アメリカ産牛肉輸入再々開

〜 早く全面解禁に! 〜



やっとの事で、再びアメリカ産牛肉の輸入が再開された
昨年12月に、「生後20ヶ月以下で、脳や脊髄などの特定危険部位を取り除いた牛肉と内臓」という条件付きで、アメリカ産とカナダ産牛肉の輸入再開を決定したのに、その直後の今年1月に、成田の動物検疫所で特定危険部位である脊柱が付いたアメリカ産牛肉が見つかったため、たった1ヶ月で再びアメリカ産牛肉の輸入が全面的にストップしていたのだ。お粗末というか、信じられないずさんなアメリカの対応であったなあ。

それが、やっと、このたび、半年ぶりに再び輸入再開が正式決定した。これを受けて、さっそくアメリカの34の食肉処理施設で日本向け牛肉の食肉処理が解禁され、8月初めにも輸入が始まる見通しとなった。まことに喜ばしい限りだ。また、1月の輸入停止に伴って日本の港湾などで保管されていたアメリカ産牛肉(約1000トン)の輸入も認められるから、これらはもっと早く消費者の手に届く。

さっそく牛丼最大手の吉野家は、9月下旬からの販売再開に向けて準備を急ぐ方針だ。他の外食産業が、必ずしも早急な動きは見せていないのに、なぜ吉野家が急ぐのかと言えば、これは価格だけの問題ではなく、吉野家の牛丼の味はアメリカ産牛肉でないと難しいからだ。吉野家の牛丼が好きな人は、誰でもそう思うだろう。
他の牛丼屋やスーパーの多くは「消費者の安心感を考えると、当面はアメリカ産牛肉は取り扱わない」という方針のようだが、アメリカ産牛肉が欲しいという消費者が増えてくれば、彼らも再開するだろう。

このような喜ばしい事態に対し、相変わらず頭の悪い人たちがヒステリックな反応をしているし、商売第一主義の扇情的なマスコミは、やたら人々の不安感を煽り立てている

まずは、日本消費者連盟「輸入再開は食の安全を願う国民の声を無視したもの」などとする抗議声明を発表した。こういう頭が悪くてヒステリックな人たちが存在するっていうのは認めるけど、嫌なら自分が買わなければいいだけの話であり、他人に強要するのは止めてもらいたい。ほっといてくれ。

それから、民主党の小沢代表は、「小泉首相が、先の訪米で輸入再開をブッシュ大統領への手土産にした。国民に対する冒とく的な行為だ」なんて批判している。僕は小沢氏と、彼が代表になった民主党に期待しているんだけど、こんなバカな批判をしているようじゃ、かつての社会党と同じだ。野党だから、とにかく何でも政府のやることには反対するというスタイルだ。本当にガッカリだ。

もちろん、政府のやることにはなんでも反対のマスコミは、ほとんどが輸入再開に反対だ。マスコミというのは、なんでも反対の無責任野党だった社会党を彷彿とさせる対応が基本スタンスなので驚くにはあたらないが、国民の税金(みたいなもの)で成り立っているNHKまでもが批判的に報道するのは本当に腹が立つ

そして、さらに驚いたのは、牛丼チェーンすき家を展開するゼンショーが、アメリカ産牛肉を使用した牛丼の販売を再開する方針である吉野家に対し、「率直に言って、やってほしくない」なんて批判している事だ。「安全性の問題というより政治的課題として無理して再開した感じだ。消費者の納得性は薄い。後で安全面で悪い結果が出たら責任を取れるのか」なんて言ってるが、疑問に思うのなら、自分とこの店が使わないのは勝手だが、なんで他社を批判するんだ?おかしいじゃない。これは、ゼンショーはアメリカ産牛肉の代わりにオーストラリア産牛肉を使って牛丼を販売してきたのだが、吉野家が安いアメリカ産牛肉を使った牛丼を再開すると、価格競争で不利になるから牽制しているだけだ。つまり、ライバル社の足を引っ張ろうとしているだけだ。なんていう姑息なバカだ。

以上のような批判は、自分の心の中で勝手に思えばいい話だ。嫌な人は買わなければいいだけだ。食べなければいいだけの話だ。好きで買う人に対してまで勝手な干渉はして欲しくない。消費者が自分の責任で判断する問題だ。
これは、これまでも強く言ってきた事だが、小泉首相も全く同じ事を言っている。「政府は十分調査し、国民の声を聞き、安全を確認して再開した。アメリカの牛肉を食べたい人は食べるだろうし、安全にまだ不安があるから食べたくないと思う人もいるだろう。今後、消費者がどう判断するかだ」と語っているが、全くその通りじゃないか。

昨年末に輸入再開されるまでも2年もかかったのだけど、今回はさらに半年も待たされた。本当に無意味な2年半だ。世界標準から見れば全く意味の無い非科学的な検査を要求してきた事自体が間違っているし、買うか買わないかは消費者が選択するべき事であり、国がとやかく言う事ではないのだ。

そもそも、狂牛病の牛が蔓延していたヨーロッパですら、人間が感染した例は極めて少なく、それだって本当に狂牛病なのか明らかではない。日本では人間なんて誰1人感染していない。アメリカの牛だって、感染した牛が少し見つかっただけだ。根元的な問題として、牛の狂牛病が人間に感染することすら確定はしていない
危険性は完全なゼロではないが、この世に完全にゼロの危険性なんてあり得ない。狂牛病の危険性なんて、交通事故で死ぬ確率と比べれば全く無視できる危険性だ。そんな小さな危険性のために莫大な検査費用をかけて、大きな犠牲を強いてどうするんだ。

今回、なんとか輸入再開にこぎ着けたのは喜ばしいが、ただし、まだまだ輸入全面再開ではなく、「生後20ヶ月以下で、脳や脊髄などの特定危険部位を取り除いた牛肉と内臓」という厳しい条件はついたままなので、例えば吉野家が確保できる牛肉量は輸入が停止された2003年12月以前の4割程度にとどまる見込みで、牛丼再開も当初は期間限定になりそうだ。また、価格も割高になりそうで、販売停止前の並盛280円ではなく、オーストラリア産や中国産牛肉を使用している他社並の価格になりそうだ。
さらに、アメリカ産牛肉輸入禁止で壊滅的な被害を受けた牛タン料理店は、まだまだ厳しい状況が続く。牛タンに使う肉は生後20ヶ月以下の牛では不十分なのだ。

とにかく、これまでも何度も提案してきたように、

@ アメリカ産牛肉の輸入を全面的に再開させるが、流通は厳格に管理して、「これは検査していないアメリカ産の牛肉です」と言うように表示させる。買うのはあくまでも自己責任だ。(もちろん僕は買う!)

A 牛丼屋を始めとする外食産業においても同じく「検査していないアメリカ産の牛肉を使用しています」と明記させる。それでも平気で食べる人は自己責任だ。(もちろん僕は食べる!!)

いつまでも消費者を子供扱いする政策は止めよう。僕のように牛丼を愛するタイプの人は、自分の責任で行動します。

(2006.7.29)



〜おしまい〜





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