中国の死刑

〜 どんどんやってね 〜



日頃、中国に対しては苦言というか、頭っから非難ばかりしている私ですが、今日は違うぞ。大いに評価するぞ。何かと言えば、中国の死刑事情だ。

2001年に東京歌舞伎町のクラブで店長が殺害され、現金200万円などが奪われた強盗殺人事件の犯人である中国人が、中国であっさり死刑にされたらしい。
「悪い奴は、あっさりと死刑にする」
この当たり前の事が、先進諸国ではなかなか通用しないのが現状だが、中国はやってくれるじゃないの。

この事件は、警視庁が国外逃亡した中国人3人による犯行だと断定し、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて強盗殺人容疑で国際手配していたものだ。その後、中国の警察当局が3人の犯人を身柄拘束したのだが、日本と中国の間には容疑者の身柄を引き渡す条約がないため、警視庁は捜査資料を中国側に提供し、現地の法律で裁く「代理処罰」を要請した。これを受け、2004年12月に、1人が死刑で、あとは1人が懲役15年、1人が懲役3年の有罪判決が中国の裁判所で言い渡されたのだ。日頃、関係の悪い日中政府だが、こういう協力関係はあるらしい。
そして、最近になって警視庁に対して中国側から連絡があり、この死刑などの判決が確定したとのことだ。死刑執行の有無については連絡がないというが、中国はこれまでも死刑判決の場合は即刻、執行されることが多く、おそらく既に執行されたのではないだろうか。

日本では、1人殺したくらいでは絶対に死刑にはならない。無期懲役にすらならず、10年くらいで出てくる犯人も多い。無期懲役になった場合でも、無期懲役は終身刑とは違い、絶対にそのうち出てくる。10数年も経てば仮出所で出てくる人が多い。
2人以上殺した場合は、死刑になる場合が多い。ところが、強盗殺人で無期懲役の服役をしていたのに、その後、仮釈放で外に出ていたとき、再び強盗殺人した男に対して、死刑ではなく、再び無期懲役の判決が出されたこともあった。強盗殺人で2人も殺しているのに、1回にではなく2回に分けているからだ。さすがに、いくらなんでも甘すぎる判決ってことで検察側が最高裁に上告して、最高裁が「死刑の選択をするしかない」と判断したため、かろうじて正義は守られたが、一審、二審の判事はキチガイか?

2人以上殺した場合は、死刑になる場合が多いとは言え、死刑判決が出るような裁判は非常に長期化するケースが多い。幼女を4人も惨殺した「幼女連続誘拐殺人事件」の宮崎でさえ、誰が考えても即刻、死刑にすべきだと思うのに、死刑が確定するまで逮捕から17年もかかった。一体、どうなってるの?例によって独善的で尊大な朝日新聞などは、本音は死刑反対なんだけど、さすがに宮崎の死刑に反対を唱えると国民から猛反発を受けるので、死刑反対キチガイの高村薫なんかをひっぱり出して論評させている。小泉政権に反旗を翻して政治生命が絶たれた亀井静香のように、死刑反対論者はみんな社会から抹殺してしまいたい。

死刑判決が出ても、実際に執行されるまでは油断もできない。大阪の池田小学校で8人の子供を殺した宅間死刑囚の死刑が2004年に執行されたときも、死刑が確定してからわずか1年未満で執行されたのが異例だとして批判があった。近年の死刑執行は、判決が確定してから数年から10年以上も経過してからのものが多いからだ。もちろん、これもおかしな話であり、そもそも、刑事訴訟法では死刑判決の確定から6ヶ月以内に法務大臣が執行を命令するように定めているのに、法務大臣が法律違反をして執行しないのが当たり前になっているのだ。このため、拘置所に収容されている死刑確定者は60人以上もいる。こんな悪人どもを貴重な税金でぬくぬくと養う必要はないんだから、即刻、死刑執行してほしい。

今回の事件は、もし犯人が日本に引き渡されていたら、絶対に死刑にはならないケースだ。日本と中国の間に容疑者の身柄を引き渡す条約がないって事は、むしろ良いことだ。
中国の刑法は国外での犯罪も国内で裁けると規定しており、2003年6月に発生した福岡市の一家4人殺害事件でも中国人の男に死刑判決が出ている。こうなると、何も中国人だけじゃなく、日本で犯罪を犯した奴は、無理矢理に中国へ連れて行き、中国の裁判所でどんどん死刑判決を出してもらった方がいいぞ。

とにかく中国の死刑はすごい。世界で死刑制度が維持されているのは80ヵ国程度で、実際に執行されている死刑の数は世界で毎年4〜5千人程度と見られているが、なんと、その半分以上は中国で執行されている。なーんて言うと、中国では滅多やたら死刑ばっかりしているように聞こえるが、13億人という中国の人口を考えると、そんなに驚くことでもないかも。しかし、日本などでは2人以上殺さないと死刑にならないのと比べると、中国では非常にスッキリと死刑にしている。
最近の中国での死刑の増加は、犯罪に対する「厳打キャンペーン」ってのが理由の1つらしい。また、実際には中国政府の公式発表を大幅に上回る死刑執行がなされているらしいという噂もある。
中国では、暴力犯罪だけでなく、贈賄、売春の斡旋、横領、脱税、ガソリン強盗、有害食品の販売等の多様な犯罪に死刑が執行されている。「人命は宝、麻薬反対」というスローガンのもと、数百人が麻薬違反で死刑執行されたりもしている。「人命は宝」と言いながら死刑執行する感覚は意味不明だけど、麻薬撲滅のためなら良いでしょう。日本人でも、2004年に麻薬密輸の罪で執行猶予の付かない死刑判決を受けたことがある。この人も執行されたのかなあ。ただし、中国の刑法では死刑判決にも執行猶予が付くことがあり、執行猶予中に故意に犯罪を犯さず服役態度が良好と判断された場合は、無期懲役に減刑される。2001年に傷害致死罪で起訴された日本人男性は、高裁で執行猶予2年付きの死刑判決を言い渡されている。

死刑判決の多さだけでなく、中国の死刑の良いところは、ほとんどの死刑が人々が呼び集められた後、スタジアムや公共広場で大勢の群衆の前で執行されることだ。囚人の一団は、すぐ近くの広場や中庭で罵声を浴びせられ、執行場所の道沿いの数千人とすれ違いながら通りを抜け、見世物にされる。政府番組で生放送されるケースもあるようだ。
これくらいやれば十分に犯罪抑止力になるだろう。誰もいないところで、しかもいつ執行されたのかも十分に公表されないで密かに執行される日本の死刑なんて、ほんと気の抜けたビールのように犯罪抑止力が無いぞ。

これに比べてブラジルでは、2005年に日系人一家が自宅で強盗に襲われ5人が殺害され1人が重傷を負った事件があったが、ブラジルでは死刑が無く、最高刑が禁固30年のため、この事件の判決は、殺害された被害者1人につき30年ずつ、重傷を負った1人について15年を加算し、合わせて禁固165年の判決となった。5人も殺しておきながら死刑が無いなんて、日本以上にひどい国だ。しかも、禁固165年って言ったって、実際には刑法の規定で実質的には禁固30年となる。
あの犯罪王国のブラジルで死刑が無いなんて、犯罪天国だわな。

人を殺せば自分も殺される。これが万国共通の正義のルールであるべきではないか?

(2006.1.20)



〜おしまい〜





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