一夫多妻男の逮捕

〜 怪しくも不思議な世界 〜



東京の民家で11人もの女性と集団生活していた男が捕まった
(石材店)「これは書かない訳にはいきませんよねっ!」
もちろん、書かない訳にはいかない!
と言っても、本当に理解不能な事件だ。分かんない。
(幹事長)「て言うか、そもそも、これは事件なのかっ!?」

本当に不可解な事件だ。逮捕された男は、どう見ても格好良いとは言えない、むしろ、全然モテそうにない変な57歳のおっさんだ。こんなおっさんに、なぜ若い女性が11人も集まってくるのだ?確かに精力だけはありそうな顔だけど、そんなんで可能な事とは思えない。あまりにも非常識で公序良俗に反する行為だが、そもそも、なぜそんな事が可能だったのかが理解できない

警察も、そこに犯罪の可能性があると見て逮捕したのだろう。取りあえず、集団生活への参加を断った女性を脅していた容疑で逮捕したが、それはライブドア事件と同様、取りあえず逮捕したって感じ。集団生活そのものに対しては、いくら非常識で公序良俗に反しているとは言え、明らかに法律違反しているとも言えないので、周辺の疑惑で捕まえたって感じです。
直接の容疑となった女性に対する脅迫とは「私は自衛隊幹部だ。周りにはスパイがいる。ここにいれば助けられるが、ここを出れば肉をそがれてミンチにされる」なんて言って集団生活に加わるよう勧誘したことだけど、こんなアホな話を信じる人がいるとも思えない。男は自衛隊に所属していたことはないし、全て嘘だけど、誰が聞いても嘘だと分かるような話をしたって、脅迫の罪が成立するとは思えない。取りあえず、軽犯罪でもいいから適当な容疑で逮捕してみて、警察で追求していけば色々と犯罪行為と呼べるものが出てくるのではないかという見込み捜査でしょうねえ。

事実、家からはスタンガンやら催涙スプレーなんかも出てきたらしいから、ちょっと犯罪っぽい印象も出てきた。それから、6年前には同居していた女性とトラブルになり、この女性が「脅された」と周囲に言い残して立ち去っていたことも分かった。ほかにも若い女性が近所に助けを求めたこともあったという。ただし、これも「カーテンを閉めきった暗い場所で、電球の光を目に当てられ「霊が取り付いている」と言われた」との事であり、脅しと言えるかどうか、ちょっと無理がある。そんなんで捕まえられるんなら、新興宗教家や占い師なんか、みんな逮捕だ。個人的には、一網打尽にして欲しいけど。
ほかにも男から集団生活を迫られた複数の女性から情報が寄せられているとのことだけど、暴力を振るっているわけでもないし、現実に自分の意志で共同生活している女性が11人も居る事を考え合わせれば、あんまり無理強いしているとも思えない。警察は、同居している女性にも任意同行を求め、事情聴取を始めたけど、うまくいくでしょうか?

男の手口は、6年ほど前から占師を自称し、自宅に張り紙をして客を集めたり、新聞の折り込み広告で事務員を募集し、応募してきた女性を同居させ始めたらしい。でも、なぜそんなに簡単にいくのが理解できない。「集まった女性に対し、子供のころに夢で見た「女性を惚れさせることができる呪文」を試すと、数人が居着いた」との事だけど、信じられない。どんな呪文なんだろう?呪文と言うより、宗教家や占い師と同じような巧みな言葉なのかなあ。「呪文の成功率は10人に6〜7人」と言っているから、かなりの高率だ。よっぽど言葉巧みなのかなあ。
「事実上一夫多妻の生活だが、脅迫したり薬物を使ったことは一切ない」
と言ってるのも、たぶん本当だろう。それじゃ一体、どういう女性達なんだろう。大半は20歳代で、同居している女性が友人や姉妹を連れてくるなど数珠つなぎに増えていったらしい。何か悩みを抱えている人たちなんだろうか。変なおっさんでもいいから、藁にすがる思いで寄りついたんだろうか。悩みがある人は、姉妹や友人も悩んでいる人が多いのかなあ。

(石材店)「ところで本音の論評が無いですが」

そうですね。正直に言いましょう。
最初に聞いたときは、「げげげっ。すごいっ!そんなすごい事が可能なのかっ!なんて羨ましいんだっ!」って思った。全国6500万人の男性諸君も、そうでしょう?昔の将軍様の大奥を想像した。或いはアラビアの王様のハーレムか。
だけど、実態はそんなに優雅なものではないみたい。集団生活していた木造3階建ての民家は、東京とは言え、多摩湖近くの田舎で、周辺には山林や茶畑もあり、ここに1人の子どもを含めて、みんなで共同生活している。部屋は11も無いので個室という訳にはいかず、女性は数人づつ雑魚寝し、男自身は廊下の片隅で一人で寝ている。寒そう。毎日、気分次第で好きな女性の部屋で寝ているのではないようだ。

