イスラエルの侵攻

〜 残虐なユダヤ人を許すのか? 〜



北朝鮮が、ちょこっとミサイルを海に落としたくらいで大騒ぎしている間に、中東情勢はどんどんエスカレートし、イスラエルによるアラブ人虐殺は狂気のレベルに達している。近視眼的な日本のマスコミは、北朝鮮のミサイル問題が世界中の大関心事であるかのごとく報道するもんだから、日本にいると、北朝鮮のミサイルが今、世界で一番、重大な平和の危機のように感じられるが、そんなことはなく、こななささいな事はすぐに忘れ去られていく。中国やロシアが北朝鮮非難に拒否権を発動しなかったなんていうのは、逆に言えば、それくらいどうでもよかったという事だ。本当に重大な事項については、安全保障理事会は絶対にまとまらず、必ず拒否権が発動されて、国連は無力になるものだ。国連とはそういうものだ。

今回のイスラエルのレバノン攻撃は、誠に不可解だ。不可解さにおいては北朝鮮と同レベルだ。何が不可解かと言えば、そもそもの事の発端は、レバノンのイスラム系シーア派民兵組織ヒズボラに拉致されたイスラエル兵2名を取り戻すための攻撃だったのだが、一連の戦闘により、既にイスラエル兵が30人以上死亡している。一体、何のこっちゃ?と言いたいぞ。本末転倒しているぞ。民間人を入れればイスラエル側の死者は50人を越えている。もちろん、レバノン側の死者は500人に達しており、数においては比較にならないほどの損害を与えているが、それにしても、自分の方にもこれだけの犠牲を出しながら何をやってんだ?と言いたい。
もちろん、この不可解には理由がある。何もイスラエルは捕虜になった2名を取り戻すために全面戦争を仕掛けているのではない。これを機会に、ヒズボラを壊滅させようとしているのだ。そのためには、多少の犠牲は厭わない。当然ながら、アラブ側が何百人、何千人、何万人、何億人死のうが、全くへっちゃらだ。

イスラエルに対して抵抗する組織という意味では、ヒズボラはPLOやハマスと同じだが、投石に毛が生えた程度の抵抗しかできないパレスチナ人組織と違い、ヒズボラはイスラエルを攻撃できるロケット弾を12000発も保持しており、イスラエルに対する脅威は極めて大きい。パレスチナ人がイスラエル本土を攻撃するには、爆弾抱えてバスに乗り込むような自爆攻撃しかないので、国境を封鎖して管理を厳重にしてから、パレスチナ人地区を攻撃していれば、自分達は安全だ。しかし、ヒズボラはロケット弾でどんどん攻撃してくる。最近は、かなり飛距離の長いミサイルも入手しているらしく、国境から数十キロも離れた町までロケットが打ち込まれている。これを止めさせるには、ヒズボラを徹底的に叩き潰すしかないのだ。
イスラエルは、一連の攻撃によって、ヒズボラが既に大規模なダメージを負っているとしている。確かに、あれだけやれば、かなりの痛手は負っているだろう。しかし、壊滅するのは不可能ではないだろうか。超軍事大国のアメリカが、あれだけ強力な軍事力を投入しても、なかなかアフガニスタンでタリバンを一掃できないように、ゲリラ的に戦う相手を叩き潰すのは容易ではない。だが、イスラエルは、予備役を招集して数万人規模で兵士を増員する計画であり、徹底的に戦う決意を固めたようだ。

さて、どうする?どうするったって、僕らが何かできる訳はないのだけど、このユダヤ人の残虐行為に対して、どう思う?
僕は率直に言って、人道的に怒り狂っている。そして、たぶん、普通の人間なら、普通に怒り狂うだろう。世界中の大半が、怒っている。そして、国連においても、ほとんどの国がイスラエルを非難している。しかし、イスラエルに対する非難声明は、イスラエルの保護者であるアメリカの強硬な反対により、常に葬り去られてきた。今回もそうだ。

実は今回は、さすがにアメリカも苦しい立場だ。なぜなら、残虐なユダヤ人によりアラブ人が虐殺されているだけでなく、傍若無人なユダヤ人は、なんと国連のレバノン暫定軍のの施設も攻撃し、国連の停戦監視要員4人が死亡したのだ。4人の国籍は、オーストリア、カナダ、中国、フィンランドである。このため、中国などが強く反発している。
イスラエル側は「意図的な攻撃ではない」としているが、国連施設付近への爆撃はしつこく続いており、死亡した4人の捜索活動を行っている間にも空爆が続いた。これ以外にも、国連施設への攻撃は続いており、ガーナ出身の要員4人も負傷している。確認されているヒズボラの活動拠点は、国連基地から5キロ以上離れているうえ、国連側は攻撃されている間もイスラエル側に砲撃をやめるよう繰り返し要請していたにもかかわらず、イスラエルが攻撃を止めなかったことからして、アナン事務総長の言うとおり意図的な攻撃と見なすのが普通だろう。現地の国連職員は「イスラエル軍は本気で、繰り返し基地を直接攻撃した」と述べている。なぜイスラエルが国連施設を攻撃するのは、色々と仮説は立てられるが、よく分からない。しかし、イスラエルが何らかの理由で意図的に攻撃しているのは確かだろう。

