メガネ代金の補助

〜 呆れかえる公務員優遇 〜



長崎県が、県職員や教職員がメガネを購入する際に出してきた補助金を18年度から廃止することを決めた。これまで約30年間にわたり、1回あたり7500円を限度に税金から支出してきたが、公務員厚遇への批判の高まりに配慮し、是正を決めたものだ。

どうでしょう?
こういう補助が存在していたこと自体が、もうびっくりして呆れかえった私ですが、みなさんはどうでしょう?信じられる?
叩けば叩くほど次から次へと宝の山のように厚遇が飛び出してきた大阪市では、スーツ代なんていう呆れかえる補助が出てきたけど、メガネ代なんてスーツ代以上に驚きだ。

金額から言えば、大阪市のスーツ代スポーツ観戦利用券とかの方がずっと大きい。大阪市では結婚貸与金なんてのもあった。貸与金と言いながら、「結婚したときに貸し付け、4年以上勤務すれば返さなくてもよい」という制度だから、完全な贈与だ。さらに言えば、不透明な特殊勤務手当の方が圧倒的に悪質だ。
また、大阪市以外でも各地の市町村で裏で密かに出されていた第2退職金は、さらに巨額だ。これについては、大阪高裁が「退職手当以外に高額の退会給付金を支給することは職員厚生制度としては本来的なものではない。補助金支出は公益性がなく、地方公務員法の趣旨にも反する」との判決を下してから廃止する自治体も出てきている。

これらに比べれば、メガネ代の補助なんて1回当たり7500円だし、そんなに何回もメガネを買い替えることもないだろうから、金額的には大したことはないだろう。しかし、金額の大小よりも、って言うか、むしろ少額だからこそ、その姑息さに呆れかえる。なんでメガネ代なんて補助しないといけないんだ?7500円が無いのか?公務員って、そんなに給料は安くないだろう?なんで、そんなセコい補助金を出しているんだ?そんなん貰う方が恥ずかしくないのか?

なーんて思って調べてみると、なんとっ!他にもあるのねっ!
メガネ代金の補助は、他にも京都府が健康管理名目で出している。長崎県は廃止したからニュースになったけど、継続しているところがいっぱいあるんだろうなあ。公務員の世界なんて横並びを一番重視しているから、勝手にやるはずはないから、ほとんどのところで支給しているんだろうなあ。
他には、横浜市が教職員にジャージを支給しているとか、東京の世田谷区が「感染予防のため」と称して保健所職員に背広と革靴を支給しているとか、似たような補助がいくらでもある。

もちろん、民間企業でも似たような補助を出しているところはあるだろう。さすがにスーツ代やメガネ代なんて聞いたことないけど、福利厚生の一環としてスポーツ活動に補助を出す例なんて多いだろう。
しかし、一部の民間企業がやっているから公務員に対しても同じ事をやっていい、という理屈はあり得ない。なぜなら公務員に対する援助は税金から出ているからだ。

民間企業は、株主にとって十分な利益を上げていれば、経営の自由度は高い。利益を上げるためには、従業員が一生懸命働くように待遇を良くする事も一つの方策だ。もちろん逆に、低賃金でこき使って利益を上げるのも一つの方策だが、豊かな社会においては、そういう事をしていると優秀な従業員が集まらなくなるので、長期的には損失につながる恐れもある。それも含めて、経営者の裁量と言えるし、その経営手法がダメと見なされれば、株主から役員退任を要求されるだろう。

これに対して行政は、住民が首長を選挙で選ぶ。ここまでは株主総会で取締役を選ぶ民間企業と同じ様なものだ。決定的に違うのは、株主は会社が得た利益を配当として貰うのに対して、行政では逆に住民が税金を払う点だ。我々は多額の税金を払い、その使い道について首長や議会に任せている。利益さえ上がれば好きにやってね、なんていう状況ではなく、できるだけ少ない税金で、できるだけ良質なサービスを受けられるよう要望している。その兼ね合いと言うかバランスが重要だ。なので、サービスが大きく向上するのなら、ある程度、公務員を厚遇してもいい。
しかし、現実は、正反対だ。納税者から見て、大量の教員を含む多くの公務員が、とても真面目に仕事をしているとは見えない一方で、信じられない程の厚遇がバラまかれている。これは許されないでしょう?
役所の方からは「待遇を良くしないと良い人材が集まらない」なんていう言葉も聞かれるが、今の役所の人間のやっている事を見ると、そんなに優秀な人間でなくてもできるような仕事が大半だ。年収1000万円を超えるバスの運転手とか、それに近い年収の給食おばさんとかが全国にゴロゴロしている。納税者としては許すことはできない事態だ。

まずは役所でやっている仕事を、どんどん民間企業に外注してみる事だ。おそらく大半の業務で、はるかに安い値段ではるかに質の高いサービスが得られるはずだ。そうなれば税金も安くてすむ。本当に役所で無ければできない仕事は少ない。そして、そういう本当に重要な仕事をする数少ない公務員に対しては厚遇してもいいと思う。

(2006.3.15)



〜おしまい〜





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