小泉自民党圧勝

〜 一気に改革を! 〜



郵政民営化関連法案の参議院での否決に端を発する突然の衆議院選挙は、小泉自民党の圧勝に終わった。
世論調査では、どのマスコミも自民党勝利との報道が相次いでいたが、これまでだと、いくら事前の世論調査で自民党有利と報道されても、実際の投票では民主党が健闘していたので、今回も油断はできないぞと思っていた。むしろ、自民党の敗北を期待するマスコミが、わざと自民党を油断させようとして自民党有利の報道をしているのではないか、などと勘ぐったりもした。ところが、なんと、大方の予想を覆し、逆に考えられないほどの自民党圧勝となった。いくらなんでも定員480人のうち自民党だけで296人だなんて、ちょっと想像を絶する勝利ぶりだ。連立を組む公明党を合わせると2/3を越える327議席だもんなあ。

断っておくが、僕は小泉政権は支持しているし、大いに期待しているが、自民党支持者ではない。僕は既得権にがんじがらめになったシステムを改革してくれる政党を支持する。その意味で既得権の権化のような自民党に、本来なら改革は期待できない。しかし、こと小泉首相に限っては、ヘタな野党よりも、よっぽど改革が期待できる。現時点では、同じような考えの人は、日本中に多いだろう。

いくら小泉首相が「改革、改革」と叫んでも、現実の自民党の代議士の顔ぶれを見ていると、かなり心許ない。というか、正直言って暗澹たる気持ちにすらなる。しかし、郵政民営化反対議員をあっさり切り捨てた小泉首相の実行力を買いかぶれば、大半の自民党代議士が守旧派だとしても、一定の改革は成し遂げられるのではないか、との淡い期待を抱いてしまう。
どうせ、小泉首相以前の長年にわたって、誰が首相になっても、ちっとも改革されなかったんだから、仮に小泉首相が失敗しても、まあ、失うものはないかな、なんて思ったりもして、今回の小泉自民党圧勝に成果を期待したい。

さて、本来ならもっと改革を期待したい民主党だが、少なくとも今回は使い物にならなかった。敗因は、ただ1つ。郵政民営化に反対したからだ。これは選挙後に小泉首相もはっきり言っていた。「民主党が郵政民営化に賛成していたなら結果は大きく違っただろう」って、直接、岡田に言っていた。これは正直なところだろう。全く持ってその通りだろう。
選挙の終盤になって、「これじゃまずい」と気付いた岡田は、将来の民営化に含みを持たせた言い方に変わっていったが、時既に遅しだ。民主党は「郵政なんて大問題じゃない。もっと大事な問題がある」なんて言い続けた。これも、全くその通り。しかし、郵政ごときの改革すらできないようでは、もっと大事な問題だって改革できる訳がない。郵政民営化ごときに反対する政党に、他の改革なんてできやしない。僕だけじゃなく、多くの国民がそう思ったから、小泉自民党が圧勝し、民主党が惨敗したのだ。なぜ、それが選挙前から分からなかったんだろう。分かっていたけど、郵政の組合を抱える民主党としてはフタをしたかったのだろうが。

それにしても、だ。考えられないほどの自民党の圧勝だ。この結果を見るにつけ、支持政党無しの無党派層って、本当に節操がないんだなあ。時の気分によって民主党でも自民党でもいいんだろうなあ。なんで、そんな事を言うかと言えば、いくら小泉首相を支持したくても、彼の選挙区以外の国民は直接小泉首相に投票することはできない。できるのは自民党の候補者に投票するだけである。ところが、小泉チルドレンとも言えるような若手が立候補した選挙区ならともかく、大半の選挙区の自民党候補者って、旧態依然とした昔ながらのおっさん共だ。親の代から選挙区を引き継いだバカ息子や、土建業者などと癒着した秘書上がりだ。いくら小泉首相を支持したくても、そんな奴らに投票する気はおきない。ところが、今回の結果を見ると、そんな事は気にせず、小泉首相を支持するというだけの理由で自民党候補者に票が集まっている。そんな節操のない投票でいいのか?と問いたいところだ。
ま、しかし、今回に限って、それでいいと思う。あそこまで啖呵を切った小泉首相だから、郵政だけでなく、他の改革もやってくれるだろう。また、今回の結果を見ると、小泉首相を取り巻く守旧派の自民党代議士たちも、大きなプレッシャーを感じているだろう。こんな地滑り的大勝があり得るって事は、改革の成果が出なければ、あっという間に逆の結果になるだろうから、少しは改革に協力するだろう。

ただ、小泉首相が今のところ、あと1年の任期が終われば首相を辞める、と断言しているのが気にかかる。あと1年じゃあ、郵政の他には、大事な問題で改革を成し遂げるには時間が足りない。かと言って、小泉首相以外に、その改革路線を確実に引き継げる候補が自民党にいるのか、と言えば、ちょっと困った問題だ。また選挙になればいいが、ここまで圧勝してしまうと、次の選挙は4年後になっちゃうかもしれない。それは困るなあ。

(2005.9.13)



〜おしまい〜





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