集団リンチ殺人事件

〜 再び死刑について 〜



東大阪大学の学生らが岡山県内で集団リンチを受けて殺害された事件が、大騒ぎになっている。
なぜ大騒ぎになっているんだろう。よく分からない。
ショッキングな事件が欲しいテレビや新聞が、やたら騒いでいるんだけど、冷静に考えれば、よくあるチンピラ同士の殺人事件にすぎない。れっきとした暴力団員じゃなくて、大学生っていう肩書きがあるので大騒ぎになっているんだろうけど、こいつらヤクザと同じだ。東大阪大学って、初めてきいた名前だけど、どういう大学なんだろう。でも、早稲田大学の学生や京都大学の学生が集団暴行で逮捕される今日この頃であるので、東大阪大学っていう無名大学の学生がチンピラだろうがヤクザだろうが、何の不思議も無い。

チンピラやヤクザという前提なら、今回の事件は、まことに普通のありふれた事件だ。加害者側の1人が、被害者側の1人がつきあっている女に手を出そうとしたことから、被害者側のグループに集団暴行され、「生き埋めにしてやる」なんて脅され、慰謝料と称して恐喝されていた。そこで仕返しのため、慰謝料を払うと言って誘い出し、逆に集団暴行して本当に生き埋めにしたというわけだ。チンピラやヤクザの世界なら、日常茶飯事の事件ではないだろうか。恥ずかしながら、チンピラやヤクザの世界には余り詳しくないので偉そうな事は言えないが、なんとなく一般的な構図のような気がしますが。足にコンクリート塊をつけて海に沈めるとか、山の中に埋めるとか。
事件の経緯を見ると、そもそも被害者と加害者と、どっちが悪いのか、よく分からない。殺害された学生は、山口組系の暴力団を名乗って「海に沈めたろか」とか「生き埋めにしたる」なんて言って脅していたらしい。本当の暴力団員ではなかったらしいが、少なくとも被害者も善良な市民ではなく、チンピラやヤクザのような悪人であることは間違いない。もちろん、加害者も同じで、どっちも社会の敵だ。どっちも悪いのだ。

ただし、こいつらは、ヤクザ的な社会のダニではあるが、ちょっと中途半端だ。まず、いまいち不可解なのは、3人を拉致しておきながら、1人を逃がしている点だ。もしかしたら、この1人には、あんまり恨みが無かったから許してやったのかもしれないが、逃がしてしまったら、絶対に仕返しされるぞ。ここは、本人に恨みがあろうが無かろうが、口封じのためにも、一緒に殺害するのが常識ではないか?
さらに、ヤクザと決定的に違う点をあげれば、最初に加害者側が被害者側から集団暴行を受けて恐喝された事を、恥ずかしげもなく警察に相談したことだ。本物のヤクザなら、こんな恥ずかしい事はしないわな。それに、被害者が行方不明になって騒ぎになれば、事前に警察に相談していたのは致命的だ。絶対に真っ先に疑われる。アホだ。アホすぎる。まあ、アホなのは間違いないが。

ということで、こいつらは完全なヤクザではないようだが、社会の敵であるチンピラなのは間違いない。社会の敵同士が喧嘩しようが殺し合おうが、それによって社会の敵が減るのなら、どうぞ好きに勝手にやって欲しい。どんどん殺し合って欲しい。その方が世のためだ。なので善良な市民である我々が大騒ぎするような事件ではない。
ヤクザ同士の殺人事件の場合、どういう量刑になるのか知らない。善良な市民を2人殺せば、普通は死刑になるケースが多い。でも、善良とは言えないチンピラから暴行されて脅されて、その仕返しに殺したケースは、どうなるんだろうなあ。もちろん、こういう危険な男は死刑にして欲しいが。


それより、むしろ、もっと違和感を感じる判決が出た。東京の荒川河川敷でホームレスとして生活していた男が、1999年に同じホームレスの顔見知りの男性3人を相次いで刺殺した事件なんだけど、いくらホームレス同士の事件とはいえ、3人も殺しているので、一審では死刑判決を受けたんだけど、なんと高裁で死刑が破棄され、無期懲役になっちゃった。理由は、殺されたのが生きている価値の無いホームレスだからだ。
(石材店)「ほんまですかっ?」
(幹事長)「嘘です」

そうじゃなくて、犯人が犯行前に覚せい剤を使用していたからだ。高裁は、被告の精神状態は正常ではなく、心神耗弱状態だったと判断したのだ。 確かに被告は「殺害を指示する幻聴があった」なんて供述しているが、しかし、そんなんを理由に刑が軽くなるなんて、なんだかなあ。
病気で発狂したというのなら、まあ、確かに、責任能力が問題になるかもしれないけど、覚醒剤を使用するのは自分の意思であり自分の責任だろう?それで死刑を免れるのか?おかしいじゃない?それなら誰でも殺人しようとするときは覚醒剤を使えば助かるのか?
もちろん、この事件も、ホームレス同士の事件なので、我々善良な市民には無関係だし、ホームレスが少なくなって社会が住みやすくなるという意見も無いことはない。
(石材店)「ほんまですかっ?幹事長が勝手に言ってるだけでしょ!」

しかし、いくらホームレス同士とはいえ、覚醒剤を使っていたから減刑なるというシステムは間違っている。断固、間違っている。こんな訳の分からない理由で減刑を要求し続けてきた悪徳弁護士が一番悪いが、そんな話に乗ってしまった裁判官もアホだ。


一方、同じ1999年に、今度は東京の南側の川崎で、中国人3人が殺害された事件(プラス3人が重軽傷)では、犯人の中国人は死刑を言い渡された。3人も殺しているので当たり前ではあるが、この事件でも悪徳弁護士どもは、「被告は犯行当時心神耗弱状態にあり、刑を軽くすべきだ」なんて主張したのだ。今回の判決では通用しなかったらしいが、しかし悪徳弁護士どもは、少しでも稼ごうと考えて控訴するのは間違いなく、控訴審で裁判官が騙されないとも限らない。人を3人も殺しておきながら、心神耗弱状態にあったなんて言い訳が通用するようでは、世の中から正義が失われてしまう。

これら2つの事件は、奇妙に一致点が多い。どちらも1999年に起きた事件であり、またどちらも3人ずつ殺している。そして、どちらもホームレス同士か中国人同士であり、社会のアウトサイダー同士の事件だ。我々善良な市民からすれば、ホームレス同士が殺し合おうが、中国人同士が殺し合おうが、チンピラやヤクザ同士が殺し合おうが、一般市民に迷惑をかけない限り、どうでもいいというか、むしろ積極的に殺し合って欲しいが、加害者側もさっさと死刑にして始末して欲しい。こんなん刑務所で飼っておく経費がもったいないし、再び社会に出てこられても困るし。

(2006.6.29)



〜おしまい〜





独り言のメニューへ