし、この事件が問題になったのは、JR西日本の事故が社会問題化してからではなく、3月のオーバーランの直後だ。琴電の就業規則では、駅舎での飲酒を禁じているが、当時、運転して時に酒に酔っていたかどうかは確認しようがないとして解雇はしなかった。でも、2人は4月に自主的に退職した。なにも、辞めなくてもいいのに、って思うくらいだ。ちょっと気の毒。一緒に飲酒した車掌ら3人は停職処分になった。
そして、会社側は、これら一連の経緯を4月中に四国運輸局に届けている。

つまり、会社もやるべき事はちゃんとやっているし、本人たちも、気の毒なくらいの処分を受けている。それなのに、なんで今頃、突然、全国的に報道されなければならないんだ?会社側は、気の毒にも「鉄道の安全が問われている中で、申し訳ない。社員教育を徹底し、再発防止に努めたい」なんて話しているが、鉄道の安全が問われ始めたのは、ずっと後の事であり、そんなに謝る事はない。謝らなければならないのは、今頃になって報道する、バカなお調子者のマスコミだ。

(2005.6.22)



〜おしまい〜





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