さて、しかし、それでもやはり、アメリカはイスラエルを擁護し続け、国連は機能マヒに陥っている。アメリカ好きな私としても、さすがにこれは頭にくる。しかし、不思議なことに、アメリカではイスラエル軍の行動について支持する声が圧倒的だ。なぜだろう。なぜかしら。なぜならアメリカはヒズボラに対して憎悪しているからだ。かつてヒズボラはレバノンに進駐していたアメリカ軍に手ひどい痛手を負わせ、アメリカ軍を撤退させたことから、アメリカはヒズボラをテロ組織と見なしているのだ。アメリカの見方ではヒズボラもハマスも、みんなテロ組織だ。しかし、侵略軍に対して抵抗するのを、普通はテロとは呼ばず、普通はレジスタンスと呼ぶものだ。それなのに、アメリカは侵略者であるユダヤ人に対するレジスタンスは、一律にテロと呼ぶのだ。ああ、不思議な光景。
世界中がイスラエルを非難したって、唯一の超大国アメリカがユダヤ人に牛耳られてイスラエルを支持している限り、イスラエルは恐いもの無しだ。

どうしてここまでユダヤ人は残虐なんだろう。本当に不思議だ。彼らはアラブ人の命など、虫けら同様にしか思っていない。いくら殺したって平気だ。あれだけパレスチナやレバノンで小さな子供達を虐殺しても、まったく平気だ。ナチスドイツがユダヤ人を抹殺しようとしたのは、ユダヤ人が残虐だったからだろうか、なんて思ってしまう。(もちろん違いますよ)
ユダヤ人の言い分も分からない事はない。周りを取り囲むアラブ人は、基本的にユダヤ人を快く思っていない潜在的な敵だから、常に臨戦態勢だ。殺さなければ殺されるのだ。しかし、そもそもの問題の始まりは、ユダヤ人がパレスチナ人を追い出して勝手に一方的にイスラエルを建国したことだ。追い出されたパレスチナ人が怒るのは当たり前だ。

ただ、やはり、ここは冷静になってイスラエルの事を考えてみよう。普通に考えれば、ユダヤ人の残虐さに怒り狂ってしまうが、そういう感情に流されてはいけない。以前にも書いたが、イスラエルの存在意義を忘れてはならない。イスラエルはイスラム教徒に対する防波堤なのだ。ユダヤ人に虐殺されるパレスチナやレバノンの子供達は、本当に可哀想だけど、だからといってイスラム教徒の怖さも忘れてはいけない
今、世界各地で起こっている紛争でイスラム教徒が無関係なものは、極めて少ない。昔から続く北アイルランドやバスクなどを例外として、ほとんどの紛争がイスラム原理主義者によって起こされたものだ。このようなイスラム教徒を野放しにしてもいいのか、という問題だ。
イスラム教徒は過激だ。自分達の考えに反するものは、絶対に許さない。徹底的に破壊しつくす。自分の命を犠牲にしても平気だ。このようなイスラム教徒の増殖には不気味なものがある。そして、このようなイスラム教徒に対し、唯一、正面切って対抗しているのがイスラエルだ。なので、イスラエルにも存在意義があるし、だからこそアメリカも保護しているのだ。そう考えれば、感情的にイスラエルを非難するのではなく、冷静に存在意義を認めるべきだ。釈然としないけれど。
もちろん、だからと言って、バカ正直に「わたしもイスラム教徒は怖いので、イスラエルに頑張って欲しい」なんて言うとアラブ諸国から敵対視され、こっちがテロの標的になってしまうので、表面的にはイスラエルを口先だけで非難しておくべきだ。イスラエルは、アメリカ以外にから何を言われようと平気なんだし。

なーんて書きましたが、本当に悪いのはイスラム教徒の中でもイスラム原理主義者ら一部の悪人どもだけであり、多くのイスラム教徒は平和主義者のはずです。ユダヤ人だって、本当は平和が好きなはずです。
平和が訪れることによって自分達の存在意義が無くなってしまうテロ組織を除いて、ほとんどの人たちは戦争が嫌いなはずです。そうなんだから、もうちょっと何とかならんもんかなあ。

(2006.7.27)



〜おしまい〜





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