この家は、10年ほど前に男が新築したものなんだけど、同居女性のうち8人に贈与され、今は彼女たちの共有財産となっている。なぜだ?土地も同じく、彼女たちに所有権が移っている。これは一体、どういう事なんだろう?もし男が一方的に悪いことをしているのなら、家や土地を女性達に贈与することはないと思うのだけどなあ。これも信じられない。分からない。家や土地を贈与してしまうと、女性達が出ていこうとしないからかなあ。
一方、生活費はコンビニなどで働いている女性に出してもらっている。「私は虚弱体質で無職」と言っている。でも、虚弱体質の男が11人もの女生と結婚できるかい?

女性達とは、もちろん、単なる同居ではなく、短期間で結婚と離婚を繰り返している。そのため一夫多妻なんて言われてるんだろうけど、短いケースでは結婚期間が10日以下というのもあるし、ほとんどの場合は、誰かと離婚した同日に次の女生と結婚している。この理由は、女性達が「男との記念になるものが欲しい」と言って結婚記念日を一つずつもらったためという。そんなに素敵な男とは思えないけど。「女性から籍を入れようと誘われた。多くの人と結婚したいが重婚はできないので、この方法しかない」と言っているが、たぶん本当なんだろうけど、やっぱり分からない。女性達は特に不満は無いようで、離婚後も男の姓を名乗っている。
一応、男は役所へ行って「こんなに結婚と離婚を繰り返してもいいのか?」と相談したらしいが、役所は「法律違反ではないから、いいでしょう」と答えている。そら、そうだわな。結婚して何日以内に離婚してはいけない、とか、一生のうち何回までしか結婚できない、とかいう法律は無いもんなあ。

男の行動は明らかに常軌を逸しているとは言え、理解できない事ではない。実態は、決してそんなに楽しそうでもないとは言え、一見、男なら誰でも持ちうる願望とも言えなくもない。男は「暴力や強制はない。均等に愛情を注いでいる」と言っており、それは嘘ではないと思う。また、「こういうことをやっていれば騒ぎになると思った」と自覚しているので、頭がおかしい宗教家とは明らかに違う。単なる好き者のおっさんと片づけることもできる。

理解できないのは女性達の方だ。同居している女性達は、みんな腰まで伸びた長い髪にミニスカートという同じような格好らしい。「主人が長い髪が好きと言ったので、みんな伸ばし始めたんです」との事だ。みんな男に気に入られたいようだ。そらまあ、一応、結婚してるんだもんなあ。でも、女性達同士は「とにかく仲がいい。けんかもない。この大勢での生活が楽しいんです」と口を揃えている。男を奪い合うって感じでもないようだ。全く理解できない本当に不思議な集団だ。

専門家と呼ばれている無能な人たちは、「男と同居している女性たちはマインドコントロールされている可能性がある」と指摘しているが、はて、どうでしょうねえ。ええ大人が、しかも大勢一緒に暮らしていて、マインドコントロールねえ・・・。確かに、家宅捜査で催眠術関係の本が押収されたし、被害者の女性が「催眠術にかけられそうになった」と話しているので、男がそういう技を使おうとしていたのは事実かもしれないが、現実問題として、素人のおっさんが11人もの女性に長年にわたって催眠術をかけっぱなしにできるとは思えない。

この事件で思い出すのは、もう20年以上もなるかもしれないけど、福岡で女性約20人と男性が共同生活を送っていた信仰グループ「イエスの方舟」だ。みなさん覚えてますか?家族から「娘を返せ」なんていう訴えがあって社会問題となり、警察が強制捜査を行った。今回と違って、怪しくも胡散臭いインチキ宗教とは言え、一応、宗教ということで、大人が自分の意思で信じているんだからということで、主催者の男性は不起訴処分になった。ただし、宗教とはいえ、女性達は男を「おっちゃん」と呼んでいたから、今回と似たような雰囲気じゃないかなあ。「入信は家族への不信の結果だ」と言っていたから、もしかして今回の事件も同じような原因かもしれない。
警察は取りあえず逮捕はしたけど、僕は、今回も不起訴処分になる可能性が高いと思う。仮に起訴されても、裁判では無罪になると思う。(そして、ライブドア事件も同じだと思うんだけど)

(2006.1.27)



〜おしまい〜





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