死に神

〜 幼稚な朝日新聞 〜



(石材店)「えらく久しぶりですねえ」
(幹事長)「いやあ、ほんと。サボりにサボってました。連休明けから忙しくて、なかなか書く時間がとれなくて。
       いまだに5月末のオリーブマラソンの記事すら書けてないし」
(石材店)「その間に色んな事がありましたよねえ」

確かに、この2ヶ月間も色んな事があった。中国では四川大地震が起きて、チベット問題を吹き飛ばしてしまい、悪の帝国である中国にとってはオリンピックを控えて願ってもないラッキーな展開となった。さらに中国がらみで言えば東シナ海ガス田問題でも進展があった。もちろん、これは手放しで評価できるような事態では決してないが。さらに、その近海の尖閣諸島では、台湾の漁船を海上保安庁が撃沈してしまい、台湾では大騒ぎになっている。
これらについては、また別の機会に時間があれば書くとして、今回はもっと簡単な、というかストレートに批判できる案件について書く。批判の対象は、中国と並ぶ悪の権化である朝日新聞だ。

何かと言えば、朝日新聞が、法律に則って粛々と死刑執行を遂行している鳩山法務大臣を「死に神」と批判した事件だ。これまでに何度も指摘している事だが、刑事訴訟法では死刑判決の確定から6ヶ月以内に法務大臣が執行を命令するように定めているのだから、死刑判決が出た以上は、死刑執行するのが義務なのだ。法律の元締めである法務大臣なら、法律を守るのが当然であり、法律に従って粛々と死刑を執行しなければならない。それが義務だ。本人の心情を挟む余地など無い。そなな事をしていれば、法治国家とは言えなくなる。そして、これまでの多くの法務大臣の怠慢により溜まりに溜まっている死刑確定者に対し、鳩山法相は昨年8月の就任以来、2ヶ月に1回のペースで計13人の死刑執行を指揮したのだ。これは褒められる事はあっても、決して批判されるような事ではない。僅か4年足らず前に書いた記事を読み返してみると、当時はまだ執行されていない死刑確定者は60人ちょっとだったのに、なんと今では100人もいるのだ。これは歴代の法務大臣の怠慢以外の何物でもない。
それなのに、独善的で偏見の塊である朝日新聞は、鳩山法相を「死に神」と批判したのだ。

当然、鳩山法相は激怒した。なんちゅうても、直前の死刑執行が、連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤死刑囚らだったため、その執行に対して文句を言われてはかなわないわな。宮崎勤死刑囚なんて、死刑判決を受けておきながら、いつまでものうのうと生きているっていうだけで日本国民13000万人が憤るような存在なんだから、さっさと死刑執行するのが日本の平和のためだ。
ただし、鳩山法相の怒りのコメントは「執行された方々に対する侮辱。彼らは死に神に連れて行かれたのとは違う」なんてものであり、これは、ちょっと、おかしいぞ。執行された死刑囚どもに対して侮辱しようが何しようがかまわないし、まさに死に神に連れて行かれるべきだ。死に神に地獄へ連れて行かれて永遠に苦しむべきだ。もちろん、鳩山法相だって本音でそんな事を思っている訳はなく、「死刑執行しないと被害者を始めとする善良な国民に対する侮辱だ。こんな奴らはさっさと死刑執行しなければならない」って思っているけど、表だって言いにくいから、誤魔化しているだけだ。

鳩山法相本人だけでなく、朝日新聞の幼稚でアホな記事に対しては、全国から批判の渦が巻き起こり、「法相は職務を全うしているだけ」とか「死に神とはふざけすぎ」といった1800件に上る抗議が朝日新聞に寄せられた。朝日新聞は「法相らを中傷する意図はまったくありません」なんて言い訳をしたが、「死に神」と表現しておきながら中傷する意図が無かったとは言えないだろう。

さらに、全国犯罪被害者の会も「確定死刑囚の1日も早い死刑執行を待ち望んできた犯罪被害者遺族は、法相と同様に死に神ということになり、死刑を望むことすら悪いことだというメッセージを国民に与えかねない」、「犯罪被害者や遺族をも侮辱する内容で、侮辱的で感情を逆なでされた」として、朝日新聞社に「抗議および質問」と題する文書を送付した。また、僕が言っているのと同じように「法律に従って執行を命じたにすぎない法相を非難することは、法治国家を否定することになる」とも批判している。
慌てた朝日新聞は「いただいた「抗議および質問」を真摯に受け止め、速やかにお答えする」とコメントを出したが、ここまで批判されるとは思わなかったのだろう。って言うか、小さな記事だったから、ほとんどチェックしてなかったんだろう。朝日新聞の記者の知的水準は極めて低いんだから、ちゃんとチェックしないと、とんでもない記事が出て行くというのに。

なぜこのような不細工な騒ぎを巻き起こしたのかと言えば、死刑反対という朝日新聞のスタンスが根本原因だ。いつもいつも朝日新聞は、誰か死刑囚が死刑執行されるたびに死刑反対の論調の記事を載せてきた。そして、いつも決まって高村薫という死刑反対に凝り固まった大変頭の悪いヒステリーおばはんを登場させて死刑執行を批判させている。また、ヨーロッパ各国が死刑を廃止している事をことさら強調し、それを真似しろとばかり吼える。ヨーロッパがやっている事ならなんでも真似しろと言うのだろうか。イギリスやフランスのように核兵器も持てと言うのだろうか。フランスのように電力を100%原子力発電所にしろと言うのだろうか。
とにかく、朝日新聞としては死刑に反対したい。しかし、日本国民の実に80%が死刑制度に賛成している現状では、なかなか大きな声では死刑制度廃止を言いにくい。ストレートに言いにくい。そんなこと言ってたら新聞売れなくなっちゃうもんな。それで、ちょっと茶化して死に神なんて表現を使ったのだ。姑息と言うか知能が低いと言うか、日本のマスコミのレベルの低さをさらけ出してしまった事件だ。

(2008.6.26)



〜おしまい〜





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