ガードレール金属片事件

〜 最後まで報道しろよ! 〜



一時期、全マスコミが朝から晩まで大騒ぎしていたガードレール金属片事件は、一体、その後、どうなったんだ!?って不信感を募らせていたら、昨日(6月21日)、国土交通省の専門家による第2回調査委員会で、「ほとんどの金属片が接触事故で付いた自動車の部品だ」とする結論が出た。
金属片の材質を成分分析した結果、サンプルの102個すべてがバンパーやモールなど自動車の部品だったのだ。また、事故発生率が高い道路区間で多く見つかり、破断面には引っ張られてちぎれた形跡があったことなどから、車の接触事故が主原因とした。一方、車の部品とは考えにくい少数の事例があるため、それらについては、さらに材質の分析などを進めるらしい。

この結論は、とっても納得のいく結論だ。大変スッキリし、個人的には嬉しい。
今回の事件が突然明るみになった時、マスコミはバカ丸出しで犯罪説を叫んでいたが、最初からそれは大いに疑問だった。だって、全国で何千個、何万個もの金属片を、一体誰が付けるというのだ?一人や2人ではできない。何百人もの人が協力しないと無理だ。しかも全国津々浦々で、かつ秘密裏に、だ。そんな事ありうるか?高額で壺を売りつけるような宗教団体なら動員は可能かもしれないが、それを誰にも知られずに秘密裏に行うことって無理じゃないか?だから、最初からこれは事故か工事の不手際か、そういうものだと思った。

ただし、不思議だったのは、なぜ今まで明るみにならなかったのか、だ。金属片は古くて錆びている物も多く、かなり以前から付いていたようだ。それなのに、なぜ、突然、全国的に一斉に明るみになったのか、とても不思議だ。道路管理者である国や都道府県は把握していなかったのか?日常的な監視業務でチェックできなかったのか。警察も把握していなかったらしい。
今回、問題になったのは、5月に埼玉県で中学生が怪我をしたからだ。しかし、以前から似たような事故は何件か起きていた。なぜ今まで問題にならなかったのに、今回、急に問題になったんだろう?よそで事故が起きても、自分のところで同様な事故が起きるかもしれないっていう発想は無かったのだろうか。自分のとこの道路をチェックするという発想は無かったのか?

まあしかし、道路管理者の責任はさておき、マスコミの態度は一体どうなってるんだ?あれだけ朝から晩までキチガイみたいにこのニュースばっかり報道していたマスコミは、今回に結論に対して、ほんのオマケ的な報道しかしていない。この反応の鈍さは一体どうしたことか?
事件が明るみになった時、マスコミは、いたずら説や犯罪説をキャンキャンわめきまくっていた。「車のボディーの一部分―との見方があるが、発見数の多さなどから全部がそうだとは言い切れまい」とか「暴走行為などを懲らしめようとしたのかもしれない」などと勝手に想像しまくり、「ガードレールは重要な交通安全対策の1つだ。その信頼すべき場所から、通行人への凶器となりうる異物が突き出していた」とか「こんなところに危険が潜んでいたのかと思うと、背筋が寒くなる」なんていう風にセンセーショナルにわめいていた。そして、「だれがどんな目的で取り付けたのか、一刻も早く真相を突き止めなければならない」なんて言ってたのに、真相が明らかになったというのに知らん顔だ。
結局は、事件ではなくて事故によるものだと分かってしまったから、恥ずかしくて報道できないのか?いや、そうではない。マスコミなんて恥知らずの集団だから、そんな殊勝な態度はありえない。事件ではなくて単なる事故だったから、ニュース性に乏しいと判断して、ほとんど無視しているだけだろう。

本当に無責任なマスコミどもだ。あれだけセンセーショナルに報道して日本中の不安感を煽った限りは、最後まできっちり責任をもって片を付けて欲しい。

(2005.6.22)



〜おしまい〜





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