著作権の横暴

〜 あこぎなJASRACを許すな 〜



ビートルズの曲をピアノやハーモニカで演奏して客に聴かせていた東京都練馬区のバーの経営者が逮捕され、東京地裁で懲役10月、執行猶予3年を言い渡された。無断で演奏したことが著作権法違反の罪に当たるとされたのだ。

(石材店)「そんなんが罪になるんですかい?」
(幹事長)「あまりにも、ひどーいっ!常軌を逸してる!JASRACに肩入れするなんて、日本の司法も地に落ちたっ!」


この人は、もともとクラシック音楽が好きで、1981年にピアノの生演奏を聴かせるバーを開店し、音大生をアルバイトに雇って週に数回程度、ショパンなどの名曲を演奏させていた。そのうち客のリクエストに応じて、ビートルズやビリー・ジョエルなどの曲も演奏するようになったらしい。

これに対して社団法人日本音楽著作権協会(JASRACは、自分とこが著作権を管理する曲を、許諾を得ずに勝手に生演奏していたとして警視庁石神井署に刑事告訴し、著作権法違反の容疑で逮捕されたのだ。
JASRACは「本来ならばこうしたことはしたくなかったが、公平性の観点からも刑事告訴以外に手段を取ることはできなかった。やむを得なかった」としているが、誰がどう考えても、おかしいでしょ?

JASRACの悪行については、枚挙にいとまがない
中でも最近、腹が立つのは、携帯型のデジタル音楽プレーヤーへの課金問題だ。
コピーに対する課金としては、MDやCD−Rといったコピー媒体には従来から制度として既に運用されている。これだけでも腹立つのだが、CD−Rに関しては、課金されている音楽用CD−Rじゃなくて、課金されていないデータ用CD−Rを買えば済むので、実害はない。MDは仕方ないけど、MDってそもそもテープと同じで、その時に自分が聴きたい曲などをまとめて編集してダビングするのが普通の使い方なので、飽きたら別の曲を入れ替えたりするだけなので、そんなに枚数は必要ない。
それはいいとして、JASRACは、iPodに代表されるハードディスクやフラッシュメモリーを使った音楽プレーヤーに対し、本体に直接、課金しようとしているのだ。なぜなら、これらの音楽プレーヤーにはMDやCD−Rのような媒体が無いからだ。さらには、最近はパソコンで音楽を聴く人が急増しているため、なんとパソコンを含め、コピー機能を有する全機器への課金も視野に入れているのだ。パソコンまで課金されてしまうと、録音や録画なんか一切やってないパソコンユーザーも課金されてしまう。こんな無茶苦茶な好き勝手が許されていいのか!?

もともとテープレコーダーが世の中に出た時から、レコードをテープに録音して私的に利用することは、著作権法の例外として認められてきた。ビデオテープにテレビ画像を録画するのも同様だ。携帯音楽プレーヤーやパソコンに録音して音楽を聴くのは、これらと全く同じだ。違うとすれば、デジタル化されたためテープ時代のアナログ方式に比べて音質や画像が向上したことだ。
しかし、いくら音質や画像が劣化しなくなったからといって、それを無制限にコピーして商売にしようという人がどれだけいるだろうか。ほとんど全ての人は、従来と同じく、私的に利用するだけだ
それなのに既得権益保護の怪物であるJASRACは徹底的な課金に命を燃やしている。JASRACは文部科学省の出先機関だが、文部科学省がやっている悪行と言えば、ゆとり教育による日本人総白痴化だけではないのだ。
当然ながら、課金が製品価格に転嫁されるメーカー側は、制度そのものの存在意義に疑問を呈し、対立の構図を深めている。しかし、ユーザーである1億3千万人の国民の怒りが届いているかと言えば、あんまり聞こえてこない。みんな、あんまり知らないからだ。

ちょっと本題からはずれちゃいましたが、コピーに関しては議論の余地もあるけど、自分の店でビートルズの曲をハーモニカで吹くことが、著作権法違反になるのか?いくらなんでも強欲すぎるんじゃないの?最近は学校の音楽の教科書にもビートルズの曲が載ったりしてるけど、それも全部課金してるの?幼稚園児が学芸会で歌っても課金されるの?
もちろん、学校は商業利用ではなく、バーのおっさんは商業利用と言えなくもない。しかし、バーでハーモニカ吹いたら課金されるなんて、世の中が信じられない。JASRACの行為は音楽文化の消滅につながる暴挙だ。音楽について全く理解していない、文部科学省の役人の天下り先にすぎないJASRACなんて、解体した方がいいのかもしれない

(2007.1.27)



〜おしまい〜





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